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【詩】ついでの存在

ときどき

満たされてるのに

心の真ん中が行方不明になることがある。


それ以外の全ては揃ってて

「すごいね」って言われて

僕も確実に笑ってるのに


心の真ん中

主役のはずの真ん中だけが

見当たらない。


大切なものに気づかないふりして

逃げてた時

微笑んだままどこかいなくなった

昔の彼女に似てる。


あんなに柔らかい人が

僕の元からいなくなるわけないと

強く思えたのは

親のお金で生きていた

甘ったるい年齢だったからかな。


先走った秋が

9月の夜に差し込んできた日

きみのこと

なるべく人肌であたためようと意気込んだけれど

文明に囲まれて生きてる以上

僕のぬくもりは必要なかった。


今までずっと

きみ無しで生きてきたから

今日からもまた

きみ無しで生きていけます


必要なものなんてそんなになかった

主役なしでもパーティーは盛り上がって

誕生会なんてただの名前だけで

誰も本当の心で

祝ってくれてないと気づいた。


ついでに生まれただけだね。

男女のついでに生まれた。


増えすぎて

意味とか理由とかが誤魔化されがちだけど

そんなものだよ

何かのついでに生きているだけだよ

生まれてちょっと残念





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