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コンビニエンスストアをはじめ様々な商業店舗の商圏分析と立地診断のプロフェッショナルです。 あらゆるお店の立地に関するお困りごとにお応えします。お気軽にご相談ください。

マガジン

  • 出店立地の見極め方(コンビニ編)

    月刊コンビニにて好評連載中の記事を一部加筆修正のうえ公開しています。これからコンビニ経営をお考えの方、複数店を検討中のコンビニオーナー様、コンビニ本部店舗開発担当者様など、是非ご一読ください。

最近の記事

第18回 閉鎖商圏で失敗しないチェックポイント

オフィスビルのように限られた人だけが来店できる立地を閉鎖商圏といいます。今回は閉鎖商圏の出店の注意点について説明します。 閉鎖商圏とは一般的なコンビニエンスストアは道路に面して建てられており、周辺の住宅や事業所から広く来店ができたり、道路を走る車がいつでも来店できる等、誰もが自由に来店可能な場所への出店が基本です。一方で限られた人しか来店できない立地を閉鎖商圏といいます。 例えば身分証を提示しなければ入れないオフィスビルや工場、学校や駅の改札内や空港、病院や大規模マンション

    • 第17回 お店の前を走る自転車に目を向けよう

      移動手段としての自転車日頃から街中で見かけることが多い自転車ですが、どのような特徴があるのでしょうか。まずは当然の事ながら移動距離が歩行者に較べると長く、1km以上の距離を走る利用者が8割を超えます(平成27年国土交通省全国都市交通特性調査)このことから自転車はかなり広い範囲から集まってくることが想像出来ます。また電動アシスト自転車やスポーツタイプの自転車販売は好調で、健康増進や環境保全等の意識の高まりもあり自転車の利用は多様化する傾向にあります。今回は自転車で来店するお客様

      • 第16回 車の流れに気をつけよう~候補地選定の際の注意点~

        交差点手前角地の7つの注意点候補地選定の際、中地より角地が優れているという事は以前から繰り返しお話していますが、角地の中でも信号手前側に位置する候補地にはいくつかの注意点があります。図表を参考にしながらご確認下さい。 ①信号による渋滞 慢性的に渋滞が発生する区間での信号手前のポイントは出来るだけ候補地選定から外しましょう。渋滞には早くこの場所を抜けてしまいたいというドライバーの心理が生まれる事から、このような場所にあるお店は通過される傾向が強くなります。渋滞から解放された先

        • 第15回 一番立地が陥る誤った方向性

          立地は売上に関係がない!?まず身近な例として飲食店について考えてみましょう。 飲食店の立地は売上に関係があるのでしょうか。あるラーメン店は都心から1時間以上かかる山中にあり、カーナビでもたどり着けないといわれるような秘境です。当然周辺にも殆ど人が住んでいませんが、この店には連日行列ができ、入店まで2時間待ちなどと人気の程が話題になり大繁盛しています。一方で郊外の駅にほど近く、周辺には住んでいる人も働いている人も大勢いる立地のラーメン店が閑散としている場合もあります。これは何故

        第18回 閉鎖商圏で失敗しないチェックポイント

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        • 出店立地の見極め方(コンビニ編)
          18本

        記事

          第14回 スクラップ&ビルドによる良い移転、悪い移転

          移転先の確認第12回の記事ではお店の同一敷地内で隣地や後背地を借りる又は買い取り、駐車場の拡大と同時にお店を敷地内の適切な位置に建て替える「セットバック」について説明しました。今回はお店を閉店し、別の場所に移転する「スクラップ&ビルド」の注意点についてお話したいと思います。セオリー通りに移転すれば大きな効果がありますが、セオリーを無視した移転はむしろ売上を下げる危険がある事を理解して下さい。 スクラップ&ビルドの対象となるお店 まずあなたのお店がスクラップ&ビルドの対象と

          第14回 スクラップ&ビルドによる良い移転、悪い移転

          第13回 ロードサイドでコンビニが売れる要素

          車の通行量と売上の相関別の記事で、お店の前の歩行者数と売上の間に相関がない事をご説明しました。同様に車の通行量と売上の間にも明確な相関はありません。同じ台数が通過する一見似たようなお店同士でも売上は全く異なります。また通行量は多過ぎても少な過ぎても注意が必要です。更に同じ通行量の店でも売上は大きく変わります。今回は歩行者と同様に車にもお店の売り上げに関わる『質と量』がある事をご説明します。 道路によって変わる車の『質』道路法上での道路の種別は1.高速自動車国道(以下高速道路

          第13回 ロードサイドでコンビニが売れる要素

          第12回 セットバックとは

          セットバックの注意点セットバックは売上改善に大きな効果がある反面、手法を間違えると期待した効果が見込めないこともあります。お店の立地を理解し、顧客に合った店作りをしましょう。 お店の隣地や後背地を借り又は買い取り、駐車場の拡大と共にお店を適切な場所に建て替える事を「セットバック」といいます。セットバックはお店の活性化策の中で最も売上拡大効果が大きいのですが、一方で投資額も高額になります。売上拡大効果は駐車場の設置方法や白線引き、店舗の配置などにより変わりますので、今回はセット

          第12回 セットバックとは

          第8回 売上予測の意義

          売上予測の目的なぜ売上予測を行うのか、その目的は大きく分けて二つあります。一つ目は開店初年度(又は定められた期間)に一定水準の日販のお店を出す(開店時に売上不振店を作らない)為であり、二つ目はフランチャイザーとジーの投資回収、損益シミュレーションを行う為です。 実は売上予測は誰が何を目的にするかによって作り方が大きく異なります。一番簡単なのは一つ目の売上予測で精度も比較的高くなる可能性があります。開店初年度の日販を当てる為にはデータベースとして開店して1年を経過したお店の立地

          第8回 売上予測の意義

          第2回 一番立地の重要性

          立地が悪いのに繁盛する飲食店非常に立地の悪い場所にある飲食店に行列が出来て繁盛しているのを見ると立地って関係ないじゃないか?と多くの方は考えると思います。 確かに飲食店では味やサービスがずば抜けている時、立地に関係なく繁盛します。1店1店の味、メニュー、接客、価格、雰囲気、広さ、営業時間等の全てが違う飲食店はコンビニエンスストアに較べ圧倒的に他店との差別化がしやすいのです。 しかし飲食店でも同一フォーマットの店数が多くなるチェーン店の場合は、競合店と同質化した途端に立地の重要

          第2回 一番立地の重要性

          第10回 角地が良いと言われる理由(共通比率で実証)

          共通比の計測方法以前の投稿では車の共通比率について説明しました。共通比率を計測すると「自店の前を通る車のうち、何%が競合店に向かうか?」あるいは「自店の前を通る車のうち、何%が競合店から来るのか?」がわかります。 この記事では共通比率を使ってロードサイド立地での角地の優位性について実証してみましょう。 ①自店が中地にあり、競合店が角地に出店した場合(図表①) 自店の先に競合店がある場合、お店から歩いて交差点に向かい「自店を背にして交差点の手前に立ちます」その位置で自店の方から

          第10回 角地が良いと言われる理由(共通比率で実証)

          第9回 ロードサイドの競合店の影響度を計測する

          来店客の重複を知る為の車の共通比率自店と競合店との商圏の重なりは、来店客が周辺に住む人や働く人が中心のお店であれば電子地図システムや統計データ、住宅地図等を使って商圏の重なる部分の世帯数や人口、就業者数等を調べる事で算出が可能ですが、車客が中心の場合は調べる事が不可能です。 その代わりに『お店の前を通る車のうち、何%が競合店に向かうか?』『お店の前を通る車のうち、何%が競合店から来るか?』を車の走り方から調べれば競合店との車客の重なりがわかります。 しかしお店の前を通る車の1

          第9回 ロードサイドの競合店の影響度を計測する

          第5回 お客様の行動パターンを知る

          顔の向きとは?日常生活の中で私たちの外出行動には大きく分けて二つの行動パターンがあります。 それは毎日の通勤通学の行動パターンと買物の行動パターンです。お店の周辺に住む人々が通勤通学時にどのルートを通り(どこを歩き、どこからバスに乗り)どちらの方向(駅などの交通拠点)へ向かうのか?また買物時にはどのルートを通り、どちらの方向に向かうのか?それぞれを『通勤の顔の向き』『買物の顔の向き』と呼びます。顔の向きの強さは同じ行動パターンを取る人が多い程、そのパターンが繰り返される頻度が

          第5回 お客様の行動パターンを知る

          第3回 コンビニエンスストアの商圏とは

          商圏は半径350m?一般的にコンビニエンススストアの商圏は半径350mと言われています。350mとは平均的な歩速で5分以内に到達できる距離です。 徒歩で来店するのに抵抗を感じないのが5分位までといわれています。その半径350mを同じ物差しとして商圏ボリュームの差を調べることにより、それぞれのお店の立地類型を判定する事に使うのが主目的で、全てのお客様の来店範囲を表している訳ではありません。 しかし後半でこの商圏を使った来店客数増加のTipsをご説明しますので是非参考にして下さい

          第3回 コンビニエンスストアの商圏とは

          第7回 中地での出店。大丈夫?

          角地と中地の違い角地とはお店の前面の道路(以下、前面道)と側面の道路(以下、側面道)がそれぞれお店(駐車場)と接する場所で主に交差点の四隅を指します。一方で前面道だけがお店と接する場所が中地です。角地は前面道を通行するお客様と側面道を通行するお客様の両方からの来店が見込めますが、中地は前面道を通行するお客様しか来店は見込めません。 さて皆さんは角地のお店と中地のお店ではどちらが売れるお店になると思いますか?当然、前述した二つの要素からの来店が見込める角地を選ばれると思います。

          第7回 中地での出店。大丈夫?

          第4回 コンビニのあるべき店舗配置

          お客様からいかにお店が見えるか、いかに入りやすいかを突き詰める お店の図面には敷地形状、駐車場の間口と奥行き、障害物の有無、進入口の位置と幅、サインポールの位置、店舗の位置とレイアウト(店舗間口、ドア位置、奥行き)など様々な情報が詰め込まれています。 これらの要素は全てお店の売り上げに影響します。お客様が来店したくなるお店とはどんなお店なのか?ハード面の工夫で売上の最大化を図るためのポイントをロードサイドのお店を例に確認していきましょう。 来店までのプロセス 車を運転中のお

          第4回 コンビニのあるべき店舗配置

          第6回 お店の前を歩く人が多ければ繁盛する?

          歩行者数との売上の相関フランチャイズ本部から候補地前の歩行者数が十分あるから出店可能だといわれました。本当なのでしょうか? 実は歩行者数とコンビニエンスストアの売上の間に相関は全くありません。 例えば朝8時の通勤時間帯の15分間にそれぞれ100人の歩行者がいたとしても、1店1店のお店で売上は全く違います。売上を左右する要素の一つとして歩行者を見る場合は、その商圏に相応しい『質を伴った量』の歩行者であるか?を見極める必要があります。 ポイントは歩行者の向かう方向と年齢層です。例

          第6回 お店の前を歩く人が多ければ繁盛する?