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今日会いに行きたい!気になる土偶#082東京国立博物館

顔の数…多くないですか⁈
思わずそう問いかけたくなるのは、『人形装飾付異形注口ひとがたそうしょくつきいけいちゅうこう土器』。

土器の側面に貼り付いた、くっきり眉毛の顔。
よく見ると、その下にはガッチした肩幅のある上半身が描かれています。

今から約4000年前 縄文時代後期

高さ18.0㎝の小さな土器は、かなり変わった形をしています。
注ぎ口があるドーナツ状の胴部の上には向いあって2つの筒がつき、その上はまた1つの筒状になっています。

そして先ほどの人形ひとがたは、このように反対側にもついているのです。

更に「小さな顔」が、上部の1つの筒状になっている部分にもあります。
この「小さな顔」は反対側の同じ位置にも付いています。

所蔵:東京国立博物館

そう、全部で4つの『顔』のある土器です。

注口ちゅうこう土器は祭祀の際に使われた土器で、人形ひとがたの装飾は土偶が変化したものだと考えられています。土器に土偶が持つ祈りを重ねているのでしょうか。

このように人形ひとがたの装飾がついた土器は全国にありますが、普通は1つ、多くても2つ。多数の人形ひとがたがあるものは、大変珍しいものです。

この土器が出土したのは北海道の南、海を越えた先は青森県。
土器全体には、この時期に繁栄を極めた東北北部の「亀ヶ岡文化」の特徴が色濃く表れています。ただ、4つもの人形ひとがたを持つものは他には見られないようです。

注ぎ口は欠損

実はサムネイル画像は北海道博物館に展示されているレプリカで、現物はこのように注ぎ口は失われていてます。

4つもの顔を持つ注口土器から注がれたのものは…縄文時代の清いお酒であったのでしょうか。

*タイトルは「土偶」ですが、
このようなカオがついた土器や、土製品なども紹介しています。

最後までお読みくださり有難うございました。


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