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iPad Plan B

Plan AとPlan Bが用意されていたことが伺い知れるiPadに出会ったことがあります。iPadの3世代目、初代Retina iPadです。


初代Retina iPad(3rd generation)はPlan Bの産物?

初代のRetina iPadは、Retina Displayを採用したはじめてのiPadであり、美しく、見やすく、そして前機種よりも分厚い筐体を持っていました。さすがに初代iPadよりは大幅に薄いものの、前機種よりも分厚いというところに違和感が。

前機種のiPad 2は8.8mm、iPad 3は9.4mm厚。その2世代後に出てきたiPadでは7.5mmまで薄型化

処理能力も、前機種とさしてかわらず……もっとパワフルな機種を出したかったが、「出せなかった」という意図を感じたものです。

ハードウェア的にほとんど変化がなかったiPad 2とiPad 3。次のiPad 4も足踏み状態で、開発が難航していたことがうかがわれる

予定どおりなのか、予定外があったのか?

そして、今回の5月7日(現地時間)のiPad Event。

当初は3月初頭という噂が、3月末という噂になり、WWDC前の5月に何かiPadのイベントをやるらしい、という噂に変化し、完全に関心を失っていたところでした(もともとiPadの噂に個人的な興味はかきたてられません)。

発表日がコロコロ変わるというのは、よく聞く話です。イベント日のために製品発表を合わせると開発に支障が出るため、製品開発の進捗に合わせてイベント日を設定する現在のスタイルに変更。

それでも、イベント開催日(噂)が変更されまくるというのは……

当初から5月発表予定だったが、関心をつなぎとめておくために、偽りの噂を撒いてみたという見方もできます。噂は噂であって、その真偽のほどを問われる種類のものではないためです。また、Apple社内では噂の漏洩源を探るために別々の経路に異なった噂を流して漏洩元を探ることもよく行われてきました。

ただ、今回はあまりそうした様子が見えないように思われます。

そうでないと仮定するなら、単純に開発が予定どおりに進捗していなかったか、何か問題に突き当たっていたというパターン。

直前に何かをあきらめたのか、あるいは当初からの予定どおりなのか?

「AirTag」の噂などは5年間ぐらいずっと続いていたので、製品が出てきたときには「これがあの伝説の……」という気分になったものです。

5月のiPadイベントで発表されそうなのは、

  • 12.9インチiPad Pro(M3)……OLED採用で薄型筐体?

  • 11インチiPad Pro(M3)……OLED採用で薄型筐体?

  • 12.9インチiPad Air……OLED採用で薄型筐体?

  • 10インチiPad

といったところでしょうか。iPad miniという話は出ていませんでした。

ここに共通して出てくるのは、「M3」「OLED」「薄型」というフレーズです。

M3チップは、さんざん生産されているため、いまさら何か問題が出てくるというものでもないでしょう。

OLEDについては、サムスンか中国のサプライヤーが供給するものと思われますが、これも実績があるため、いまさら何を? というところでしょう。調達先の「国」の問題で急遽変更した、といった可能性は否定できませんが、証拠も何もありません。

「薄型筐体」……これについては、噂についてまわっていましたが、誰も確認した人はいません。

「薄型筐体で設計していたが、製造上の問題が発生して対処していた。無理な薄型化をやめることで回避した」

とか、

「中国メーカーからOLEDを調達する方向で進めていたが、米国と中国の関係悪化で他国に変更することを強いられた」

とも読めますが、いかがなものか。これには、とくに明確な証拠もありませんし、ソフトウェアなどの別の箇所で問題が発生したのかもしれません。

ただ、この5月に出てくる製品群は、本来予定していたものではない「Plan B」の雰囲気がする……というのは感じすぎでしょうか?

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