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お金とキャリアを同時に考えることで見えてきた“20代のうちにやるべき投資”とは?<第3部>

投資思考を学ぶ第1部、ゲストのキャリアを投資のプロがひも解く第2部を経て、第3部では「投資は、キャリアとお金の二刀流で。20代作戦会議。」と題して、パーソルイノベーションの大浦征也さんが登壇。20年以上のキャリアアドバイザーの経験を踏まえて、藤沢さん、倉成さんとともに、投資とキャリアの掛け合わせについて解説しました。

大浦さんは「転職支援をする中で、お金とキャリアを切り離せない人をたくさん見てきました。仕事とお金を切り離せば選択肢が広がるのでは?と思っています」と講義をスタート。

過去から積み上げたスキルや知識の「生産性資産」
現在の行動の源泉となる心身の「活力資産」
未来への可能性として環境に適応し変化する「変身資産」
それぞれが相互作用し、ループし、一部が“資本”になっていくと思います。

このフレームワークは“資本”と“資産”を組み合わせていませんが、キャリアを“資本”と考えると、キャリアから生まれる“資本”のひとつは給料になります。この給料を何に使うか。将来的な給料アップを見込めるなら今は下がってもかまわないなど、働くこととお金の距離をおけると、いい“資本”と“資産”になるのではないかと思います。

藤沢さんも「資本=お金と考えると、1万円を投資すると資産が上がっていきますよね。つまり自分の株価が上がっていくわけです。キャリアとお金の考え方はつながっています」と反応。

ここからはお題として、2つの問いが投げかけられました。

Qお金とキャリア、20代のうちはどう投資していくやり方がある?

藤沢さん「私は20代のときから、30歳までに起業しようと思っていたので、就職したときから資本金をためる作業に入っていました。資本金をためるためにお金を運用し、一方で営業ノウハウ、企画ノウハウなどを身に付ける両輪を走らせていました。いま特にやりたいことがないという人には、何をやりたいかはすぐに見つからなくても、やりたいことがあったときにすぐに使えるように、保険をかけるのと同じように投資をしておけばよいのでは、と言っています」

倉成さん「ポジティブな保険ですね。僕も20代のころ、給与明細をあまり見ていませんでした。飲みに行ったり遊びに行ったりしてふと気づいたときに、そんなにお金はたまっていない。それが途中で、モノを自分で作りたくなったとき、たまたま夏のボーナスが出て、それが資本になって最初の作品を作ることができました。独立したい、転職したい、何かをやりたいといつか思ったときのために、ためているお金があれば動きやすくなると思います」

大浦さん「投資=お金のイメージは多い。お金も大事ですが、20代のうちにお金と仕事を切り離して、金融リテラシーを上げることは大切だと思います。20代のうちの給料が高い・低いって、実はそんなに重要ではありません。20代でないと手を出せない金融商品もあると思います。基本的には分散、長期、積立だと思いますが、20代のときは好きな会社の株を買ってみるというのもアリだと思います。日本人は損害回避の思考が強いと言われており、失敗して減るくらいならとりあえず銀行に貯金しておけばいいというのと同じだと思います。30代40代になるとチャレンジしづらくなるので、20代のうちは、不慣れなことにチャレンジしておいたほうがいいと思います」

これには倉成さんも同意。「30代40代になると、リスクを取りにくくなります。年齢、家族、資産、心の余裕、経験などによって、失いたくないものが増えていく。それが少ない20代のうちのほうがリスクを取りやすいです」

20代を代表して登壇した、PERSOLの北爪直果さんは、「今しかできないことをやったほうが、将来的な資産につながってくるんですね」、同じく20代代表のPERSOL真田凌佑さんは「リスクをとれるうちにやりたいことやったほうがいいんだなと思いました。一方で計画的にしておけばよかったという声もあって、そのバランスがわからなくなりました…」と話しました。

これに大浦さんは、「キャリアには『山登り型』と『川下り型』があります。20代のころからある程度やりたいことがあるならば山登り型で、川下り型はどっちにいくかわからないけれど、その先に思いもよらないものがあるかもしれません。その日その日を大切にできます。自分がどちらなのかを考えると、どのくらい計画すればいいかが見えてきます」と答えました。

Q.無形の投資はワクワクするけれど、お金はどうすればいい?

藤沢さん「目的がないならば、とりあえず投資しておけばいいと思います。ある日突然、やりたいことができたときにお金があるのはよいこと。それくらい気楽でいいと思います。やりたいことはないけれど、じっくり自分のことを考える時間をほしいとぼんやり思っているならば、その時間を過ごせるためのお金を準備しておくこともひとつの目的になります。目的がないといいながらも、ぼんやり思っていることはあるはず。そのためにお金を今からどれくらい用意しておけばいいかを考えてみては」

大浦さん「お金はあればあるだけいいという感覚になりますが、現実的に将来の解像度を上げてみて、実際にどれくらいあればいいか考えてみましょう。漠然としていたとしても、自分の生活水準を考えると見えてくるかもしれません」

20代代表の感想として、真田さん「性格的に登る山を見つけて登りたいけれど山がみつからない。川を下るだけでもいいんだと気持ちが楽になりました」、北爪さん「川下り型のキャリアもあるのは発見でした。投資を勉強すると、コツコツ・分散となるので、計画的にお金を貯めなければと思っていたけれど、もっとやりたいようにやってみてもいいのかも。お金やキャリアを意識しすぎずやってみることが“投資”になる可能性があるんだなと思いました」

大浦さんからは、「時間は有限なので、何に投資するのかは考える必要があります。ちゃんと振り返ってこれじゃないなと気づかないと意味がなくなります」とアドバイス。

■第3部のまとめ

大浦さん「今までのことは最適だったと正解にすることが大切。今の仕事で自分が100分の1になれているのか、資産化できているのかはちゃんと考えてみましょう」

藤沢さん「20代のうちはいろんなことにチャレンジしてほしいけれど、立ち止まる時間を持つことを大事にしてほしいです。立ち止まって解釈すると、無駄も含めて資産になると思います」

倉成さん「投資って、いま自分が持っている“資本”を未来に投げて、いいほうに自分や社会、企業を変えていけるステキな概念だと思います。そこを理解したうえで、お金でもお金ではないものでも、新しいものを未来に向かって投げられたらいいなと思います」

20代メンバーはもちろん、一般参加の20代の心も打った充実の3部構成でオープンイベントは幕を閉じました。次回、いよいよ最終プレゼンを迎えます。

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