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涼を呼び込む【山梨の縄文土器】

連日の体に応える暑さに、早くも秋が待ち遠しくなっているこの頃です。
そんな暑さをものともせずに、毎日元気いっぱいの声が聞こえるのは、近所の雑居ビル1階にある保育園。今月初めから恒例のプール遊びが始まって、子供たちの声はますます元気そうに聞こえてきます。
ビルの入口の僅かな空間を利用して、家庭用のビニールプールを2つ並べた即席水遊び場には、よしずが立てかけられ、小さなじょうろや水鉄砲と楽しさ満載の小さな子供たちのパラダイスになっています。

ちょっと、羨ましいなぁ水遊び。
大人には楽しむことが出来ない世界ですね。
取り敢えず、今日は縄文土器から涼しさをお裾分けしてもらいましょう。

その縄文土器は「水煙文土器」。
縄文時代中期の山梨県で多く作られ、いくつかのバリエーションがあります。
水煙が湧き上がるように見えることから名づけられ、新潟県の「火焔形土器」と共に、縄文土器の造形として取り上げられる事も多いようです。

縄文時代の夏も今とさほど変わりなく、きっと暑かったはずです。
縄文人が暑さをしのぐために作ったかどうかは謎ですが、自然の中で感じる風や、小川のせせらぎの音からインスピレーションを受けて創作されたように感じます。

縄文時代の自然の中にワープして、耳を澄ませて湧き上がる水煙を思い浮かべてみれば、涼しい霧のシャワーを浴びることができそうです。

至高の水煙文土器と言われる、
流れる文様の美しさが際立つ土器です。
釈迦堂遺跡博物館


上部の丸窓が円の筒で囲まれているような、
丸窓・円環形水煙文土器
 
山梨県立考古博物館


上部がケーキのモンブランのような、
渦巻ドーム形の水煙文土器
 山梨県立考古博物館


大きな突起が2つのものは、
初期の水煙形土器の特徴です。
北杜市考古資料館


近くで見ると躍動感が凄い!

土器から昇るミストシャワーを浴びて、ほんの少しだけ涼を感じる…気がしませんか⁉

考えてみると、水遊びを楽しめる時は人生の中でほんの僅かです。
この時を思いっきり楽しんでほしいですね。

お読みいただきありがとうございました。




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