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健康不安に振り回されない生き方 /岡田正彦『検診で寿命は延びない』

検診は、良いもの。
治療は、良いもの。
そう思われているかもしれませんが、実態は異なるようです。


もし、医療運営側が、多くの患者に検査・治療しないと借金を返し切れなかったり、報酬を減らされたり、ペナルティを課せられる事情があるのならば、運営方針はどうなるでしょう。

「どんどん患者を集めよう。どんどん検査しよう。どんどん異常を発見しよう。どんどん治療を施そう」となるのではないでしょうか。

メタボ健診で興味深いのは、受診者数が目標値に達しなかったり、あるいは予定の成果が上がらなかったりすると、(中略)保険者側にペナルティが課せられるという面白い仕組みになっているのです。

岡田正彦『検診で寿命は延びない』P5%


そこにさらに厚生労働省が、結論ありきで有識者会議を開き、行政としてお墨付きを与えれば、鬼に金棒。

普通、厚生労働省のようなお役所が何か施策を決める際には、事前に有識者を集めて意見を伺うというスタイルが取られます。しかし、多くの場合、最初から結論が決まっていて、有識者はその線に沿って意見を述べさせられることが多いようです。

岡田正彦『検診で寿命は延びない』P17%


医療に関して、個人の事情や、多様な意見を無視して、一方的な検査・治療・予防が「正しいもの」とされ、全体に押し進める「医療ファシズム」へとつながります。

もともと日本には、医療に関して、全体主義的なやり方が受け入れやすい土壌ができあがっていたのかもしれませんね。

これでは、命や健康に対する危機感を演出することで、不安を煽り、「だからこれをやれ」と莫大な税金と強力な権力で、押し付けることが可能になってしまいます。



その検査・治療・予防が、人体に悪影響を及ぼすという結果になるかもしれません。
多様な意見を無視すれば、以下のようなことも容易に起こり得ます。

イギリスの研究チームが重要な調査を行ってくれました。世界中でレントゲン検査がもっとも多く行われているのは日本で、しかも日本人のがん死亡の3.2%がレントゲン検査によるものだというのです。

岡田正彦『検診で寿命は延びない』P24%


人間ドックを経て「異常」が「発見」される人の率は、なんと90%超え。

異常があれば、薬で治療。
さらに検査を受けることになります。

検査方法が高度化・複雑化すると、被爆する時間が長くなる傾向にあるそうです。

その繰り返しの被爆が、人体に悪いものになる。


しかも、検査や治療を受けた結果、寿命が延びているかと言えば、そうでもない、と。
いったい、なんのため、誰のための検査・治療・予防なのだろうか。

と考えてしまうのも、無理ないことですね。



僕は、タスク管理によって、周囲に振り回されず、自分軸で生きていく生き方を応援していますが、「健康」がテーマであっても、同じことです。

誰かが言った安全、誰かが定めたガイドライン。
誰かが言った危険、誰かが感じた不安。

そういったものは、いったん咀嚼して、本質を見極める努力をすることが、自分軸で生きるために必要です。



これからももちろん、健康に関する不安はつきまといます。
なんらかの発信で溢れていくことでしょう。


検査にも副作用がある。
薬にも副作用がある。
手術にも副作用がある。
ワクチンにも副作用がある。


いろいろと情報を集めて、自分で考えて、周りに振り回されず、判断していきたいですね。


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