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現職の教職大学院生は二度「越境」する?!

 先日の記事で、
「現職の教員が教職大学院で学ぶことは『越境学習』だと言える」
「『ホーム』か『アウェイ』かで言えば、在籍校が『ホーム』、教職大学院が『アウェイ』ということになる」
 という主旨のことを書いた。

 多くの現職院生たちは、1年間の短期履修で教職大学院を修了し、在籍校を含めた元の自治体などに戻ることになる。それは「ホーム」に帰ると言っていいはずなのだが、
「かならずしも、そうだとばかりは言えないの」
 という気もするのだ。

 昔話の『浦島太郎』を例に考えてみよう。 

 浦島太郎にとっては故郷の村が「ホーム」、竜宮城が「アウェイ」だと言える。
 太郎は竜宮城で「越境学習(体験)」をし、本人の感覚としては「久しぶり」に故郷の村へ戻ってくる。

 ところが、竜宮城と地上とでは時間の流れがまったく異なっており、地上では数十年もの歳月が流れていたのだった。
 つまり、太郎が戻ってきた村は、彼にとっての「ホーム」ではなく「アウェイ」になってしまっていたのである。

 1年後に在籍校などへ戻る現職院生たちの姿も、この浦島太郎に似ているのではないだろうか。
 院生たちにとって竜宮城に相当するのが教職大学院である。
 昔話と異なっているのは、彼ら・彼女らが戻る在籍校などの姿が1年前とはそれほど変わっていないことだろう。変わっているのは自分たちのほうなのだ。
 教職大学院での学びをとおして、新たな知識やものの見方・考え方などを身につけた院生たちにとって、故郷の村(在籍校など)が以前と同じようには見えなくなっている可能性が高い。言い換えると、「ホーム」に戻ったはずなのに「アウェイ」に越境してしまう可能性があるのだ。まさに二度目の「越境学習」である。

 そうなったとき、どのように行動をすればいいのか?
 そのヒントも、今後の教職大学院での学びの中でつかんでほしいものである。

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