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エッセイ

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日常系エッセイです
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#毎日note

生きる層を間違えていた

生きていく層は最低3層ある。

1層目は現実だけの世界。俗世っぽいもの。

2層目は現実と空の中間。現実だけの世界よりも人数は少なくて、静かで、人と人があまり会話をしない世界。会話はあんまりしないけど、頭の中にあることのやり取りはできる。コミュニケーションは取れるし、むしろ1層目よりもしっかりやり取りできる。

3層目は空の世界。行ったことがないからどんな世界か分からないけど、選ばれて何者かになっ

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父のお土産

父のお土産

わたしがまだ幼稚園児だった頃、仕事帰りの父が買ってきてくれる「お土産」には3種類あった。

1つ目は、邪道な味のアイス。普通にバニラ味やチョコ味を買えばいいものを、父はなぜかプリン味やソーダ味、アイスクリームではなくアイスクリンを買うような人だった。

わたしは気の小さな子供だったので特に文句は言わなかったが、母は容赦なく「なんでこの味なの?センスねー!」と言っていた。

父は家族ヘの優しさとして

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【エッセイ】太陽のえくぼ

小学4年生の終わり頃、3年間いた小学校を後にして、元いた小学校へ戻った。

元いた小学校に戻れる喜びも束の間。いざ戻ってみると、3年経った同級生たちのキャラクターは大きく様変わりしており、これが何ともいえず居心地が悪い。

「子供の成長は速いなぁ」と感じるのは、何も大人に限った話ではない。3年ぶりに元いた学校へ戻るという特異な転校生である私の方が、よりビシビシと感じるものである。

「親が金持ちだ

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