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小説 小説らしきもの

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基本 短いです。 長いのは一本だけ……
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【短編小説】宵待草

【短編小説】宵待草

 あらすじ
 上野の美術館で「夢二展」を見た帰り、奇妙な風体の老人に声を掛けられる。老体の身に学生服という、突飛な出で立ちであった。
 つい先には、なんともレトロなセーラー服姿の美少女が人待ち顔にあたりを窺っている。デートなんですよ……と老人に言われ、問い質すところ……時は昭和の三十年代の悲恋物語に遡り……

   

     宵待草

 土曜日の昼下がり、上野公園はうっとうしい位の人ごみであっ

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【短編小説】黄色い折り鶴に乗って

【短編小説】黄色い折り鶴に乗って

あらすじ
誰も住んでいないはずの古ぼけたアパートの窓に見た、一人の少女。彼女の落した黄色い折り鶴は何を意味するのか…… 

  黄色い折り鶴に乗って

 夢には二つの意味がある。一つは夜に見る夢、二つ目は願望としての夢だ。しかし、夢にはもう一つの世界があると、東吉は今でも信じている。 中学三年の、一学期のことだ。通学途中に、「巫山莊(ふざんそう)」という年代物のアパートがあって、どことなく大好きな

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【短編小説】吸血鬼との深夜の対談

【短編小説】吸血鬼との深夜の対談

あらすじ
 深夜の公園で、恵太は岡倉と名乗る一人の吸血鬼の老人に出会う。
 老人は若かりし頃、愛する人との永遠の恋を求めて、自らを不老不死の吸血鬼に改造したらしいのだ。
 しかし、愛する人はこう言ったという。
 私……岡倉さんが40歳になった姿を見たい。70歳になった姿が見たい。そして、岡倉さんにも見て欲しい……私が可愛いおばぁちゃんになった姿を…… 
 

    

   吸血鬼との深夜の対談

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【短編小説】ルリ子さんの肖像

【短編小説】ルリ子さんの肖像

 あらすじ
 高校の美術教師である石井先生の描く肖像画に一目惚れし、信也は美術部に入部する。
モデルは同校の女生徒と思ったのだが、実は10歳で死んだ先生の愛娘ルリ子さんだつたのだ。
 よほど娘の死が無念だったのか、先生は毎年一枚ずつ娘の成長に合わせた肖像画をものしていたのだ。
 信也が見たのは、まさに高校一年生になった架空のルリ子さんだったのだ。
 ルリ子さんはキャンバスの中、やがて2年生に、そし

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【短編小説】あの日見上げた空を僕は忘れない

【短編小説】あの日見上げた空を僕は忘れない

あらすじ
 幼稚園の頃の初恋。高校生になった倫吉は、忘れ得ぬ絵里奈ちゃんの面影を追って自転車を走らせる……。そして、10年ぶりの再会。しかし、その絵里奈ちゃんは、すでにこの世の人ではなかった…… 

 

   あの日見上げた空を僕は忘れない

  高校三年の春のことだ。買ってもらったばかりのロードバイクに乗って、あてずっぽうに走り回っていたいた時……倫吉はふと、懐かしいけしきに出くわした。

 

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【短編小説】紙ヒコーキの運んでくれた恋

【短編小説】紙ヒコーキの運んでくれた恋

あらすじ
 窓に舞い込んできた、一機の紙ヒコーキ。二十年前に好きだった少女からの、恋の返信であった……  

   紙ヒコーキの運んでくれた恋 久しぶりに自室二階の窓を全開にすると、生暖かい春風が無邪気に流れ込み、淀んでいた冬の名残を蹴散らすかのようであった。
 売れない密室の作家。つい気取って突っ張ってはみても、この所、さっぱりアイデアが浮かばない。お袋には散々嫌みを言われるし、若干とはいえその

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【短編小説】薫のワルツ

【短編小説】薫のワルツ

あらすじ
 中学も終わろうとする日、雄吉はすでに廃校と決まったバレー学園で一人の少女と知り合う。こまっちゃくれた小学生で、勝手にバレーの練習をしているようなのだ。
 しかし、次に訪れた時、すでにバレー学園は解体され……そこで、雄吉が見たものは……

 

   薫のワルツ 中学生活も終わり、一週間後には祐吉も高校に進学する。
なんだか、「こどもの季節」も、引き摺られるように終わってしまうように思え

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順子さんの夢

順子さんの夢

 

本当に願ってみると、思い通りの夢が見られるらしい。
昨晩の夢は、まさに願ったとおりの夢であった。

もしタイムマシンがあったなら……どの時代に戻りたいか?
 そう尋ねられたなら、僕は躊躇うことなく「中学時代」と答えることにしている。

あの、不分明な季節が好きなのだ。異性への興味が急速に高まりつつも、未だ未知にして神秘的な靄に包まれ、恋への憧れはいっそ性とは乖離した御伽の国を彷徨っている。あ

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人生についての呟き

人生についての呟き


 人生についての呟き人生よ
もしもお前が しなだれ掛かる恋人ならば
僕は決して 家庭を営むつもりにはならないだろう

人生よ
もしもお前が 朝露にも似た情婦ならば
僕はホテルの一室を ママゴトの家庭と断じよう

人生よ
もしもお前が 垂乳根の母ならば
僕はお前を 継母と誹り続けるだろう

人生よ
もしもお前が 通りすがりの美少女ならば
僕は報われぬと知りつつも 永遠の恋に身悶えるだろう

人生よ

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素敵な段ボールのお家

素敵な段ボールのお家

    
 素敵な段ボールのお家
                             銀騎士カート

 小説を書きはじめた頃、カート君にはマリさんという幼なじみの素敵な彼女がいました。立ち居振る舞いや言 葉つきにちょっと古風なところがあって、縁日なんかで浴衣掛けになると、周りのどんなおんなの子よりも、雰囲気がお香の煙のようにたゆたうのです。
 実際、 マリ

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(短編小説)後ろ姿のアルバム

(短編小説)後ろ姿のアルバム

  (短編小説)後ろ姿のアルバム
                         銀騎士カート

 二十年近く前に亡くなった母の遺品の中から、一冊のアルバムが見つかった。ちょっと無理を承知でローンを組み、新築のマンションに引っ越す、その数日前のことだ。桐の箪笥の底で眠っていたそのアルバムは、私の写真で埋っていた。しかも……その全てが後ろ姿という異様なものだった。

 実は私は私生児で、母は女手一

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彌終の胎児

彌終の胎児

編集し直して……連載としてアップ致します。

春はいつでも……

春はいつでも……


  大好きな夜の時間が日に異(け)に削られ、生暖かい風に嬲られる「春」という季節を僕はあまり好まない。 ♬ 春はいつでも トキメキの夜明け……

 と、大滝詠一も歌うが、僕が心底惚れた女性を永遠に失ったのも、まさしく春のど真ん中であった。

 それにしても「青春」とはよくぞ言ったものだ。木々が芽吹き、人生の本格的スタートの見立てなのだろうが、……じきに鬱陶しい梅雨空が広がり、続いて酷暑の季節が待

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