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レジンの硬化剤を入れすぎてテンパった話。

先日、G-SHOCKのベゼルを複製しようとシリコンで型を取りました。
両面それっぽく取れて「ええ感じやん」とニヤニヤしていました。

その後です、その後。
大惨事ですよ。

レジンは昔FRPをさわった時のものが残っていたので、テストを兼ねてソレを使うことにしました。

電子量りで量をはかります。
「えっと、1Lに対して硬化剤は1%か。少ないのな。」
つぶやきながら量っていきます。
適度な粘度があるので、慎重に容器に注いでいったんです。慎重に。
容器はコンビニで買ったアイスコーヒーのプラスチックのカップです。
「80g…て、ことで1%…0.8g…量れるのか?」
スケールをリセットして硬化剤を注いでいく。
…と。

「電子量り反応してねぇ!!」

ダバダバ注がれる硬化剤。
0.8gとか最早関係ないレベルに。

ヤバい。
ヤバイけど大丈夫だろうと楽観したNakasoneは主剤と硬化剤を混ぜまぜ。

で、無事に型に注ぎ終わりました。
良かったヨカッタ。
残ったレジンは床においておきました。
さて、明日くらいに確認すっかな。
なんて鼻歌を歌う程度に楽観していました。

…そう、ここまではね

30分くらい過ぎて様子を見に行くと…カップが溶けていました…
「へぇ〜やっぱ溶剤って気ぃつけなアカンのやなぁ」
と、つぶやきカップを持った所…

「あっつ!なんコレ!アッツ!」

もうね、ヤケドしそうなレベルでした。
そして、カップが溶けていたのは熱によるもののようです。

バタバタとキッチンへ走り換気扇をON!
バタバタと現場に戻りレジンをキッチンへ隔離!
事件はキッチンで起こってるんだ!

ここで冷静になろうとパイン飴を舐めました。
「よく考えろ、コレは2液混ぜてるから、たぶん湿度とくっついて固まる的なのじゃねぇはず。」

急いで知人に電話

「はい。」
「あ、こんばんはNakasoneです。突然なんですけどレジンの硬化剤いれる量、間違えた事あります?」
「ないよ。間違えたんか?」
「はい。めっちゃ熱くなってて…とりあえず金属製の容器に水張って冷まそうかと…」
キュッ!!(蛇口を開ける音)
ジューーーー!!!!!
「わー!なんか、あの、水に浸けたらジュー言うてます、ジューって!」
「あー、なら油で油冷しといたら?」
「オリーブオイルしか無いっす…」
「とりあえず、まぁ、反応収まるまで待つしかないねぇ…」

とか話をして電話を切りました。
FRPを取り扱う企業さんに電話をしてみるも、営業時間外で繋がらない。
時刻は18時を過ぎた所。
優良企業で素晴らしい!!

NEXT!
産業支援センターにダメ元で電話や!!
発信
あ、繫がった。

「あのですね、FRPの硬化剤の量を間違えてしまいまして、入れ過ぎてしまいまして」
「ありゃありゃ」
「で、水に浸したらジュ~!って言うくらい発熱がすごくて」
「あらま」
「よく見ると硬化が進んでて、急に固まったからか割れてるんですよ。確実に入れすぎたんだと思います。」
「なるほど、実はもう1つの機関があって、そちらにFRPを研究されている方がいらっしゃるので、時間は遅いですが、1度電話してみてはどうでしょうか?」
「ありがとうございます!かけます!」
「番号は〜…」

で、お礼を伝えて電話を切り、もう1つの機関へ電話をかけました。
時間外で誰も出ない…!!
素晴らしい優良機関!

どうしよう。
発火とかボヤ騒ぎとか洒落にならんぞ。
熱反応で火事とか笑えん。
どうすっかな。
とりあえず冷やしてるから様子見で行くか…

あ!

「知り合いにプロダクトデザイナーいた!しかもデカい仕事してた巨匠が!」

秒で電話。
(((数年ぶりにかけました)))

「あ、ども、Nakasoneです〜」
「おー、久しぶりやね、元気してたか?」
「ええ、ボチボチやってます…」
「どうしたの?」
「あの、FRP触ってまして…」
「おー!いいね、なんか作るの?」
「あ、シリコンの型に流し込んでるんです。で、硬化剤を入れすぎてしまいまして…」
「あっはっは!」
「手で持てないレベルに熱が出てまして…水に浸けたらジュ~!言うんです…」
「はっはっは!私もね、ソレやっちゃった事あるよ。」
「マジっすか!」
「そういう時はね、バケツに水張ってポチャンと入れといたらオーケーです。」
「あ、え、そうですか!」
「ちなみに量は?1Lくらい?」
「いえ、コーヒーカップくらいです。」
「あー、じゃあ2,3日置いときな。大丈夫だから。でも、そんじゃアレだな、硬化剤はスポイトで5滴くらいでいいな。」
「滴ですか!」
「うん、今は寒いからだけど、5滴でも多いくらいかな」
「ダバダバ入れてしまいました。やってしまいました。」
「あっはっは!」
「いやー、ありがとうございます。安心しました。プロは流石ですね。」
「あ、待って、めっちゃ興味あるんだけど、コーヒーカップくらいのレジンで何しようとしてたの?」
「G-SHOCKのね、加水分解するパーツをシリコンで型取って複製してるんです…」
「あーっはっは!」
「ね、やっちまったでしょ?」
「レジンもさ、エポキシレジンのほうがいいよ、同量を混ぜるやつ。透明なのもあるからさ」
「ほー勉強になります。やっちまいましたね」
「まぁ、くれぐれもご安全に」
「ありがとうございましたぁ!」

その後、再び産業支援センターへ電話
「あの、さきほどの者ですが…」
「あー、どもども」
「その後プロダクトデザイナーの方と連絡がつきまして…」
「はいはい」
「水漬けといたらいいみたいでした。室温くらいで反応が収まるの待ちます」
「なるほど、よかったですねぇ!」
「はい、お騒がせしました。聞いてくれてありがとうございました。心強かったです。」
「また何かあったら連絡ください。」
「ありがとうございましたぁ!」
優しい。
優しさで世界はできている。

もう一人にも電話
発信。
「はい、もしもし」
「あ、どもNakasoneです。」
「あー、はいはい」
「さっきのレジンの話ですが、水に漬けといたらいいみたいでした。」
「あ、そうなの」
「お騒がせしました…めっちゃテンパってました…」
「まぁ、解決してよかったね。」
「ありがとうございましたぁ!」

世界は優しさでできている。
ありがてぇ…。

と、いうわけで、解決!

そこのあなた!!
レジンの硬化剤を入れすぎちゃったNakasoneから言えることはただ1つ!

計量は正確にしましょう。

(((皆様は正確に計量してるはず)))

あー、怖かった。
マジで怖かった。
ヒヤヒヤした。

そうして落ち着いた頃
「タニタの計量計とスポイト買お…」
と、つぶやいたのでした。

皆様もモノづくりはご安全に!
ではまた。

追記
一晩経ったらこうなってましたって写真です!

割り箸は差さったまま!
バキバキに割れているレジン

硬化剤おそろしや…
全ては私が悪いのだけれど…
今後は気をつけようと強く思ったのでした!

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