あの子へ ②
小学校、中学校は同じだったのだけれど、中学ではもうそんなに学校に来なくなった彼女とはあまり会うことはなくなった。
私は田舎の中の唯一の進学校だった高校へ入学し、その子のことを思い出すことはなかった。(どこの高校に行ったのかも興味すらなかった。)
久々に会ったのは、デパートの中だった。
デパート?と言えないかもしれないが、田舎では繁盛しているような食料も雑貨も洋服も売っている大型の店。 その中の、海外の輸入雑貨を扱っている店舗で彼女が働いていた。
イメージでいうと、チチカカだとか、そういう雰囲気の店で、例えばお香とか、バリ風な食器とか小物、布、洋服が置いてある、田舎では珍しい品ぞろえだった。私はその店に結構通っていたので彼女がいたときはびっくりしたが、お店に行くと挨拶したり、元気?とか話すようになった。
久々にあった彼女はかなりボーイッシュでカジュアルな様子だった。でも整った顔だちにそれはとても似合っていて、だれも真似できない雰囲気とオーラがあった。化粧っけのないすっぴんでも外国人みたいな顔立ちなのでとても目立つ。もしかしたら、ハーフなのかもしれないとその時思った。
たまに会う私にも本当に親切に話かけてくれて、こんなにフレンドリーだったっけ?って思ったりした。
高校は行ってなかったのだと思うけど、別の高校のイケメンと付き合っているとかいないとかの噂を聞いたことがあった。
そして、そのまま私は高校を卒業して町をでた。
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