見出し画像

私による私のための選書(後編)

前回の記事の続きで、現時点の積ん読本を買った理由とともに綴っています。
前編はこちら。

『はじめてのギリシャ神話解剖図鑑』河島思朗監修、エクスナレッジ

ギリシャ神話に詳しい友人と書店でぱらぱらとめくっていて、ゼウス周りのややこしい関係も人物相関図になっていて分かりやすそう、と購入。
ギリシャ神話の学びなおしに。


『本のエンドロール』安藤祐介、講談社

たった今気付いてしまった、すでに文庫化している!特別掌編付きで!
私は単行本で買いました。
本書は印刷会社のお仕事小説らしく、佐々涼子さんのノンフィクション『紙つなげ!』に感銘を受けた私は気に入るにちがいない。
もしかしたら文庫も買ってしまうかもしれない。
(こういう単行本と文庫どちらを買うか、という悩ましさは別記事で書いています。)


『すべての見えない光』アンソニー・ドーア、藤井光訳、ハヤカワepi文庫

新潮クレスト・ブックスのときから気になっていて、文庫化を機に購入。
多くの人が静かに称えている小説といった印象。
鎌倉駅前のたらば書房で購入してブックカバーをかけてもらったのだけど、本書がやたら分厚いために店名やロゴのプリントが正位置にならず、ブックカバーも頑張って包んでます!といった様子。
ナチス時代の話なのもあり、ちょっと気力がたまったときに読みたいな。


『spring』恩田陸、筑摩書房

恩田陸さんがバレエを題材に小説を連載すると知ったときの嬉しさといったら!
それが約4年前のことで、単行本が発売してすぐ買いに行った。
バレエ好きにとっては恩田陸さんが言語化するその世界が楽しみでたまらない。
演劇の『チョコレートコスモス』、音楽の『蜜蜂と遠雷』、バレエの『spring』と三部作的なかんじになるのだろうか。
白いカバーをめくるとカラフルな表紙があらわれる装丁も素敵。


『新装版 苦海浄土』石牟礼道子、講談社文庫

うろ覚えなのだけれど本屋Titleの店主・辻山さんが、どこかで「良い本屋には必ず置いてある」と挙げていた作家・石牟礼道子さんの代表作。
本書はとても有名な印象だったけれど意外と近くの書店にはなくて、本との出合いが一期一会であることを思い知った。
昔に比べて業界全体の刊行点数が多くなっていて、その分書店での新陳代謝が激しいし、制作や管理コストの関係で絶版になるまでの期間も短くなっているし……。
でも、見つけました! ありがとう誠品生活日本橋。
誠品生活日本橋でかけてくれるブックカバーのデザインも好きです。


『科学の扉をノックする』小川洋子、集英社文庫

こちらも誠品生活日本橋で購入。
だいたいの書店で棚に1冊ささっているかどうかの、いつもなら即決では買わない既刊が複数冊並んでいるのをみると店員の心意気を感じて買ってしまう。本書はそれでした。
小川洋子さんが数学者の藤原正彦さんと対談した『世にも美しい数学入門』が(ド文系の私でも!)面白かったので、きっとこちらも小川洋子さんが良いガイド役となってくれているだろうな、と期待。


『床下の小人たち』メアリー・ノートン、林容吉訳、岩波少年文庫

スタジオジブリの「借りぐらしのアリエッティ」が好きで、神保町ブックセンターへ行った折に原作である本書を購入。
神保町ブックセンター(元・岩波ブックセンター)へ行くと岩波書店の本がずらーっと揃っていて、買わねば!という気持ちになる。
私は映画「ハウルの動く城」も好きで、原作を読んだらさらに映画が好きになったので、こちらもそうなるといいな。


『満腹論 -明日にかぶりつけ-』坂本真綾、KADOKAWA

こちらはなんと!サイン本!
ここ数年毎週欠かさず聴いている坂本真綾さんのラジオ番組で、通販でのサイン本の案内があってすぐさまポチッ。
私は真綾さんの文章・言葉選びが好きで、エッセイは全部持っている。前作『満腹論』の続刊が出て嬉しい。
気が早いけれど第3弾も出してほしい。


『元気じゃないけど、悪くない』青山ゆみこ、ミシマ社

ああー私もこれになりたいーと思ってタイトル買い。
本の帯に書いてある青山ゆみこさんの状況が自分と重なる部分もあって、それにも背中を押された。
私の今年の目標は「セルフケア」で、この本がその一助になるといいな。
ポルベニールブックストアで買ったのだけれど、本文にも登場するらしい。どこに出てくるのだろう。

このほか積んでいるのは、同じくポルベニールブックストアで店主さんにおすすめしてもらった宮田珠己さんのエッセイZINE『思わぬところからの素敵』(買ったあとで『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』の作者さんだと気づく)。

そしていつか行きたいと思っているTOUTEN BOOKSTORE(名古屋)発行の「読点magazine、増補版」も積んでいます。本屋ができるまで/できてから、という内容で、辻山良雄さんの『本屋、はじめました』を彷彿とさせる。


これで全部で21冊。どれも読むのを楽しみにしている本たち。

積ん読が多いと場所をとるし次に読む本を迷うし書店へ行ったときに新しく本を買うのを躊躇する。
なので、自分にとって快適な積ん読目安は5冊くらいという実感はある。
しかしそれは単なる理想で、現実はこのようになっている。うぐぅ。

私は本屋さんが好きで、本を買うことも好き。もしかしたら読むこと以上に買うことが好きなのかもしれない。
で、いま読んでいる本を読み終わらないうちに本屋さんへ行けば2冊、3冊と買ってしまうため積ん読過多になりがち。
分かってはいるのだけどやめられない。

ほしい本を目の前にしたとき、家にある積ん読のことが脳裏をよぎるけれど、それによって生じる躊躇は儚い。
よって、本棚に設けてある積ん読スペースにまるきり収まっていない未読の本たち。なんなら床にまで増殖している。(このnoteのヘッダー写真を撮るときちょっと整理した。)

ただこれだけ積ん読があると良いこともある。
古典と新作、日本文学と翻訳もの、短編と長編、小説や人文書という具合に読み味やジャンルの異なる本が揃っているので、そのときどきの気分に合わせて読みたい本を手に取れる。

さて、この記事を書いていたら読みたいモチベーションが上がってきたので、勢いにのって積ん読タワーをどんどん崩していきたい。
そのあいだにもきっと欲望に負けてまた本を買っちゃう自分を想像できるところが、なんともいえないけれど。


この記事が参加している募集

#うちの積読を紹介する

969件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?