舞台『かげきしょうじょ!!』を観て

多幸感に溢れています。
こんなにも、原作やアニメへのリスペクトと愛を以て作ってくださったんだと感動しました。

この文章は、2023/10/22(日)の昼公演と千秋楽を観て書いたものです。ただ、言語化に時間がかかったため、日数が空いています。配信アーカイブを見てから感想を書くべきなのかもしれませんが、どうしても生の舞台を観た時の記憶で残しておきたかったので、このまま書いています。あやふやな部分もありますがご容赦ください。


まずは昼公演の感想からです。

『かげきしょうじょ!!』の舞台化を聞いた時、嬉しい半面、不安が大いにありました。それは観に行く当日まで続いていていました。受け入れられなかったらどうしようとか、別物になっていたら嫌だとか、緊張しつつ観劇に臨みました。

不安を抱えつつも、私は舞台について、なるべく事前に調べないようにしていました。新鮮な気持ちで観劇したかったからです。
必要最低限の情報収集をしていると、舞台で歌う予定の曲のラインナップが発表されていました。
へぇ~『溢れる想い』やるんだ……。『溢れる想い』!? というベタな反応をしました。
これはアニメ作中では流れておらず、『かげきしょうじょ!! 音楽集』というCDに入っている曲です。最近サブスク解禁されました。それを舞台で歌うんだ! と驚きました。

観劇当日。
アニメOP曲に合わせて登場人物達が踊り始めた時、私はマスクの上から口を覆いました。暫くその姿勢のまま固まっていました。
アニメOPには、さらさと愛が手を取り合ってくるっとターンするシーンがあります。私を含め、『かげきしょうじょ!!』ファンは全員大好きなシーンだと思います。何とそれを舞台でも再現してくださっていました。
主要人物である予科生のみならず、本科生もダンスを踊っていたのですが、素晴らしかったです。竹井先輩が笑顔で何回転もターンを決めていて、さすが本科委員長! と感服しました。聖先輩のダンスも、本科副委員長にふさわしい技術と可憐さで、聖先輩らしかったです。
講師の先生方も個性が出ていました。安道先生という杖をついた先生がいるのですが、ならではといった振り付けでよかったです。

衣装も紅華の制服が忠実に再現されていました。彼女達が踊る度、スカートが舞って花びらのようでした。
紅華の学生達は、実際に舞台に立つ時は制服姿ではないと思うのですが、だからこそよけいにこのダンスを見られてよかったです。しかも舞台中央には紅華の大階段!
胸がいっぱいになって、涙が頬を伝いました。OPダンスが終わった時点で「これで公演は終了です」と帰されても納得できるくらい満足していました。私の杞憂を華麗に吹き飛ばしてくださりました。

橘先生が台詞を喋っている時は、気炎が立ち上っているかのようでした!

ガイダンスのシーンで、何と客席の通路を予科生が行進! しかも、号令に合わせて通路に暫くとどまっていました。
私は通路付近の席にいたため、演者さんが目と鼻の先にいました。ほぼ真横に千秋がいて、あまりじろじろ見たら演者さんもやりにくいのではないかと思いました。ですが欲望に従い、横にいる間は見つめ続けていました。ずっと千秋なんです! ガイダンスに緊張しつつも、未来に希望を抱いている千秋なんです! 片時も演者さんご自身にならないんです! 役者さんって凄い……と感動しました。

予科委員長の紗和が紅華について説明するシーンがあるのですが、喋り方と声の張りが正に紗和でした! あと、お掃除のダンスシーンで、掃除用具をバトンみたいに放り投げてキャッチしていて見事でした。さすが不動の学年1位!

お掃除のシーンは、観客の方々も手拍子をしていて楽しかったです。ですが、リサ先輩がさらさにとある一言を言い放った途端、空気ががらりと変わって手拍子も止みました。その後のさらさの反応の原作再現が凄かったです!

掃除をやったことがない愛ちゃんに指導する聖先輩を見て、やっぱり愛ちゃんには優しいなと思いました。原作でも「奈良っち贔屓」と称されていましたしね。
聖先輩だけでなく、紗和も愛ちゃんに教えてあげていて、ほっこりしました。
別のシーンで、紗和は彩子のことも気遣っていたので、面倒見がいいんですよね。

愛ちゃんの過去のトラウマを説明するシーンにおいて、愛ちゃんは無表情がちになって「能面」とあだ名されるようになったという説明で、愛ちゃんの顔の前をアンサンブルの方の手が通り過ぎて、表情が剥ぎ取られるかのような振り付けが印象的でした。

下手な合唱をするシーンで、下手な演技が上手くて笑いました。さらさの下手な演技をするシーンも、棒読みが上手かったです。

前半は、食べた物を吐いてしまう彩子で幕切れでした。客席が明るくなってから、近くの席のお客さんが「彩ちゃん……」と心配そうに言っていて、共感しました。

後半で、彩子がお姉ちゃんに連絡したメッセージは、原作のもアニメのも要素を盛り込んでいてよかったです。

具合の悪い彩子を愛ちゃんが心配するんですけど、愛ちゃんは紅華に入ってから徐々に変わっていくんですよね。変わっていくというか、今まで諦めてしまっていたものを取り戻していっているのが嬉しいです。
そんな愛ちゃんの味方でずっとあり続ける太一が心強いです。

彩子が紅華を辞めようと決心した時、小野寺先生が説得に来るんですけど、その言葉一つ一つが胸を打ちました。原作でもアニメでも大好きなシーンです。
彩子の独唱には、予科生達のダンスまであって、凄く豪華でした。私は彩子贔屓なのですが、彩子がエトワールとして舞台に立ったらこんな感じなのかなと思いを馳せました。

さらさの宣言を聞いた本科生の反応がとても怖かったです!
というか本編通してずっと怖いんですよね。「へぇ……」とか「ふ~ん……」だけで怖いってどういうことですか?
でも、そうなるくらい彼女達も舞台に懸けてるってことなんですよね!
リサ先輩が聖先輩に凄むシーンとか、2人の顔が無茶苦茶至近距離で緊張しました。
リサ先輩は、決める時はビシッと決める格好いい先輩なんですよね! 厳しいですが、根は優しいんです。
聖先輩の可愛いながらも毒っ気のある立ち振る舞いとか喋り方とか、正に原作にあった「天使の顔した意志が強くてキッツイ子」でした!

EDのダンスもフィナーレ然としていてよかったです!
これをもう一度見られるのか……と嬉しく思いました。

アフタートークも楽しかったです。愛ちゃんは無表情で淡白な子なんですが、トークでは明るく話していてギャップがありました。本来の性格とは違うキャラクターを演じられる役者さんってやっぱり凄いです!
愛ちゃんが「聖先輩が怖かった」と言っていて笑いました。
橘先生が「生徒達が可愛いので、笑顔を抑えて厳しい顔をするのが大変だった」と言っていて、微笑ましかったです。

特典の紅華入学証書も手に入れられて、最高でした!


ここからは千秋楽の感想です。

パンフレットを見たら、演者さん方の年齢が載っていなくて、紅華コード(※)じゃん! と嬉しくなりました。
※紅華団員は舞台の夢を見せるフェアリーであるため、団員の本名や年齢は詮索しない。

掃除のシーンで、沢田姉妹が見えやすい席だったのですが、2人でやり取りしてる双子が凄く可愛かったです。

お昼休みのシーンで、愛ちゃんが本当に何か食べてて驚きました。パンの欠片でしょうか?

あと、愛ちゃんがさらさに遭遇して「げ」って言うシーンがあるんですが、本当に嫌そうで笑いました。

改めて感じたのですが、さらさの一挙手一投足がさらさそのものでした。指の先まで意識された動きが振り付けみたいでよかったです。

さらさの下手な演技をするシーン、千秋楽では何か訛ってたような気もします。

さらさと愛ちゃんのデュエットの『溢れる想い』とてもよかったです……。いつか2人で銀橋を渡って、同じ景色を見せてほしいです。

カーテンコールで、予科生が1人1人挨拶したのですが、皆しっかりした子達だな……と親心のようなものが芽生えました。
愛ちゃんの発言にずっこける沢田姉妹が息ぴったりでした。
さらさの号令で「かげき~しょうじょ~!」と拳を皆で挙げたのも楽しかったです。あの場に居合わせられたことは自慢です! さらさが座長でよかったなと思いました。

劇場から帰る際、「さらさが本当にさらさ!」と興奮しているお客さん方がいらっしゃったので、心の中で無茶苦茶共感しました。

舞台『かげきしょうじょ!!』を観て、さらさ達が初めて紅華の舞台を観たかのような感動を味わいました。観終わってからはふわふわしていて、数日間、日常生活に支障が出ました。

『かげきしょうじょ!!』の原作の漫画を読んでからアニメを見た時は、「さらさ達が漫画から飛び出してきた!」と思いました。そして、舞台を見て、「さらさ達が2次元から飛び出してきた!」と思いました。

今回の舞台ではメインには取り上げられなかった沢田姉妹も、次回への布石かな? となる瞬間がちょくちょくありました!
また、気の強い所や口の悪い所が目立ってしまう薫も、一本芯が通っているからこそそうなるんだと伝わるエピソードがあるため、是非やってほしいです!

円盤発売、続編作成お待ちしております! 続編は是非、同じ製作陣・キャストでお願いいたします!
もちろん、アニメも続編をやってほしいです!

こんなにもファンやキャストや製作陣に愛されていて、『かげきしょうじょ!!』を好きでよかった! と思いました。


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