あさひがのぼるまえに。9
何かを始めるときは何かを捨てなければいけないというが、それは本当なのだろうか。笑いあうために、ごめんねに込めたありがとうのように、幸いきれいなままで終わっているものでもいいのではないだろうか。信じられるのであれば、辛抱して僕はあいまいさのままでこの世界を去りたいと思っている。きっと、そんなことすらかなわない世の中だからこそ、僕が見つめる景色の中で君が輝いているんだろう。
あれから1か月が経過した。経年の年月のごとく、目がくらんでしまうような忙しい日々だったが、何とか生きてい