めい

おばあが何を書くのかな? 行き当たりバッタリなものが多いですが、世代の違いの面白さはあ…

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おばあが何を書くのかな? 行き当たりバッタリなものが多いですが、世代の違いの面白さはあるカモ?(2023年5月に古希を迎えました)まあ、ヨッタラヨッタラやっております。 興味のある方、それほどでもない方、お暇な方、読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 めい

マガジン

  • シロクマ文芸部

    小牧幸助さんの企画に参加させていただいています。毎週木曜日にお題(書き出しの言葉指定)が発表されます。 参加資格は、一人以上の方にコメントをする事です。

  • 企画への参加

    小説、エッセイ、俳句etc

  • 毎週ショートショートnote

    たらはかにさんの企画です。410文字ほどの世界。お題は毎週日曜日に出されます。

  • ショートストーリー

    短い創作小説を置いています。

  • 爪毛の挑戦状

    爪毛川太さんの企画です。 410文字の世界。お題は固定です。選ぶのはあなた。

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おばあさんが小さなオルゴールを開けたのは久しぶりでした。 オルゴールは鳴りません。もうずっと前からです。 修理に出すのは嫌でした。 このオルゴールを作ってくれたの…

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めい
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小さなキツネ(ショートストーリー)

小さなキツネ(ショートストーリー)

海を見ているのは小さなキツネ。
お月様がとても大きく、とても明るい夜。
お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも眠っています。
夜ひとりで外に出たのは初めてでした。

「お月様」
小さな声で呼んでみました。
するとお月様の光が少しだけ明るくなりましたよ。
風が小さなキツネに声をかけます。
「ボクと遊ぼ」
でも風は小さなキツネが答える間もなく、通り過ぎて行きました。

お星さまは、たくさんの友だちがいる

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クッキー 三羽 烏さん企画

クッキー 三羽 烏さん企画

青い空に白い雲が浮かんでいた。
ボクは公園に来てみたけれど、誰もいない。
日曜日だからみんなお出かけかな。

ふと見ると、公園の隅っこにあるベンチに女の子が一人座っていた。
誰かなと思ったけれどベンチは向こう側に向いているので分からない。
ボクはブランコのところに行ってギコギコとブランコを揺らした。

すると、女の子がこちらに顔を向けた。
知らない子だった。同じくらいの歳かな。

「ねえ、お菓子食

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帰りたい場所 青ブラ文学部

帰りたい場所 青ブラ文学部

とても静かな昼下がり
とても静かな雨が降る
私に遠慮するかのように

雨の日は眠りたい
雨が降り続く間だけ
あなたが夢に現れそうで
雨男のあなただもの

雨に託した私の言葉
読み取ってくれたかしら
私に告げたい言葉は無いの?
知りたい気持ちは空回り

あなたが帰りたい場所はね
私の部屋ではなかったの
ずっと前から知っていた
知っているのは悲しいことよ

私の帰りたい場所はね
あの小さなウィンドウの

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白い靴 シロクマ文芸部

白い靴 シロクマ文芸部

白い靴の女は姫
白い色は乙女の証
赤い靴の男は護衛
赤い色は 愛の証 

二人で目指すは青い城
幸せが住むという青い城
青い城は近くて遠い

鳶色の馬の二頭立て
銀色の馬車が二人を運ぶ
一本道を突き進む

緑の棘のカーテンが
ヒラヒラ チクチク
通せんぼ
馬は前に進めない 

黒い魔女が現れて
通さぬ 通さぬと繰り返す
二人は頭を下げて願ったが
魔女は対価が欲しいと繰り返す

ならぬなら同行しろと

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#君に届かない 青ブラ文学部

#君に届かない 青ブラ文学部

空を見上げる。
まるで皮肉のように赤い星が一番最初に目に留まる。

君が出て行くと言った時、私の目の届くところに居るなら良いと確かに私は言った。そして、君はそうしたのだ。

君の住む星は目視で確認できることもある。けれど、それは何の意味も持たない。
私が君に会うためには、かなりの距離と出費を覚悟しなければならない。
そんなに私から逃げたかったのか。
そこまで君を追い詰めていたとはね。笑うよ。いや、

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記憶冷凍 毎週ショートショートnote

記憶冷凍 毎週ショートショートnote

最近、かなり記憶力が落ちた。
夜眠る度に記憶の幾つかが消えていくような気がする。

私担当のAIロボ、ミドリは言う。
「あなたの記憶の消失分は私の中に冷凍保存されています」
そうだ、私の記憶が私のものではなくなるって事だった。私は納得できないがミドリと争う気は無い。

「ね、ミドリ。散歩に出かけない?」
「はい、ご一緒します。最近歩いておられないので心配でした」

久しぶりの外気。最近の空気製造装

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風薫る シロクマ文芸部

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風薫る……、って何でしたかね。遠い昔に聞いたような、口にしたような。もうすでにたくさんの言葉を私は忘れてしまったのです。
長い冬が終わり、春がやって来たのね。桜は咲いたのかしら?気づかなかったけれど、いつの間に?

今日は暑いくらいだわ、ねえエミちゃん。
え?あなたエミちゃんじゃないの?そうなの、エミちゃんはあなたのママ?
そうだったかしら。ではあなたは誰?
カナちゃん?そうなのね。ごめんなさいね

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真夜中万華鏡 毎週ショートショートnote

真夜中万華鏡 毎週ショートショートnote

「星空に勝る万華鏡なんて無いさ」
お兄ちゃんに万華鏡を作って欲しいとせがんだけれど、お兄ちゃんの返事は素っ気ないものだった。
作るのが面倒だからってこんな言い方しなくたって。

「いいよ、自分で作るから」

月が怪しく光る夜
おまえの心に届くだろうか
月の光が見せる夢

おまえの作った万華鏡
月の光が差し込むその時に
万華鏡が万華鏡で無くなる不思議
さあ見るがよい
その万華鏡が見せるもの

「もう

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魔人のランプ 毎週ショートショートnote

魔人のランプ 毎週ショートショートnote

「皆さんご存じの『アラジンと魔法のランプ』
魔法のランプは行方不明。そのランプが我が校のどこかに。そんな噂があります」

魔法学校に入学した日、担任からこんな話を聞いた。
何をいまさらだが。
魔人もランプも行方知れずだとか。

今でも時々放課後、ランプの捜索はされているようだ。放課後ランプの名のもとに。なぜ学校はこんなにもあのランプに固執するのだろう。
あのランプは、魔人が使ってこその魔法のランプ

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子どもの日 シロクマ文芸部

子どもの日 シロクマ文芸部

子どもの日。公園はガラ空き。

エミは一人ブランコに腰かけた。
空を見上げれば白い雲が浮かんでいる。気持ちの良い風が通り過ぎていく。思わず大きな深呼吸をした。

「エミちゃん!」
「あ、武君」
「今日は公園、貸し切りだね」
「うん」
「ねえ、エミちゃん。久しぶりに一緒に遊ぼっか」
「うん。遊具寂しそうだしね」

二人はブランコを揺らしたり、シーソーで遊んだりした。
シロツメ草の花でエミが花冠を作る

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鬼化粧 色のある風景

鬼化粧 色のある風景

最近の流行にはついていけない。
若者たちの化粧が根本的に変わってしまった。
分かりやすく言うと、若者たちのほとんどの顔が鬼に変わってしまったのだ。
顔の色が、赤、黄、青、緑、白、黒etc.。
まるで12色クレヨンの見本だよ。

最近では様々な年代で、若者文化を追従する者たちが現れ始めた。
SNSは鬼たちで溢れかえっている。なんという世の中だ!

うちの孫たちも赤鬼、青鬼。紫鬼になってしまった。

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コソ泥の独り言 ショートストーリー

コソ泥の独り言 ショートストーリー

ガキの頃からコソ泥の俺は、何度か強引に別荘にも招待された。三度の飯も宿泊もロハだから悪くは無いが、少々飽きた。顔なじみのお世話係も増えたが、友達にはなれなかったのは残念だったな。

この仕事を悪く言う者は多いが一度やってみるとハマる。スリルと言う意味では俺のレベルでも満足感を得られる。

制服は、コソ泥は職業ではないと言うが。
働くということは金を手に入れることなのだから同じだ。盗みを働くっていう

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小さなオルゴール 青ブラ文学部

小さなオルゴール 青ブラ文学部

おばあさんが小さなオルゴールを開けたのは久しぶりでした。
オルゴールは鳴りません。もうずっと前からです。
修理に出すのは嫌でした。
このオルゴールを作ってくれたのは、亡くなったおじいさんでしたから。
修理に出すと、おじいさんのオルゴールではなくなってしまう気がするのです。

オルゴールは宝石箱でもありました。
確かにおばあさんの宝物が入れてありました。それは宝石なんかではありません。

おじいさん

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春の夢 シロクマ文芸部

春の夢 シロクマ文芸部

春の夢に。ボクは春の夢の中に住んでいます。
そこにあなたが遊びに来たことがあるのですが、覚えていますか。
もう随分昔のことになりますね。あなたはまだ少女でした。
ボクはボクのままで、あの頃とちっとも変わってはいないのです。
もう一度、あなたが春の夢の中のボクに会いに来てくれるのをずっと待っていました。

桜の花が散っていくのを何度も数えました。
菜の花が風と内緒話をしているのも。
春風が夏の風にか

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雪解けアルペジオ 毎週ショートショートnote

雪解けアルペジオ 毎週ショートショートnote

本格的な春がここにもやって来た。
そして春は今年も彼女を伴って現れたのだ。

彼女はギター弾き。酒場でカラオケ代わりに伴奏をしてくれる。
彼女自身は流しの歌うたいではない、あくまでもお客の歌の伴奏をするだけ。カラオケに飽きたお客たちには頗る評判が良い。

彼女のギターのテクニックはそれほどのものではないと思われたが、泣くように響くアルペジオのテクニックに驚かされる。テクニックと言うより心そのものが

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春ギター 毎週ショートショートnote

春ギター 毎週ショートショートnote

それは落ちていた。樫の大木の根元に。
森の仲間たちは、珍しい物見たさに集まってきた。
初めて見る形を不安げに見守っている。
好奇心の強いサルが触ってみた。そのはずみに立て掛けてあったそれは倒れた。動物たちは少し後退りを始めたが何も起こらない。

動物たちはホッとして顔を見合わせる。
サルはさらにそれに触る。音が出た。聞いたことのない音。細い線が細かく震えていた。サルは触れば音が出るものだと認識した

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