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恋はあせらずのリズムパターンを使った名曲たち

‘You Can't Hurry Love’ The Supremes(1966年)

メロディーのキャッチーさが最高な名曲なのだけど、リズムパターンも古今東西での引用され具合から最早発明とも言えるレベル。
デッデッデッデー、デッデッデーレデーというやつ。

このリズムパターンを引用した曲は数あるけど、パッと浮かんだ3曲について書く。

‘Don't Get Me Wrong’ The Pretenders(1986年)

一聴すると、カフェや服屋で流れてそうな軽やかな曲だ。収録アルバム”Get Close”も割とかわいらしい曲の多い、メロディの良い曲が詰まっている。
パンクの流れで出したファーストアルバムから7年、天才ギタリスト ジェームズ・ハニーマン・スコット、ベーシストのピート・ファーンドンの相次ぐ死、そしてドラマーのマーティン・チェインバースもいつの間にかいない。

ロビー・マッキントッシュ、TMスティーブンス(R.I.P)等々と凄まじいサポート陣がいるので演奏面では凄みを増してる感あるが。

それにしても、クリッシーはシンプルなコードで名曲を量産するから凄い。
この曲のメイン進行はC-Am-F-G。ローコード(Fは5弦ミュートでいいので、親指ルートの握り込みで、GはFと同じフォームで3フレットまでずらして弾く)で1、2弦の開放を混ぜながらあのリズムパターンでギターをかき鳴らすとまさにこの曲になる。

「Diamonds」プリンセス・プリンセス(1989年)

大ヒットシングル。ボーカル天才奥居香のメロディと、ギター中山加奈子の軽みと深みと奮い立たせてくれるような最高の歌詞。
学園祭でやると盛り上がりそう!と練習し始めて挫折した人、多いのではないか。このリズムがしっかり出せるのかもそうだけど、サビのハモリもややこしい。難易度とは関係ないけど、Bメロのベースラインかっこいい。

ところで、プリプリの曲は奥居香作曲で歌詞は他のメンバーというパターンが多いと思うけど、詞先?それとも曲先なんだろうか?似たパターンのチャットモンチーは各々が書いた詞に橋本絵莉子が後から曲をつけるらしいが。

「MajiでKoiする5秒前」広末涼子(1997年)

作詞作曲竹内まりや。
歌詞に「蟹座の女の子って」というフレーズが出てくるが広末本人の星座であり、そのあたりの当て書き感にアイドルポップスを感じる。それにしても「恋する5秒前」に「恋はあせらず」を引用するセンスよ。
間奏のストリングスからラストのサビへの流れもグッと盛り上がる、印象的な言葉・節回しも盛りだくさんで、グループアイドルが歌ったら、パート分けでもひと盛り上がりしそう。90年代のマスターピースのひとつ。

たまたま女性ものばかり思いついたけど、このリズムパターン、ホール&オーツ、イギー・ポップ、ベン・フォールズ・ファイブと男性ボーカルにもたくさん名曲あり。

と、この文章をあらかた書いた数日後に、この遥か上を行くプレイリストにブチ当たったのは改めて書く。


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