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即席麺最前線2024

知り合いがラジオに出演したので、ラジオを聴きながら話をまとめてみました。


出演したのは、大山即席斎氏。インスタント麺の研究家にして、TV番組「テレビチャンピオン」に出演して初代即席麺チャンピオン。インスタント麺の付属のスープの粉をなめただけで、どの即席麺のものなのかを当てられるという、警察犬なみの味覚と知識を備えた即席麺のエキスパートです。

きっと、即席麺による殺人事件が行われたら、鑑定のために呼び出されて「この即席麺を食べていたのは、Aさん、あなたですね!」とスープをひとなめしただけで当ててしまうことでしょう。まあ、即席麺で人はころせないのですが。

大山氏が、毎年この時期にラジオ番組「安住紳一郎の日曜天国」に出演。毎年恒例の出来事です。

事前にX(旧Twitter)で流れてくる情報によれば、番組本番の2日前にTBSラジオで打ち合わせがあり、当日に話す内容のリストアップを行うようです。おそらく、雑談形式で話をすることで、当日の内容を決めているのでしょう。話がはずんでしまった場合には内容を減らしてみたり、時間が余ってしまったときのために、追加エピソードなどもリストアップしているはずです。

書き出してみると、事前の打ち合わせを行うために、何か破綻するようなこともなく、「こういう話になるんだろうな」という構造が聞く前からわかります。基礎をおさえつつ、変化にも対応できるようにしているところなど、プロの仕事という印象を受けます。

番組構成

まず最初に、大山氏のプロフィール紹介。最近どんなことをやっているかといった近況報告。最近取り組んでいることとか、以前に話していた内容のアップデートなどなど。

そのあとに、最新の即席麺事情について3つぐらいのテーマにしぼって話をするというのが通例です。

自作のアイデアプロセッサ「Kamenoko」によって、ラジオを聴きながらまとめた図

東西南北の味

昔から、即席麺には地域の味の傾向に合わせて「東日本版」「西日本版」といったものが存在していました。とくに、うどんの汁の好みに応じて分かれており、実際にその場所に行かないと買えない商品でもありました。

そうした情報が消費者に広く知られるようになり、メーカー側も「ご当地麺シリーズ」的な商品展開を行うようになった、というのが最初のテーマ。

ペヤング カップやきそば

通常版にくわえ、「もしも西日本版があったらこういう味」という「if商品」として西日本版を展開。甘くてどろっとしたソース。

マルちゃん 赤いきつね

4種類の味で先行。東日本、西日本にくわえ、関西風、北海道風。

日清 どん兵衛「だし比べ」

関東風(かつおだし)、関西風(こんぶだし)、北海道風(利尻昆布)にくわえ、新たに南日本風「やきあごだし、さばぶし」を追加したとのこと。

2024年個人的ヒット作

大山氏の琴線に触れた個人的なヒット商品についての紹介。

一平ちゃんタルタルソース味

岩下新生姜やきそば

などに加えて、最近定番化してきた「ごはん系即席食品」である「日清カレーメシ」や、即席麺をつかったスナックの「ベビースターラーメン」などもよく食べるとのこと。


企画商品:みそきん

YouTuberヒカキン氏と日清のコラボ商品の味噌ラーメン「みそきん」について。1日で売り切れてしまったオバケ商品。普通においしいものの、個性に欠ける味だったので、もっと「こだわり」を前面に出してくれたほうがよかった、とコメント。

「元祖」の高い壁

元祖にして定番商品である「カップヌードル」を、新商品が追いかけて追い抜こうと開発競争が行われているわけですが、どうしても新商品は「具材」に凝るというアプローチをおこないがちで、昨今の食材価格高騰のあおりを受けて、この傾向にブレーキがかかった、との分析。

新商品には「具材の少ない」商品が増え、一方で定番商品である「カップヌードル」は、価格を上げつつ中身のボリウムは維持するという方針がとられているため、じわじわと価格が上昇。定番商品の1強っぷりが顕著になっているとのお話でした。

全体の構造分析をして知るプロの技

こうして、実際に話を聴きながら構造を書き出してみると、過不足ないボリウム、聞き取りやすい内容の構成、わかりにくい専門用語には適切な解説を加えるなど、安住氏のプロの技を感じることができます。

最近は日天を聞いていなかったのですが、知らない間に「副部長」から「役員待遇」になったとのこと。驚かされることばかりの2時間でした。

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