LayerN×クリプト流星街 AMAまとめ

加東たまお

2023年10月30日 10:53

この記事は仮想通貨コミュニティ「Crypto流星街」によって運営されています。

こんにちは、Crypto流星街の0x_tamaです。

本記事は、2023年10月29日に行われた、LayerNのAMA(Ask Me Anything)についてまとめたノートです。

LayerNプロジェクトの概要

LeyerNはイーサリアム上の金融アプリケーション向けに設計されたL2です。オンチェーン上にNASDAQのライバルを生み出します。

用語・補足

LayerNプロジェクトを理解するためにの前提知識は以下の通りです。

ロールアップ

ブロックチェーンのスケーラビリティ（拡張性）を向上させるためのテクノロジーの一つです。
複数のトランザクションやコントラクト呼び出しを一つの「巻き取られた」（rolled up）トランザクションにまとめ、その結果だけをメインチェーン（例：Ethereum）に送信します。

モジュラーブロックチェーン

ブロックチェーンの構成要素や機能がモジュール（部品）のように独立して設計されているタイプのブロックチェーンです。
特定の機能やタスク(Txの処理、スマコンの実行　等)のみに特化したチェーンを作ることでその機能に最適化されたチェーンを作ることができ、多様な用途に対応するブロックチェーンシステムを効率よく構築が可能になります。

Data Availability

Data Availability（データ可用性）は、データが必要なときに確実にアクセスできる状態を指します。
この概念は特に分散システムやブロックチェーン、クラウドコンピューティングなど、データが多くのノードやサーバーに分散して保存されている環境で重要とされています。

Optimisticとzkのロールアップの違い

Optimisticは、名前の通り(Optimistic＝楽観的な)Txは基本正しいものと捉えてロールアップ(Txやスマコンの応答結果がまとめられる)が行われます。
その代わり7日間の検証期間があり、不正Txの申し出はこの7日以内に申し出ることで再度チェックが行われます。
OPチェーンから外にブリッジしようとすると7日待たされる理由がこれに当たります。

zkは、Optimisticと違いTxには不正なものも含まれるよね？という前提となります。
その為、Zero-Knowledge(ゼロ知識証明)を用いてTxの不正検証を行いつつロールアップを行います。
Txの検証がある分OPチェーンに比べて処理が多くなりますが、ブリッジで外部に資金を出そうとする際に7日間待たされることはありません。

Crypto流星街からの質問と回答

Q1：自己紹介をお願いします。

LayerNプロトコルの共同設立者兼CEOのディマです。
以前は、Solanaブロックチェーン上で最大級のデリバティブ取引所を共同設立し、数千人のユーザーにサービスを提供するまでに急成長させ、累積取引高数億を達成しました。
私はこの職責において、一流の暗号機関や流動性プロバイダーと緊密に協力し、ブロックチェーン領域における専門知識を確固たるものにしました。 Web3の世界に飛び込む前は、AIとニューロテックの研究に専念し、強化学習や神経変性疾患などの分野に注力していました。

こんにちは、私はパトリシアです。
LayerNの成長責任者で、ブロックチェーン上での伝統的な金融会社のDeFi開発と統合の拡大に注力しています。
私の最近の職歴には、わずか5ヶ月で総額75億ドルの取引高を積み上げた Arbitrum上のハイブリッド注文書-AMM DEXであるVertex Protocolで、エコシステムとパートナーシップの成長に焦点を当てたイニシアチブを主導したことが含まれます。
それ以前は、オイラー・ファイナンスに9,000万ドル以上のTVLをもたらし、 SSV.networkのメインストリームからの注目を集めることに貢献しました。
私はウォーリック大学を卒業し、哲学、政治学、経済学の学位を取得しています。

本日のAMAはLayerN。オンチェーン上にNASDAQに匹敵するような金融システムを作る為に活動しているプロジェクトだ。
とにかく内容が難しくかみ砕いた説明が出来ないのが心苦しいが、可能な限り補足を入れつつまとめました。
ソーシャルリンクにあるドキュメントと合わせてお読みいただけると幸いです。

知らない単語がいっぱいです。

Q2：LayerNとはどのようなプロジェクトでしょうか？概要を教えてください。

LayerNは、相互接続されたロールアップと共有流動性プールのネットワークを介して比類のないパフォーマンスとコンポーザビリティを提供することで、 Defiを拡張するために特別に設計されたイーサリアムのレイヤー2ネットワークです。
Nord(カスタム構築された効率的で特殊な取引所ロールアップ)の機関投資家向け取引ロールアップは、Rust実行環境とEigenLayer DAにより、超低手数料（<0.01ドル）、超低レイテンシ（<1ms実行レイテンシ）に最適化されています。
さらに将来的には、LayerNは独自のEVMロールアップを立ち上げる予定であり、すべてのNordインスタンスにシームレスに接続することで、Defi・エコシステムを繁栄させることが出来ると考えています。

早速何を言ってるのかわからない！概要が概要じゃない！という人は以下を覚えて帰ってもらえれればOK
上に用語集もちょっと乗せたのでそちらも参考にしてくださいm(_ _*)m

LayerNのAMAお疲れ様でした！
内容的に難しいアレでしたが、
・爆速L2チェーンを作ろうとしてる
・DAレイヤーにEigenDAを採用したモジュラー構造で、モジュラーブロックチェーンのトレンドにのってる
・RollupもVM（Rustベース）も独自開発
ということだけ覚えて帰ってください！
— 0x_Rice (@0x_Rice) October 29, 2023

Q3：スループットがETHの1万倍と記載がありました。どのように実現させようとしているのか教えてください。

LayerNは、
　・超高性能かつネイティブなロールアップ間共有市場流動性
　・コミュニケーション
　・超高速なユーザー&デベロッパーエクスペリエンス
を提供するためにゼロから設計されたロールアップインスタンスのネットワークです。
既存のL2エンジンよりもはるかに高性能な、独自のカスタムRust VMを開発しました。
EigenDAと圧縮されたトランザクションを活用することで、イーサリアムに直接データを掲載するよりもわずかなコストでデータの可用性を確保することができます。
オーダーブック・ロールアップ（Nord）は取引用に最適化され、世界有数の金融取引所のアーキテクチャを反映し、NASDAQに匹敵するオンチェーンを構築しています。

LayerNはとにかく超高速を実現するためにVMやロールアップ機構など全部独自開発しているプロジェクト。
金融の世界はとにかく速度が大切、どれだけ処理できるかとても重要。
CEOがSolanaチェーン出身なのでRUSTとも思ったが、速度とメモリ管理を考えての選択なのだろう。
ちなみにEigen Layerは「あいげんれいやー」と読む。えいげんではないので注意だ。

Q4：スループット以外で、他プロジェクトと比べ優れている部分はありますか？

LayerNは、超高速執行とほぼ瞬時のメッセージングでn番目のロールアップのための共有環境を提供する最初のソリューションです。
LayerNのエコシステム内の全てのロールアップは同じ流動性プールを共有し、共有シーケンサーによるロールアップ間通信プロトコル(IRC)を介して他のロールアップにシームレスにメッセージを送信し、即座に流動性をブリッジすることで、既存のロールアップにおける分離された流動性の問題を解決します。
さらにLayerNのロールアップは、パフォーマンスとセキュリティを最適化するため、optimism-zkハイブリッド・オペレーションを採用しています。
これは、RISC-V命令セットをサポートするRiscZeroのZKFPによって可能になります。
LayerNは、必要なとき（つまり、バリデータが不正を行ったとき）だけZKプルーフを生成します。
これは、非常にコストのかかるオーバーヘッドであるプルーフ生成を常に必要とする一般的なzkrollupとは異なります。
これは、Web2のようなパフォーマンスと、従来の楽観的ロールアップよりも短い不正防止ウィンドウという2つの重要な利点を提供する。

ここではLayerNの特徴について回答があった。
エコシステム内のロールアップであれば共有シーケンサーが用意されており、ロールアップ間を跨いで圧縮できるので速度向上を見込めるとのこと。
また、不正検知についてもopとzkの良いところ取りをしている印象で必要なタイミングでのみゼロ知識証明による検証が行われる。
他システムで使われている仕組みをより良くしている技術力は圧巻だ。

Q5：プロジェクトチームについての質問です。何人くらいのチームで活動しているんでしょうか？

現在、8人のフルタイム・メンバーと2人のパートタイム・メンバーがいます。

うちエンジニアは6名とのこと。今日来てる2人以外はエンジニアなのかな？

Q6：運営を維持するための収入源はどのように確保していますか？

私たちは、Founders Fund、duo5、その他Dragonfly、Mirana、Kraken、SALT、Polychain、その他多くのファンド/エンジェルが主導するシードラウンドの資金調達で500万ドル(約7.5億円)を確保しました。

Q7：トケノミクスの概要とトークンの有用性について教えてください。

トケノミクスについてはまだ完全には決めていません。

トケノミクスが決まっていないということはVCにお返しするトークン量等も未決ということか？
その状態で7.5億円調達出来ていること自体はレアケース。

よくわからないけど有望そうです。

Q8：企業や他プロジェクトなど、契約を結んでいるパートナーはいますか？

現在、いくつかの選ばれたDeFiや伝統的な機関パートナーと、カスタムロールアップの展開や統合に取り組んでいます。メインネット開設初日からLayerNで活気あるエコシステムが見られることを期待しています。

Q9：マーケティング戦略について質問です。今後、具体的にどのようなマーケティングを予定していますか？決まっているスケジュールがあれば、教えてください。

1ヶ月以内にテストネット・フェーズ1を開始し、来年第1四半期のメインネットを目指す予定です。コミュニティが参加し、製品のテストに協力するために、テストネットのラウンドが数回行われる予定です。私たちはアジアのコミュニティに価値を感じており、ここでより大きな存在感を示したいと考えています。

今後の予定が想像より1年くらい早かった(ﾟдﾟ)！
CRYPTO関連ではマイルストーンが伸びていくこともあるが、それでも4か月後にメインネットがという線の引き方はすでに結構出来上がっているのか？

CommunityQueshionまとめ

CQ1：スピードを重視されているように思いましたそれだけスピードに対する高い需要が今のCryptoにあるのでしょうか？

レイテンシが50msより高く、スループットが1秒あたり数千取引より低いと、トレーダーとマーケットメーカーは損失を被ります。
参考までに、バイナンスは5ms以下のレイテンシで1秒間に70万件の取引を行っていますが、ソラナは400msのレイテンシで数百件の取引しかできません。

CQ2：Eigenlayerはかなりヒートアップしているように感じます。 LayerNもEigenlayerと強い関係があるように感じますが、EigenlayerにとってはLayerNはどんな役割を果たしますか？

我々はeigenlayerと密接に協力しています。
我々はデータの可用性のために彼らのDAレイヤーを使用しています eigenレイヤーを直接使用した超極秘プロジェクトも開発中です。
※[11月にいくつかの発表がある］

Eigen関連の発表が11月にあるとのこと、後続のアナウンスは注目したい。

CQ3：テストネット開催後、Quest3などのフォーマットでクエストコンテストを開催する予定はありますか？私たち日本人は全員Quest3の様なフォーマットに疲弊しており、それらを憎んでいます。できればやめて欲しいです。

クエスト3をテストネットのために特別に使用することはありませんし、テストネットのインセンティブ・プランがあるかどうかも決めていません。
テストネットはコミュニティーの間で非常に期待されているものなので、私たちのコミュニティーに合った最高の参加プランを考えたいと思っています。
Quest3が嫌いなのはなぜですか？