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大人になった今だからこそ一生懸命になれる趣味

ってあんまりない。
何かにハマれること自体がラッキーだと思う。


※今回の記事はちょっとオトナの内容です。

少し前から小説を真剣に書いています。
何もかも思い通りにならない日常の中で、
何もかも思い通りにできるのが創作の世界だと思っています。
自分が読みたいものがないから書くという感じで書きはじめました。


官能小説を。



かなり前ですが、こんな記事を書きました。


仕事のストレスを女性向けの官能小説を読むことでどうにか発散していたのですが、読み慣れてくるとだんだん飽きてくるようになりました。
それに加えて不満も出てきたのです。

女性向けなので女性に都合の良い展開になるのは別にいいのですが、それにしたって限度がある、と思う事が多いです。
例えば
 ヒーローがヒロインを愛する理由が弱い
 ヒロインがヒーローを受け入れる理由が弱い
 ストーリーの流れには不要な濡れ場

とか。
書籍化されているものはさすがにこの辺は補完されているのですが、小説投稿サイトは「うーん?」な作品がとても多いです。
特に、ヒーローのスペックの高さ(王族、貴族、御曹司、ハイスペ男子)と人格が合っていない。
合っていないから言動に矛盾が多い。

どんな話を読んでいても、平場シーンでも

その状況で、この立場の男性(女性)はその選択をするだろうか?

と思うのです。多分これは前職の職業病。
読者のターゲット層を成人女性にするなら尚更、この辺の詰めが甘いと肝心の官能シーンが興醒めしてしまう。
実際、私は醒めていました。



ここにきて改めて警察学校時代の教官の言葉の意味を痛感しました。

「必ず動機を聞け、それを調書に書け」
「被疑者調書と被害者調書の内容は一致する」

なぜそこにいたのか、なぜその方法を取ったのか、なぜその罪を犯したのか。
どこで誰に何を言って言われたのか、何をしてされたのか。
それをどう思ったのか。
聴取が甘いと起訴できないし公判で負けるぞ、と。

警察官、検察官、裁判官にティーンズラブ小説を読ませたら大半の作品がツッコミを受けると思います。

こいつの動機甘くない?嘘くさい。
矛盾してるとこどうすんの?
あと、誰がどこで何してるのかわからん。
この調書巻いたの誰?怒

みたいな。調書じゃないけど。
実際私はそう思って作品に冷めてるし。
そんな訳で思い立ちました。



自分で書いてみよう。
濡れ場に説得力がある官能小説を。

ヒロインはどんな人間なの?
そのヒロインが好きになる男ってどんな男?
なんで好きになるの?
読者が納得するきっかけなのか?
ヒーローはなんでヒロインを好きになるの?
ヒーローの性格は?
ヒーローの性格から裏打ちされる言動は?
この二人の濡れ場はどこで、どういうきっかけで、どんな行為をしようとするのか?
ヒロインはなぜそのときヒーローに身体を許すのか?

読者の読解力や感受性に任せてあえて描写しない手法もあると思います。
が、描写します。書くべきと思うこと全て。


官能部分は約束事や小技などのハウツー本があったので(あるんかーい!)、数冊読み込んで勉強。
さらに評価の高い小説の官能シーンに使われている名詞と動詞を洗い出して参考にしました。

さらにさらに、小説や脚本の書き方、プロットの作り方、ストーリー展開、読みやすい文章とは、文章力とは、等々本やコラムやnoteの記事をハイエナのごとくムシャムシャ食べ漁っては小説に還元しました。

ここまでやってふと、我に帰ります。

私は一体何をやっているんだろう。

思春期の男子高校生かそれ以上に真剣に人間の心理と性について考えています。
ただ没頭できる小説がないからという軽い理由でここまで深くハマるとは思っていませんでした。
こんなに真剣に官能小説を書いてるなんて現実では誰にも言えないです。


「やっとストーリーが上手く組み立てられて、いざベッドインさせたはいいものの正常位ですら描写が難しいし、松葉崩しって松葉崩しって単語を使わずにどう説明すればいいのかわからない。後背位のときの男性って相手の顔も胸も見えないのに何に興奮してるんだろう。Siri?濡れ場の参考にAV見てたら可愛い女優多すぎてビビる。どうなってるんだアダルト業界」

って本当は友達に言いたい。

「10万字越えの作品書けたときの達成感、やばい」

って言いたい。

「こんなに一生懸命になれること、しばらくやめられそうにない」

って。


女の身体を持っていることを呪いたくなるような話ばかり聞いてきたからこそ、女に生まれてよかったと思うような作品を読みたい。
フィクションの中では、女の人には幸せなセックスをしてほしい。

だから書いてます。ってここでは言っちゃう。


今年は公募に応募してみようかな。


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