2022年の日記集:戻ろうとしても、戻れない。

【5月4日】

なんで、あんなことを言ってしまったんだろう。
数年前のことを思い出して、赤面することがある。

大学生の時、高校生の時。
その場の笑いを取るために誰かを傷つける言動。感情を抑えきれずに、噴出した怒り。正論を武器に、自分の意見を押し通したり、人の考えを否定したことも多々あった。

...

結婚式に来てくれる友人全員の席に、メッセージカードを置いた。 それぞれに伝えたいことを沢山書いたけれど、学生のころから知っている人には、共通して書いた部分がある。

「あのときは、本当にごめんなさい」

自己満足かもしれないが、やっと謝ることができた。
そんな想いとは裏腹に、嘘か本当か、みんな全然気にしていないようだった。 むしろ、あの時みたいに騒いでくれと声をかけられた。

それでは、と。

あの頃の自分に戻ろうとするが、戻れない。
馬鹿みたいに思ったことを口に出して 時には人を傷つけるのもお構いなしで お酒を言い訳にして…そんなあの頃。

戻りたいとも思わなかったけれど 戻ろうとしても難しかった。

あの頃よりも、知識も経験も増えて、想像力が豊かになった。
あの頃から今まで、沢山傷つけて沢山傷つけられてきた。

あのとき面白かったことは、今はもう面白くないのだ。

だから、今の自分は無理をして"大人ぶっている"わけではなさそうだ。

...

周りに多大なる迷惑をかけながらも、あのときはあの時なりに精一杯生きていた。
今も、精一杯生きることができているんだろうか。

将来の自分が見ても恥ずかしくないように、なんて少しつまらない。
振り返って、恥ずかしいくらいがきっと丁度いい。

※この記事は、過去にメンバーシップ内の掲示板に投稿していたものを再編集したものです。

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