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メインメッセージの後に「些細な例外」を付け足すことで、相手を笑わせたり、その場の雰囲気をほぐしたりする ~映画「トゥー・ウィークス・ノーティス」の場合

メリル「(ルーシーが泣いているのを見て)何かあったんでしょ?ガールスカウトの頃から、あなたが泣くところなんて見たことないもの。……あっ、ブッシュが大統領に当選した時は別よ」
ルーシー「……どっちのブッシュ?」
メリル「どっちもよ。つまり2回は泣いているのを見たわね」

映画「トゥー・ウィークス・ノーティス」




◆概要

【メインメッセージの後に「些細な例外」を付け足すことで、相手を笑わせたり、その場の雰囲気をほぐしたりする】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:映画「トゥー・ウィークス・ノーティス」

▶1

本作の主要キャラの1人・メリル(30歳頃の女性)。

彼女には友人がいる。ルーシーだ。2人は幼馴染であり、これまで多くの時間を共にしてきた。


ある日、

・Step1メリルの家にルーシーがやってきた時のことだ。

・Step2:メリルは仰天した。いつも元気で気丈なルーシーが……泣いていたのだ!

・Step3:メリルは慌てて訊いた「ちょっ、ちょっ、ちょっと待ってよ、ルーシー!こっち見て!何があったの!?」。

・Step4:しかしルーシーは「別に」と言って誤魔化そうとした。


かくしてメリルは、

・Step5「何かあったんでしょ?ガールスカウトの頃から、あなたが泣くところなんて見たことないもの。……あっ、ブッシュが大統領に当選した時は別よ」

・Step6:ルーシーが訊く「……どっちのブッシュ?」。

・Step7:メリルは答える「どっちもよ。つまり2回は泣いているのを見たわね」。

※補足:本作は、2002年にアメリカで公開された映画である。当時の大統領はジョージ・W・ ブッシュ。そして、彼の父は第41代大統領ジョージ・H・W・ブッシュ。上述の「どっちのブッシュ?」はこの2人を指している。


メリルの軽口のおかげで少しばかり心が軽くなったのだろう

・Step8:その後ルーシーが事情を説明した。


▶2

ご注目いただきたいのは、「何かあったんでしょ?ガールスカウトの頃から、あなたが泣くところなんて見たことないもの。……あっ、ブッシュが大統領に当選した時は別よ」というメリルのセリフである。

要するに「何があったの?私に話してみてよ」とルーシーをなぐさめているわけだが――ストレートにそう言ってしまっては面白くない。

そこで【メインメッセージの後に「些細な例外」を付け足すことで、相手を笑わせたり、その場の雰囲気をほぐしたりする】という技法の出番だ。


改めてメリルのセリフをご覧いただきたい。

メリルは「何かあったんでしょ?」「あなたが泣くところなんて見たことないもの」というメインメッセージの後に、「……あっ、ブッシュが大統領に当選した時は別よ」と【些細な例外】を付け足した。そしてこの軽口のおかげでルーシーは少しばかり心が軽くなったらしく、何があったのか事情を説明するに至った。

上記技法を採用したことで、単になぐさめたり励ましたりする場合と比べて、ユニークで印象的なシーンになったといえるだろう。


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