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これは小説です。

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勢いで初めてみました。 短編小説を投稿していく予定です。マガジン名悩み中。
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2021年1月の記事一覧

山に呼ばれた男3

山に呼ばれた男3

「不定期にこうして男の人が、山に呼ばれてくるのです。私はあなたを見るとあぁ今日は交わりの日なのだなということが分かります。私は父と違い完全に山の声を聴くことはできませんので私にとっては視界に男の人が入ると今日が交わりの日であることが分かります。」

 観光のガイドのように女のしゃべり口はなめらかであり、何度もそのセリフを繰り返して言っていることが分かった。女の垂れ下がった乳は女がしゃべるごとに左右

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山に呼ばれた男2

山に呼ばれた男2

 山の中には獣道がいくつも広がっていたが不思議なことにどこの道に進めばいいのかは分かった。

 五分ほど歩いたところであろうか、遠くから声が聞こえた。

「おーい、おーい、」

 それは女の声であった。声のする方を見ると肌色の人型のシルエットをしたモノが手を振っていた。私は少し駆け足でそのシルエットの方に行った。
 近づいていくとシルエットから人となり、その女が裸であることが分かった。

「今日は

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山に呼ばれた男1

山に呼ばれた男1

Y県に一人で観光に行った時に、帰り道を間違えてしまい見知らぬ田舎道に出てしまった。

ナビが設定した道を見る限りここからこの狭い田舎道をあっちやこっち行けば着くらしいが運転技術に自信がないため辟易した。車のスピードを落とし車窓から眺めると一つの山が目についた。
 山なんていくつもあるのではあるがその山に妙に惹かれた。

 山の隣にあまりにも田舎に似つかわしい新築の豪邸が立っていることだろうか、

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