本当の僕は君がいないと生きていけない程弱い男だ
解離性障害人格者のあきときです。
僕は、きっと知らない間にいつのまにか、みんなに頼られてそれに応える事が当たり前になってた。
中でも外でのみんなの長い買い物も、お小遣い管理もみんなに頼まれるから僕がしてた。
中でも外でもずっと大真面目だ。
ルールを破った事は一度もない。
時には自分の気持ちを我慢した。
頼られれば頼られる程、弱音も辛さも吐く事が出来なくなった。
なおくんが病気だって分かった時、男子は少ないから頼れるのは僕だけだって言われて、だからひたすら頑張った。
時には自分の彼女である花鈴に買い物を任せた事もあったけれど、そこでもまぁおっちょこちょいの花鈴は色々あった。
どんどん逃げ場がなくなって、気がつけば甘える事、人に頼る事を忘れてた。
元々人に甘えるのも頼るのも下手だけれど、更に出来なくなってた。
花鈴と喧嘩をして言われた言葉は、正直僕の何かが壊れるみたいだった。
でも花鈴は悪くない。
僕が招いた結果だ。
キツイ言葉だったけれど、花鈴が言った言葉は正しかったから、だから僕の胸に刺さったんだ。
それでも平気なフリをした。
大丈夫なんかじゃないのに、大丈夫と、親友のゆうきにまで笑顔をみせた。
中の自分の家の中でだけ、ボロボロの自分をだせた。
誰にも悟られまいと頑張ったけれど、カラオケの日に花鈴が歌った失恋ソングで、僕は爆発した。
全部の感情が流れ出るみたいに泣いた。
外の世界で泣いたのは僕が誕生してから初めてだった。
遠い昔に絶対に手の届かない人に初恋をした。
僕は外に産まれてないから仕方ないって言い聞かせて、初恋相手の手助けだけを頑張った。
その人は僕に興味なんてなかったし、ちゃんと外で守ってくれるパートナーもいた。
本当は夜通し中の自分の部屋で泣いた。
このままもう中の世界で消えてしまおうって、そう思った時に花鈴が助けてくれた。
花鈴があの時口にしたみんないるよって言葉を僕はいつの間にか忘れていたんだ。
花鈴と喧嘩をしてカラオケが終わった後、仲直りをしたけれど、そのまま僕が倒れたから、結局僕がひた隠しにしていた弱い自分の部屋の中がバレて、花鈴を泣かせてしまったし、みんなに心配をかけてしまった。
もう同じ事はしない。
親友のゆうきの前で初めて泣けた。
小さい頃はよくなおくんの前で泣いた。
僕は強くなんかない。
みんなが言うように大真面目すぎる事は認める。
でも本当の僕は辛ければ泣くし、苦しければ泣くし、普通の人間と変わらないんだ。
花鈴は自分がオシャレじゃないからとか気にしたようだけど、僕は花鈴の全てが好きだから。
どんな花鈴でもいいんだ。
これからは言葉だけじゃなくて不器用かもしれないけれど、もっと伝えていきたい。
僕の部屋の掃除は、花鈴が片付けたら更に悪化するから、なおくんに頼んだ。
花鈴の中の家は散らばってるし、ゆうきも芸術家だからゆうきの家の中もごちゃごちゃだ。
僕の部屋の掃除は絶対的ミニマリストのなおくんにしか頼めない。
また外でも中でも頑張りすぎれば、花鈴もみんなも心配するから、なるべく自分が頑張りすぎないでいい方法を見つけたい。
僕は気がついたら頑張りすぎてて気付かない、ゆうきが言った典型的破滅型タイプだから。
もっと人に甘えよう。もっと人に頼ろう。
少しずつかもしれないけれど、それが出来るようになろう。
魔法でもない限り、僕達二人が外の世界に産まれる事は出来ない。
来世は外の世界で男として産まれたい。
そうしたら、きっと花鈴を見つけ出して
次は外の世界の住人として幸せにする。
今世は中の住人として、何があっても、花鈴を幸せにすると誓う。
もう2度と花鈴を、僕の彼女が泣かないように。
僕は花鈴がいなければ生きていけない程弱い男だ。それ程まで、花鈴を愛してる。
僕は解離性障害の人格者として産まれたが、たった一人の女性を、主人格の命が燃え尽きるその日まで。
もしくは僕達が主人格に忘れ去られてしまったとしても、花鈴を死ぬまで愛していると伝える為にこの記録をここに残す。
あきとき
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