悪口・批判・反論に対して「話は終わった?」「気が済んだ?」と応じることで、まともに取り合う気がないと示唆する ~ドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」の場合
◆概要
【悪口・批判・反論に対して「話は終わった?」「気が済んだ?」と応じることで、まともに取り合う気がないと示唆する】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:ドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」(シーズン1の第8話)
▶1
本作の主要キャラの1人・レッド(60歳頃の女性)。
彼女は犯罪者であり、いまは女子刑務所に収監されている。
レッドは、
・Step1:囚人たちのボスだ。
・Step2:歯向かう者には容赦しない。その一方で彼女は人情家でもある。面倒見がいい。というわけで、多くの囚人が彼女をボスと認めていた。
いろいろあってある日、
・Step3:レッドがとある決断を下した時のことだ。
・Step4:それは難しい判断だった。レッドは子分たちのことを想って決断したものの――しかしどうしたって反対する者は出てくる。例えばニッキー(レッドの子分の1人、特にレッドを慕っている)がそうだ。
・Step5:ニッキーは、レッドに抗議した。
・Step6:ところがレッドは聞く耳を持たない「私が決めたことだよ」「口ごたえするんじゃないよ」。
だが、
・Step7:ニッキーは諦めない。彼女は言った「誰もがあんたの言うことなら何でも従うってわけじゃないんだよ!」。
・Step8:するとレッドはニッキーをじろりと睨みつけて、「……話は終わったかい?言いたいことは言ったみたいだね」。
・Step9:直後ニッキーは悟った。ダメだ。いくら抗議してもレッドの決断を覆すことはできそうにない……。
▶2
ご注目いただきたいのは、「話は終わったかい?言いたいことは言ったみたいだね」というレッドのセリフである。
要するに「あんたが何と言おうともう決まったことなんだ」とニッキーを拒絶しているわけだが――ストレートにそう言ってしまってはまずい。だって「子分の抗議に真正面から向き合っていちいち反論するボス」では威厳が感じられない。小物感が漂う。
そこで【悪口・批判・反論に対して「話は終わった?」「気が済んだ?」と応じることで、まともに取り合う気がないと示唆する】という技法の出番だ。
改めてレッドのセリフをご覧いただきたい。
真正面から反応するのではなく「話は終わったかい?言いたいことは言ったみたいだね」と応じることで、「子分とは格が違う感じ = いかにもボスらしい大物感」を醸し出すことができたといえるだろう。
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