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非SaaS企業でカスタマーサクセスミートアップを初開催して


はじめに・・・

私は、いわゆる国内の伝統的な大規模企業に25年以上勤務しています。近頃はこのような企業をJTC…Japanese Traditional Company などど呼んだりします。所属会社はIT企業で、個人向けではなく企業の人事・総務部門や情報システム管理部門の方々に向けて、さまざまなシステム開発をさせて頂いてます。
「カスタマーサクセス」をご存じの方なら、すでに「JTCのIT企業でカスタマーサクセス?結構無謀なことやっているな」とお気づきかもしれません。SaaS企業向けの事例やメソッドは数多くあるものの、非SaaS企業の、しかも日本企業の事例もメソッドがまだまだ少ない、というのが実情です。
カスタマーサクセスをご存じない方(およびSaaSって何?と思われる方)は、弘子ラザヴィ氏の「カスタマーサクセスとは何か」という書籍をオススメします。

そんな昨今、私はSaaS事業のメソッド適用の難しさを痛感しつつも、非SaaS事業でも「カスタマーサクセス」というものは必要だと信じ、”カスタマーサクセスと気付かないうちにカスタマーサクセスをやってもらう”という挑戦をしています。
私のそんな奇妙な挑戦を見つけて下さる方がいて、過去にはこんな素敵な方々と登壇・対談をする機会を頂いたりしました↓。

今回のミートアップも、所属会社だけでなく親会社やグループ内の他の企業の方々を巻き込んだ、挑戦の一つ。所属する社内で議論を尽くし、実践を続けることも大切ですが、「外のモノサシ」と「利害関係のない関係性」を使うことで、結果的にそれぞれの所属会社のPDCAの質も速度も上げることができるのではないか、という仮説を持ちながら第一歩を踏み出したところなのです。

開催のきっかけとミートアップへの期待

グループ所属企業の社員数は、世界で数十万、国内は十万前後と言われます。グループ共通のワーク・コミュニケーション基盤としてMicrosoft365が採用され、多くのコミュニティがMicrosoft Teams上に存在し、チャットで日々様々なコミュニケーションが繰り広げられています。
そんな中、カスタマーサクセスに早くから関心を持った数名がTeams上にコミュニティを立ち上げ、今やグループ横断で400名超のメンバを集めるまでに成長させていたりします。
このコミュニティ主催イベントで、カスタマーサクセスマネージャとしての豊富な経験に基づき、営業部門との連携のコツ等々を非常にわかりやすくレクチャして下さったのが、才流の高橋さん。カスタマーサクセス界隈では知らぬ人はいない有名人です。このイベントのアンケートに「こじんまりかつクローズドな会を開きたい。現時点で本当にカスタマーサクセスの実践に奮闘している人だけを集めて、行動に繋がるような場を作りたい」と私が書き、主催者が拾って下さったことがミートアップの源泉でした。
今思えば、高橋さんの講演内容が体系的でわかりやすいだけでなく、現場の課題やアクションを想起させやすい、第一歩を踏み出すことを促す内容だったので、私は背中を押されるようにあのようなアンケートを書いたのかなと思ったりします。
才流の高橋さんがお書きになったコンテンツいくつかあって迷います、まずはこちらをお読み下さい☟ 

日本にカスタマーサクセスが上陸したのは2016,7年ごろでしょうか。今や書籍や実践事例、カスタマーサクセス専用のITツールも増えつつありますが、非SaaSなJTC企業への浸透には思った以上に時間がかかる、というのが現場の肌感覚としては強いです。「浸透しにくい背景は何か」「どうやったら浸透できそうか」等々をこのミートアップで議論し、それぞれが小さなPDCAを回せるようにしていけたら、と思います。

第1回ミートアップのゴール

これについては、前述のグループ横断カスタマーサクセスコミュニティの運営者と、「クローズドな会を開きたい」というアイデアに賛同下さった方と私の3人で決めました。この3人の業種や職種についてですが、2名はIT事業部門のエンジニア、1名は非IT企業の営業職という顔ぶれ。営業職の方のカスタマーサクセスに関する想いを聞けるということは私にとっては本当に貴重なので、あらためてこの3人の出会いには心から感謝です!

第1回ミートアップのゴールは、「なぜこのミートアップに参加表明したのか」「どういう形でカスタマーサクセスに携わっているのか」を参加者に話してもらいながら、「自らの活動や会社・事業の課題を言語化して相互理解することで、お互いの活動・課題の価値を認識し」、「具体的に今後、どんなテーマで議論するとよいか」をイメージしながら帰ってもらう、ということでした。
ミートアップの中で参加者が口々に「(書籍や一般的な理論だけではなく)非SaaS企業、ないしはこの企業グループオリジナルのカスタマーサクセスが必要だ」と発言していたのが印象的でした。ミートアップの中では、私たちに必要なカスタマーサクセスとは何か・・・を突き詰めるために必要な良いテーマが本当にたくさん挙がりました。整理してアジェンダにするのが楽しみです! 次のセクションでは、私の気づきと称して、ミートアップで感じたことをいくつか書き出してみました。

本編+懇親会というスタイル。社内にあるBarスペースのおかげでよりオープンに!

気づき:事業・製品のライフサイクル(≒年齢)によって異なるカスタマーサクセスを!

30年近くご愛顧いただいているセキュリティ製品を担当する人と、ここ数年立ち上げたコミュニケーションの改善を目的とするサービスとでは、カスタマーサクセスで解決したい課題もアクションも違ってきます。前者の、歴史あるセキュリティ製品事業では、ちまたのSaaS事業者向けのカスタマーサクセスのメソッドを眩しく感じて目を細めつつも、どこか他人事になって引いてみてしまうことになります。

気づき:まだまだ未知のマーケット・商習慣が広がっている!

今回のミートアップには、いわゆるIT企業の人だけでなく、エレベータやビルメンテナンス事業の人々も参加。サービスだけを請け負い、製造をしないサードパーティー的な業者が増え、顧客をどんどんそちらに奪われる事態に危機感を持っているとのこと。顧客の声をしっかり聴き、顧客に伝えるべき情報・製品の価値などをしっかり伝えたうえで、勝負したい!という熱意が伝わってきます。業界が違うと全く違う商習慣や文化が広がっている。特に私たちIT企業の人間にとっては、お客さま・市場を、臨場感もって理解できることは本当に貴重なありがたいことだなと感じました。

気づき:まったく異なる業種でもこんなにピッタリ重なる共通課題が!

カスタマーサクセスが世界中で注目を集める理由の一つに、「所有から利用へ」「売り切りモデルの限界」という市場の変化があると言われます。今回のミートアップで強く感じたのは、業界問わず共通的な課題・トラップがあるということ。売り切りモデルの限界を、誰が本気で感じているのか。システムを、あるいはビルを引き渡したら、そのまま本当にお客さまとの接点まで手放して果たして良かったのか。それを激しく後悔して取り戻そうとしている、という点においては、大規模システム開発やソフトウエア開発においても共感しかありません。この点についても今後の展開に乞うご期待!w

2次会…一部メンバで行きました!お店の雰囲気が素敵、静かなのでさらにお話が深まった!
初めて頂くお料理でした!もう一度食べたいのに名前を忘れるという・・・

さいごに・・・

第1回ミートアップ全体を通して、すぐにでも意識して変えられることがあるなと思ったことがあります。JTCとして改めたい”あるある”の一つに、「自分たちの会社・業界特有の用語を多用し過ぎ(その説明が無さすぎ)」というのがあります。ここ最近社外のコミュニティにいくつか参加してみて、私自身反省しきりです。どんなに気を付けていても、聴いてくれてる人の顔に「?(クエスチョンマーク)」を浮かばせてしまうという状態・・・これは切ない・・・😭 
ましてやお客さまの立場に立ってみたらどうなるでしょう? お客さまの顔にクエスチョンマークを浮かび上がらせていいものでしょうか
伝えあうということを丁寧に。言葉も選びなおしていきたい。また、わからない言葉に対しても愛と勇気を持って「何ですかそれ?」と止めてみようと思います。
・・・自戒の念も込めて。

最後までお読みくださいまして、本当にありがとうございました!