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世田谷で縄文も楽しむ!とっておきのアート散歩

美術館巡りや街歩きがストレスなく楽しめる季節。
魅力的な数々の企画展に加えて、創造性豊かな縄文の遺物もアートとして見逃せないと、アート好きとしては忙しくも嬉しい日々です。

今回は「一人でゆったりアートを」という時にお勧めな、東京都世田谷区の東急世田谷線界隈を歩きます。
画家と彫刻家のかつてのアトリエや郷土資料館を訪ねながら、2~3時間で廻るアート散歩です。

今回は「世田谷駅」を起点に歩きました

① 向井潤吉アトリエ館

閑静な住宅街の中にあるのは、洋画家・向井潤吉(1901年~1995年)の自宅兼アトリエ。現在は世田谷美術館分館として作品や画業を展示しています。

ここが美術館?

だれかのお宅へおじゃまするかのように玄関を開けると、室内は落ち着いた木の温もりを感じる展示室になっています。
家のところどころには民芸を思わせる花瓶に四季の花が生けられ、画家の趣味がさりげなく感じられます。
お庭に面したソファーに座って、暫し緑を眺めるのも良い時間です。

整えられた趣あるお庭

向井潤吉は京都生まれの洋画家で、戦後に失われていく茅葺屋根の民家の美を求めて、日本全国を旅しました。
雄大な自然や空模様を背景に民家の情景を描き続け、「民家の向井」と呼ばれていました。

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風景の中には、その土地の温度や湿度、天気の移り変りが感じられるような、どこか懐かしくもあり暖かいものが感じられます。
⋄滞在時間の目安 約45分

② 世田谷区立郷土資料館

この大きな門は世田谷代官屋敷の表門。
江戸時代中期、彦根藩世田谷領20ヵ村の代官を世襲した大場家の居宅兼役宅でした。
緑豊かな庭を進んだ先に、先頃リニューアルされた世田谷区立郷土資料館があります。

左:表門、 右:郷土資料館、建築家・前川國男の設計

郷土資料館の考古部門で注目したいのが、世田谷区で唯一完全な形で残る縄文時代に作られた顔面把手付がんめんとってつき土器』です。

高さ約15㎝の小さな土器。上部には人のような「顔」、そして土器部分にはヘビのような「カオ」が付いています。
このような顔面把手付がんめんとってつき土器』は約5000年前の山梨~長野で大流行したもので、その文化がこの地にも伝わってきことを教えてくれます。

縄文時代中期 / 堂ケ谷戸遺跡出土

こちらの2つの小ぶりで可愛らしい土器は、同じ遺跡から出土したにも関わらず、全く違ったテイストの文様が描かれています。縄文文様の面白さが感じられる逸品です。

縄文時代中期 / 桜木遺跡出土

⋄滞在時間の目安 約1時間

③ 佐藤記念館

庭先の女性像が目印となっている住宅は、山形県生まれの彫刻家・佐藤助雄(1919年~1987年)のアトリエ記念館です。佐藤助雄は柔らかく温かみのある女性像で知られ、作品は世田谷美術館の庭園にも置かれています。

一見、普通の民家のようですが、中に入ると2層分ほどの高い天井の空間に圧倒されます。ブロンズや木工作品を初め、あまり見ることのない石膏原型などが所狭しと展示されています。

長男である日本画家・佐藤良助さんが彫刻作品や画業について解説をしてくれ、またいくつかの彼の日本画も鑑賞することができます。

⋄滞在時間の目安 約 30分
東京都世田谷区豪徳寺2-5-9 03-3427-4545
開館:火~日曜日13時から16時
*H.P等はありませんので、休館日、時間等は電話にて確認してください。

④ 豪徳寺

「まねき猫」発祥の地と言われる歴史のある曹洞宗のお寺は、幕末の大老・井伊直弼の墓があることで知られ、観光客にも人気のスポットです。

小判を持っていない招き猫

圧巻なのは、お堂の横に所せましと並ぶ、大小さまざまな招福猫児。この招き猫見たさに、ついつい立寄ってしまいます。

何匹いるの?

⋄滞在時間目安 約15分

自分への小さなお土産

アート散歩のもう一つの楽しみは小さなお土産。
今回は、向井潤吉アトリエ館でパッケージにつられて買った「吉野の葛餅」。
私の知っている葛餅とは違う、上品なお味!

パッケージはアトリエ館の絵

渋谷駅から電車で僅か15分ほどの世田谷区。落ち着いた高級住宅地、そうかと思うと下町チックな界隈もあり、いくつもの美術館や神社、小さなカフェや雑貨店も多く、歩くだけでも楽しい地域です。
近くを通る世田谷線は全長が約5キロ、全10駅を約18分でつなぐ2両編成の車両。一日乗車券を買って乗り降りしても楽しめます。

風薫るこの季節に、ゆったり自分ペースでアートと街を楽しんではいかがでしょうか。

*来訪の際はH.P等で開館日等をご確認ください。

最後までお読みくださり有難うございました☆彡


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