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【株】10/3〜10/7振り返りと来週の展望

今週の注目決済指標

・日本 第3四半期 日銀短観
日銀の短観=企業短期経済観測調査で、企業の5年後の物価の見通しが初めて2%に達したことがわかりました。
短観では、企業の人手不足感が強まっていることも示され、企業が物価の上昇を見込む中、賃上げをどこまで進めるかが焦点になりそうです。日銀は3か月ごとに行っている短観で、企業に物価の見通しを尋ねていて、全規模・全産業の1年後の物価の見通しは、平均で前の年と比べてプラス2.6%、3年後はプラス2.1%と、いずれも前回3か月前の調査を上回りました。

・米国 09月 ISM製造業景気指数
米供給管理協会(ISM)が3日発表した9月の製造業総合指数(NMI)は50.9となり、2020年5月以来2年4カ月ぶりの低水準となった。8月の52.8から1.9ポイント低下した。先行指標となる新規受注指数が大きく低下したのが響いた。ISMは、指数の低下は「将来的な需要減に企業が対応していることを反映している」と指摘。インフレを抑えるための米連邦準備理事会(FRB)の利上げにより財(モノ)の需要が冷え込んだ可能性が高い。

・米国 09月 ADP雇用統計
民間部門雇用者数は9月に20万8000人増加した。米連邦準備理事会(FRB)の政策金利引き上げや金融引き締めにもかかわらず、労働者需要が引き続き力強いことを示唆した。8月は18万5000人と、前回発表の13万2000人から上方改定された。9月の雇用増は全てサービスセクターのもので、計23万7000人増となった。貿易・運輸・公益事業で14万7000人増となったことがけん引した。専門職・ビジネスサービス業は5万7000人増となった。ADPの全米雇用報告はデータ手法の見直しのため2カ月間休止し、前月に再開していた。米労働省の労働統計局(BLS)が発表する雇用統計での民間雇用者数を予測する上で信頼性が高くなかったことが背景にある。スタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボと共同で取りまとめるようになったADP報告が有用な指標になるかどうかはまだ不透明だ。

・米国 09月 ISM非製造業景気指数
米供給管理協会(ISM)が5日発表した9月の非製造業総合指数(NMI)は56.7と前月の56.9から小幅低下した。雇用が急増する一方、支払い価格指数は1年半超ぶりの低水準となった。

・米国 09月 失業率
米労働省が7日発表した9月の雇用統計によると、失業率は3.5%に低下した。市場予想は3.7%と前月から横ばいだった。求人数はすでに減少傾向に転じたが、失業率は上がっておらず、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制を優先して大幅な利上げを継続する見通しだ。

原油価格の動向

・結果
週間で約10ドル以上の上昇。OPECプラスの会合で決定した11月からの原油生産量を200万バレル減産することを材料に、原油価格が大幅上昇した。

・テクニカル
下降トレンド継続中で、一時的な調整での上昇の可能性がある。前回高値の97ドルをブレイクできるか注目。

・気になった原油関連記事

[ウィーン/ロンドン 5日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は5日の閣僚級会合で、11月から日量200万バレルの減産を実施することで合意した。関係筋が明らかにした。減産幅は世界需要の2%に相当し、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以来、最も大幅なものとなる。米国は大幅な減産を行わないよう働きかけていた。この減産は原油価格の反転上昇につながる可能性がある。シティのアナリストは「大幅な減産が原油価格の上昇を引き起こした場合、中間選挙を控えた米バイデン政権を刺激する可能性が高い」と指摘。戦略備蓄の追加放出のほか、「石油生産輸出カルテル禁止(NOPEC)法案」への支持が拡大する可能性にも言及した。

[ワシントン 6日 ロイター] - バイデン米大統領は6日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の大幅減産決定に失望しており、米国は代替策を模索すると表明した。OPECプラスは5日の閣僚級会合で、11月から日量200万バレルの減産を実施することで合意。減産幅は世界需要の2%に相当し、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以来、最も大幅なものとなる。米国は大幅な減産を行わないよう働きかけていた。バイデン大統領は記者団に対し「われわれにどのような代替策があるか模索している」とし、「多くの代替策があるが、まだ決定していない」と語った。7月の中東歴訪の一環でサウジアラビア訪問を後悔しているかという質問に対しては、訪問の目的が石油ではなく中東やイスラエルに関するものだったとしつつも、「OPECプラスの決定に失望している」と述べた。

米国債10年利回りの動向

・結果
週間で約0.07%の上昇。
週末7日のニューヨーク金融・債券市場では、堅調な米雇用統計を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げに対する警戒感が強まり、長期金利は上昇した。また、失業率は3.5%と0.2ポイント改善。米労働市場のタイト感が示される中、FRBが次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも大幅な利上げを継続するとの懸念が広がった。

・テクニカル
200日移動平均線までの平均線が全て上向いており、パーフェクトオーダーの形。まだまだ利上げの天井は確認できない様子。

米ドルの為替動向

今週のドル円相場(USDJPY)は、週初144.61で寄り付いた後、①英国による市場安定化を目的とした9/28の緊急措置発動サプライズ(長期国債買い入れ再開とQT開始期限の延期)や、②豪中銀による予想より小幅な利上げ実施(50bpの利上げ予想に対して結果は25bpの利上げ)、③米ISM製造業景況指数及び米JOLTS労働力調査の不冴な結果、④上記①②③を背景とした米長期金利の急低下(米国の積極利上げ姿勢が幾分和らぐのではないかとの思惑浮上→米10年債利回りが9/28に記録した4.01%から3.56%へ急低下→米ドル全面安)、⑤政府・日銀による介入警戒感(鈴木財務相は「必要に応じて断固たる措置を取る」と発言)、⑥北朝鮮による5年ぶりとなる日本上空を通過する形式での弾道ミサイル発射(北朝鮮は直近10日間で弾道ミサイルを5度発射→リスク回避の円買い圧力)、⑦心理的節目144.00割れに伴う仕掛け的なドル売り・円買いが重石となり、週央にかけて、週間安値143.52(9/26以来の安値圏)まで急落しました。しかし、一目均衡表転換線をバックに下げ渋ると、⑧ニュージーランド準備銀行(RBNZ)による50bpの利上げ実施(豪中銀に続いてRBNZも小幅利上げに留めるとの見方が浮上していたが、結果的に大幅利上げを決定したことで、市場参加者の間で広がっていた世界的な金融引き締めピークアウト期待が急速に後退)や、⑦上記⑥を背景とした米長期金利の反転上昇(米10年債利回りは3.56%から3.90%へ急上昇)、⑧米9月ISM非製造業景況指数の良好な結果、⑨サンフランシスコ連銀デイリー総裁による「インフレ抑制に向け断固(resolute)として利上げを継続する」とのタカ派的な発言、⑩ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「積極的な利上げを一時停止するのはかなり先」との市場で燻る利上げ休止観測を牽制する発言、⑪クックFRB理事による「持続的なインフレがFEDの急速な利上げを正当化する」とのタカ派的な発言、⑫米9月雇用統計の良好な結果(非農業部門雇用者数が予想を上回った他、失業率が予想以上に低下)が支援材料となり、週末にかけて、9/22以来、約2週間ぶり高値となる145.46まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/8午前4時20分現在)では、145.43前後で推移しております。

ドル円(USDJPY)は9/23に記録した約24年1ヵ月ぶり高値145.90(1998年8月以来の高値圏)をトップに反落に転じると、政府・日銀による実弾介入を経て一時140.35まで暴落しましたが、今週は週を通して買い戻しが優勢となり、週末にかけて、145.46まで持ち直す動きとなりました。ローソク足が主要レジスタンスポイントを軒並み突破している他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」や「強気のパーフェクトオーダー」も成立しているため、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、①米FRBによるタカ派傾斜観測(今週は米当局者よりタカ派的な発言が複数あり)や、②日銀による金融緩和の継続方針、③上記①②を背景とした日米金融政策格差(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、④本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル高・円安を連想させる材料が残っています。但し、145円台後半は、⑤政府・日銀による介入警戒感が残存するため、ドル円の上値余地は乏しいと判断できます(政府・日銀が円買い介入に踏み切った際のドル円高値が145.90であったため、同水準に近づくにつれて介入警戒感が意識される公算大)。事実、今週は岸田首相や鈴木財務相より円安牽制発言が見られた他、財務省の鈴木為替市場課長からは「介入資金に限界があるとは認識していない」との強気発言もありました。また、財務省が9/7に発表した9月末時点の外貨準備高によると、外国債券が急減しており、介入資金を米国債の売却で対応したことも明らかとなりました(市場コンセンサスであった介入資金を米国債売却で手当てすることは難しいとの見方が消失)。従って、政府・日銀による介入余力は今後も潤沢にあると見られ、146円や147円に向かって上昇することは容易では無いと考えられます。こうした中、来週は10/12に開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議や、10/13に予定されている米9月消費者物価指数、10/14に期限を迎える英国の緊急国債買い入れ措置に注目が集まります。①G20でドル高是正を求める発言が出る場合(10/6にイエレン財務長官が「ドル高に伴う為替変動がもたらす潜在的な影響に留意している」と発言したことで市場ではG20でドル高是正議論が始まるとの思惑浮上→ドル売り再開期待)や、②米CPIが市場予想を下回る場合(インフレピークアウト期待再開→米金利低下→米ドル売り)、③英国が緊急措置の延期を発表する場合(英国による緊急国債買い入れ措置延長→世界的な金利低下→米金利低下→米ドル売り)などには、ドル売り圧力が強まる恐れがあることから、来週はドル円の反落リスクに注意が必要な時間帯が増えそうです(本邦介入警戒感に伴う円買いと、上記①②③を背景としたドル売りの組み合わせ)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

参考リンク

NYダウの動向

・結果
週間で約300ドルの上昇。週足は上ヒゲの長い陽線となった。
雇用統計の結果を受け、FRBの利上げ継続の懸念が広がり、週末には大きく売られる形となった。

・テクニカル
今週、価格を反発したもののすぐに反落。
下降トレンドは抜けきっていないので、今後の相場の方向性は警戒が必要。

日経平均の動向

・結果
週間で約1500円の上昇。
今週は世界的に中央銀行の金融引き締めに対する警戒感が後退し、株式市場はリスクオフの巻き戻し局面に移行したことが材料と思われます。

・テクニカル
今週の反発で25500円台のラインが強く意識されていることが分かった。
今後の下落局面でも、このラインをブレイクしないかが注目ポイントになりそう。

業種別株価変化率の動向

今週、最も上げた業種は鉱業で、最も下げた業種は電機・ガス業となった。

・業界別特徴まとめ

水産・農林業(FAF)
内需系、ディフェンシブ系の企業が多い業種。不況の時や日経平均株価が下がり続ける状況でも、値下がり率が低い「底堅い動き」をする銘柄。
大きく農業・林業・畜産業・水産業に分類される。人間の生きる源である「食」を支えるだけでなく、住居や日常生活に欠かせない木材の供給や国土の保全といった様々な役割を担っている。

鉱業(MIN)
資源開発系の企業を中核とする業種。原油高メリットを受ける企業が多い。
鉱業とは、鉱物などの地下資源(場合によっては地表にあるものを含む)を鉱脈や鉱石から資源として取り出す産業である。卑金属、貴金属、鉄、ウラン、石炭、オイルシェール、岩塩、炭酸カリウムなどが採取される。農業で生産できない材料や、研究室や工場で化学合成で作れない材料を一般に採掘する。広い意味では任意の再生不可能な資源の採取を含み、石油や天然ガス、さらには化石水の採掘も含む。

石油、石炭(OAC)
内需系、資源開発系の企業を中核とする業種。原油高メリットを受ける企業が多い。石油製品製造業は、石油を精製し販売する事業であり、石油のほか、原料を混合加工して潤滑油、グリースの製造を行う事業も含まれる。石炭製品製造業は、コークス炉による石炭の乾留や、石炭を主原料として 練炭、豆炭の製造を行う事業である。また、アスファルト混合物など舗装材料を製造する事業も含まれる。 その他に石油コークス、膨潤炭など他に分類されない石油製品、石炭製品を製造する事業も含まれる。

建設業(CON)
内需系、公共投資系の企業が多い業種。建設業とは、建設工事を行う仕事だけでなく、建設工事の工程で必要となるそのほかの仕事を含めたものを指します。工事を完成させることを「請け負う(請負契約)」ことが定義です。建設業法によって定められた建設工事の種類にある工事を行い、完成させるのが仕事です。建設業の中には、一社で建築から土木工事などの過程をすべて元請けとして請け負って完成までを取りまとめる会社もあり、総合建設業としての意味合いを持つGeneral Constructor(ゼネラル・コンストラクター)、略して「ゼネコン」と呼ばれます。

食料品(FD)
内需系、ディフェンシブ系の企業が多い業種。医薬品、電気・ガスと並ぶ代表的なディフェンシブ業種の一角。食料品の製造、加工業や外食産業もこの業種に分類される。他には飲料製造業やタバコ製造業も含まれる。日系企業だとアサヒHDや味の素、JTなどが有名。製造の元になる水産農林業のパフォーマンスが落ちると一緒に株価が下落しやすい特徴がある。

繊維製品(TXA)
内需系、素材系の企業を中核とする業種。付加価値の高い電子部品・電子材料を手掛ける企業が多い。織物・衣服・身の回り品小売業は、男子、婦人、子供服、その他に大別される。需要が季節や天候に左右されやすい業界である。繊維工業は衣料・家庭用品等を製造する「衣料繊維」と、自動車部品や建材等で使用される産業資材を製造する「産業繊維」に大別され、素材別では天然由来の「天然繊維」と人口的に合成する「化学繊維」に分けられる。

パルプ・紙(PAP)
内需系企業が多い業種。パルプなどの原料輸入に対する円高メリット、燃料コストに対する原油安メリットを受ける業種でもある。
パルプ・紙・紙加工品製造業(以下、製紙業)は、次の4つの用途に分けられる。
‣ 印刷・情報用(印刷用紙、新聞用紙等)
‣ 包装用(段ボール原紙・クラフト紙等)
‣ 衛生用(トイレットペーパー・ティッシュ等)
‣ 工業用(機能紙・絶縁紙等)

化学(CAF)
素材系、海外市況系の企業を中核とする業種。内需系と外需系が混在する。原料の原油価格に影響される企業が多い。鉄鋼、機械、海運業と並び代表的な景気敏感業種の一角。化学肥料,化学工業製品,化学繊維,石けん,塗料,油脂加工品, 合成洗剤,医薬品,その他の化学工業など多岐に渡った業種がある。主な構成銘柄として旭化成や花王、富士フィルムなどがある。

医薬品(PHR)
内需系、ディフェンシブ系の企業が多い業種。食料品、電気・ガスと並ぶ代表的なディフェンシブ業種の一角。医薬品の研究・開発、製造を行なっている業種である。
主な構成銘柄として武田製品、第一三共、エーザイなどがある。

ゴム製品(RBP)
外需系、海外市況系の企業が多い業種。一般に外需株は、海外の景気動向や為替相場に業績が左右されやすく、特に為替面では、円安の時に利益が増え、円高の時に利益が減るという特徴があります。
中堅中心に内需系企業も混在する。主力のタイヤメーカーは自動車販売の影響を受ける。主にタイヤ・チューブ製造業とゴムベルト・ゴムホース・工業用ゴム製品製造に大別される。タイヤ・チューブは自動車メーカーやディーラーなど、ゴムベルト・ゴムホース・工業用ゴム製品は自動車業界含め、建設、鉄道、機械、IT業界など幅広く販売している。取り扱い製品は幅広いが販売先の中心は自動車業界であるため、自動車業界の生産台数に業績が左右される。

ガラス、土石製品(GAC)
内需系、公共投資系の企業を中核とする業種。付加価値の高い自動車部品や電子部品、鉄鋼関連の製品を手掛ける企業が多い。ガラス・土石製品業はガラス製品や、土石製品であるセメント製品、陶磁器製品などを製造する事業のことを指す。ガラス・土石製品業は不動産や住宅、土木業界の影響を受けやすく、経済動向に左右される傾向にある。東京五輪開催決定に伴う公共工事の増加で市場が好調になることや、米国でのセメントの民間需要の増加等、民間住宅投資の需要といった要因でガラス・土石製品業界は影響を受ける。

鉄鋼(IAS)
外需系、素材系、海外市況系、景気敏感系の企業が多い業種。中堅中心に内需系企業も混在する。化学、機械、海運業と並び代表的な景気敏感業種の一角。鉄鋼業には、「製鉄業」や「製鋼・製鋼圧延業」、「製鋼を行わない鋼材製造業」、「表面処理鋼材製造業」などがあるが、業界規模・影響力から「製鉄業」が中心となる。鉄鋼は「産業の米」と呼ばれ、建築土木、自動車、産業機械、電気機器などの製造に欠かせない素材であるため、鉄鋼業は日本の重工業を代表する基幹産業の1つとなっている。素材産業のため、需要先の業界の景気動向に左右される。

非鉄金属(NM)
内需系、海外市況系、景気敏感系の企業を中核とする業種。大手の一角は資源開発関連でもある。付加価値の高い自動車部品や電子部品を手掛ける企業が多い。日本に限らず世界的に見ても鉄以外の金属の生産総量が鉄鋼の生産量に比べ圧倒的に少ないために、便宜的に「非鉄金属」という名称を与えて1つのグループにまとめたものであるが、語感からすると「鋼」も除外されているような意味を持ち、鉄鋼の中では鉄と呼ばれるものよりは鋼と呼ばれるものも多いという議論も起こりやすく、混乱しやすいので使用領域は限定的である。この分類は工業的または経済的理由での分類に過ぎず、それ以上の特別な意味はない。物理や化学といった科学的な特性での分類でもないので、科学分野では余り用いられない用語である。

金属製品(MP)
内需系企業が多い業種。住宅関連、建築・土木、自動車部品など幅広い産業分野の企業が混在する業種。金属製品製造業の製造品目や販売先業界は多岐に渡るものの、鉄鋼や非鉄金属などの金属精錬製品を原材料として仕入れ、金属製品や最終製品に加工していくというビジネスモデルは共通である。金属製品製造業は販売先であるユーザー企業(自動車や建設、住宅メーカー等の大規模企業)のニーズに合った製品を製造する受注生産型が主体であり、各業界のユーザー企業に対して製品設計への参画や周辺技術のコーディネートを行うことができる大規模な部品メーカーを頂点とした産業構造が構築されている。

機械(MC)
外需系、景気敏感系の企業が多い業種。輸送用機器(自動車)、電気機器と並ぶ代表的な輸出業種の一角。化学、鉄鋼、海運業と並び代表的な景気敏感業種の一角でもある。消費財から生産財に至るあらゆる機械を生産する工業。機械工業の範囲は、一般産業用機械・装置製造業などの汎用(はんよう)機械器具製造業、建設機械・鉱山機械製造業、繊維機械製造業などの生産用機械器具製造業、金属工作機械製造業、ロボット製造業などの金属加工機械製造業、電子部品・デバイス・電子集積回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、輸送用機械器具製造業などに及ぶ。

電気機器(TOPIXE)
外需系企業が多い業種。機械、輸送用機器(自動車)と並ぶ代表的な輸出業種の一角。家電など消費者向け製品から、電子部品、FA、蓄電池など産業向け製品へのシフトが進んでいる。電子機器は、電子工学の技術を応用した電気製品。 情報をデジタル処理する機器や、映像・音声を電気的にアナログ処理する機器などが含まれる。主な構成銘柄としてソニーG、パナソニック、富士通などがある。

輸送用機器(TOPIXT)
外需系企業が多く、日本産業界の屋台骨を担う業種。機械、電気機器と並ぶ代表的な輸出業種の一角。主に自動車、鉄道、航空機、造船の製造を行なっている。その他ではフォークリフトなどの工場用車両や自転車の製造もこの業種に分類される。市場規模の中心は自動車製造である。自動車完成メーカーは世界規模での競争に直面しており現在は高い競争力を維持しているが今後は新興国の開拓と、環境対応や自動運転などの新技術開発が必要になる。

精密機器(PI)
外需系企業が多い業種。医療、半導体、計測機器など幅広い産業分野の企業が混在する業種。
精密機械(せいみつきかい)とは微細な部品(機械要素)で構成された機械装置のこと。精密機械の定義は曖昧である。古くは時計、カメラ、オルゴールなど複雑精妙な機械装置全般を指したが、機械装置と電子工学的な装置を融合・発展させる学問・技術分野としてはメカトロニクス(メカニズムとエレクトロニクスの合成語)があり、また高度化された精密な電子機器などハイテク分野の製品も精密機械の一種である。
主な構成銘柄としてオリンパス、ニコン、セイコーなどがある。

その他製品(OP)
内需系企業が多い業種。ゲーム、印刷、事務用品など幅広い産業分野の企業が混在する業種。サービス業と情報通信業に該当しないサービス業という理解。主な構成銘柄としては任天堂、ヤマハ、大日本印刷、アシックス、タカラトミー、ブシロード、スノーピークなど多岐に渡る。

電気、ガス(EPG)
内需系、ディフェンシブ系の企業が多い業種。生活エネルギーのインフラとして、食料品、医薬品と並ぶ代表的なディフェンシブ株の一角。電気・ガス業とは、電気、ガス、熱、水を供給する事業所と汚水、雨水の処理などを行う事業所があります。
電気業には、電気を供給する事業所とその事業所に電気を供給する事業所があります。現在の日本では地域ごとに需要に応じて電気を供給する電気事業者が存在しています。それ以外に自家用発電を行う事業所も電気業に含まれます。
ガス業とは、一般の需要に対してガスを供給する事業所を指し、地域ごとにガス事業者が存在しています。また、一定数量以上の需要に応じて導管によってガスの供給を行う事業所や自ら維持して運用する一定規模以上のガス供給を行っている事業所もあります。

陸運業(LT)
内需系、ディフェンシブ系の企業を中核とする業種。鉄道を中心に収益が安定した企業が多い。自動車運送事業と宅配事業に大別される。自動車運送事業はトラック事業、バス事業、タクシー事業などが該当し、宅配事業はヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社で90%以上のシェアを占めている。
公共の道路を利用して事業を展開しているため、事故や災害の影響を受けやすいほか、燃料や石油価格の変動の影響も受けやすい。

海運業(MT)
水運のうち、海上を利用した旅客輸送・貨物輸送に大別される。
海運は他の運輸手段に比べて低速で輸送時間がかかるが、重量・距離当たりのコストが低く、大量・長距離輸送に適する。整備された港以外で荷物の積み下ろしが行えない。原油価格に影響を受けやすい。

空運業(AT)
内需・外需の両面を持つ業種。円高メリットと原油安メリットを受ける業種でもある。空運は旅客輸送と貨物輸送に大別される。旅客輸送に関しては世界的な人口増加に加え、グローバルな人の移動が増えたことにより、年々ニーズが増加している。

倉庫、運輸関連(WHT)
内需系企業を中核とする業種。比較的に収益が安定している企業が多い。倉庫業とは、寄託を受けて顧客の物品を倉庫などで保管する受託事業で、運送業と並んで物流の中核をなす業態である。日本では倉庫業法により、施設・設備に関する基準を満たし、倉庫管理責任者を選任して国土交通大臣の登録を受けることが義務づけられている。単に場所貸しではなく、検品や在庫管理・流通加工・ピッキングから配送の他、インボイス作成などの通関業務、受発注データ管理など物流全体に関与している。

情報、通信(COM)
内需系、IT系の企業が多い業種。人工知能やIoT、ビッグデータなど今後の成長分野を牽引する代表的な業種。情報通信業の範囲は、公的には日本標準産業分類で定められている。日本標準産業分類は、情報通信業を通信業、放送業、情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業の5つに分類している。つまり情報通信業はIT関係の事業とマスメディア関係の事業を指す。一方でハードウェアの製造や新聞の印刷など製造に属する事業は除外されている。

卸売業(WT)
内需・外需および幅広い産業分野の企業が混在する業種。大手は資源開発関連でもある。卸売業とは生産者と小売店の間に入る、流通を最適化することを生業とした業種。消費者に直接商品を提供するサービスの中で、小売業を除く物品販売業全般を指す。ECサイトがあり生産者が直接消費者に物を売れる時代ですが、それでも卸売業がないと上手くなりたたない場合は少なくありません。例えば生産者の視点でいうと、卸売業者にだけ売ればいいというのはかなり楽です。小売店としてもたくさんの商品をそれぞれ直接メーカーに発注するとなるととても大変です。その卸売業者が取り扱いが出来る商品に限られるものの、そこから色々なものを仕入れる事ができるので効率的に仕入れ業務を行う事が出来ます。

小売業(RT)
内需系企業が多い業種。小売業には飲食料品小売業、書籍・文具小売業や衣服・身の回り品小売業、医薬品・化粧品小売業など、さまざまな業種があります。百貨店などは小売業に該当します。また、実店舗を持たず、テレビやインターネットなどで広告を行い、個人からの注文を受けて販売する無店舗小売業もあります。

銀行業(TOPIXB)
内需系企業が多い業種。フィンテックによる異業種からの参入やキャッシュレス化の進展など大きな変革期を迎えている業種。金融機関の一種。預金の受入れ、資金の貸出し(融資)、為替取引などを行う。また、銀行券の発行を行うこともある。実際に行える業務内容・「銀行」の範囲は国により異なる。広義には中央銀行、特殊銀行などの政策金融機関、預貯金取扱金融機関などを含む。

証券、商品先物取引(SEC)
内需系企業が多い業種。株式相場の動向に大きく影響を受ける業種。具体的な事業として、有価証券の売買等および売買等の委託の媒介、有価証券の引受けおよび売出し、有価証券の募集および売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱い、自己資金投資業、アセット・マネジメント業およびその他の証券業ならびに金融業等を行なっている。先物取引とは、デリバティブ(金融派生商品)取引の一つで、価格や数値が変動する各種有価証券・商品・指数等について、未来の売買についてある価格・量での取引を事前に決める取引のうち、最終取引日や取引量の単位が定型化され市場で扱われているものを先物取引といい、定型化されていなくて相対で決める物を先渡取引という。

保険業(INS)
内需系企業が多い業種。日本市場の大株主である大手は株式相場の動向に影響を受ける側面がある。保険は、多数の者が保険料を出し合い、保険事故が発生したときには、生じた損害を埋め合わせるため、保険金を給付する制度である。保険の対象とされる保険事故には、交通事故・海難事故・火災・地震・死亡など様々な事象があり、人間生活の安定を崩す事件・事故・災害などの危険に対処する。

その他金融業(OFB)
内需系企業が多い業種。金利動向に敏感な業種。クレジット・信販・リース業界は、消費者が商品やサービスを購入するときの代金を消費者に代わってさまざまな方法で立て替え払いする分野。手持ちのお金がないときにも、クレジットカードがあればモノを購入することができる。
その際、クレジット会社は、一時的に立て替えた金額の数%を加盟店から手数料として徴収する。一方で、カード利用者からは年会費、リボルビング払い手数料、キャッシング、旅行代理店業などの付帯サービスの売上から利益を得ている。

不動産業(RE)
内需系企業が多い業種。金利動向に敏感な業種。主として不動産の売買・交換・賃貸及びそれらの代理もしくは仲介(不動産流通業)、不動産の管理(マンション管理業、ビル管理業)などを行う事業のことで、事業を行う会社を総称して不動産会社と呼ぶ。大手の旧財閥系やゼネコン、鉄道事業者から、零細な個人経営による業者まで多く存在している。不動産市場は国内景気の動向や政府の政策に影響を受けやすい。マンション市場においては国内景気、地価、金利の動向によって供給量が変動する。

サービス業(SVS)
サービス業とは様々な顧客のニーズに応える業種のことです。大きく分類分けすると9つのサービス業があります。
・運輸業、郵便業→鉄道、自動車、航空、運船など
・不動産業、物品賃貸業→不動産、総合リース、レンタルビデオ店など
・学術研究、専門・技術サービス→研究所や法律事務所など
・宿泊、飲食サービス→ホテルや外食産業など
・生活関連、娯楽→美容院や火葬場、遊園地など
・教育・学習支援→学習塾や図書館、ピアノ教室など
・医療福祉→病院、保育所、老人ホームなど
・情報・通信業→テレビ放送局やサーバ運営など
・その他→政治団体、神社、大使館など

来週の注目決済指標

・米国 9月 FOMC議事録

・米国 09月 消費者物価指数(CPI)

・米国 09月 小売売上高

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