岸よいさか

岸よいさか

マガジン

  • 投資

    投資の履歴です。

  • エンタメ

    映画、ドラマ、本などを見た感想まとめ。

最近の記事

終始笑い飛ばして読むのが正解なのかしら~書籍『東京都同情塔』感想

ある事象を言語化すると気分が楽になった経験が僕にもある。以前から僕は何か辛い物や熱い物を食べると全身や頭皮に蕁麻疹ほどではない赤い斑点が浮き出てかゆくなり汗をかくということがあり、しかし何も起きない時もあり、何がきっかけで発症するのかわからずにいたのだが、ある人から「それ、寒暖差アレルギーじゃない?」と言われ、そんな名前のアレルギーの存在を初めて知った。その後辛い物や熱い物を食べるときに意識してみたところ、急な温度差に晒されると起きるという原因を知ることができた。 目の前に

    • 信じて待つ〜映画『パスト ライブス 再会』感想

      実に地味で、淡くて、薄口だ。演出はとても抑制されていて、大きな起伏を意図的に避けている。再会のシーンなどもっと過剰に盛り上げることがいくらでもできるがそれをしない。2人の表情と「言葉がない」という言葉が雄弁に語る。24年ぶりに会うのにである。 そしてその再会のあとパスタを食べに行くシーンで非常に印象的だったのは主人公の2人ではなくその夫、アーサーである。個人的にはこのアーサーの振る舞いにこそグッと来た。そしてその行動はすべて正しいものだった。 彼は確かに揺れていた。自分の

      • GLAY『ここではない、どこかへ』

        こんなnoteも書いておこうかなというお試しですがGLAYの話を。最初に言っときますが僕は全くファンじゃないです。ファンの人たちごめんなさい。以下基本情報を。 1999年8月25日発売「ここではない、どこかへ」は、GLAYの17枚目のシングル。のちに5thアルバム『HEAVY GAUGE』収録。フジテレビドラマ「パーフェクトラブ!」主題歌。 ミリオンヒットなので代表曲の一つではあると思うけど、他にも彼らのヒット曲はたくさんありすぎて、時代と共に埋もれていった楽曲のひとつでも

        • 今月のコーヒー/EL TRIUNFO

          ずっとサブスクで買い続け飲み続けていたのですが、ただ漫然とやり過ごすと忘れてしまうので記録しようと思いたちました。これはコロンビアの豆。南米の豆の方がアフリカのと比べて酸味が少ない気がする EL TRIUNFO COLOMBIA アプリコットやアセロラの果実味、オレンジティーのような華やかさ。 シロッピーな質感と甘み。 Apricot, Barbados cherry, Orange tea, Syrupy. エル・トリウンフォ このコーヒーは、アプリコットやアセロラのよ

        終始笑い飛ばして読むのが正解なのかしら~書籍『東京都同情塔』感想

        マガジン

        • 投資
          0本
        • エンタメ
          16本

        記事

          見るという行為の不可逆性〜映画『悪は存在しない』感想

          EVIL DOES NOT EXIST. 悪が存在しないとは果たしてどういう状態のことか。このタイトルこそがこの世に悪は存在すると宣言しているようにも思える。「私は嘘をつかない」と言う人間はその時点で嘘をついている、という矛盾と同じ構造がそこにはある。 この作品内で流れる時間感覚を観客は冒頭で理解する。不協和音を含むストリングスが森の奥深くへと我々を誘う。もうこのまま106分この映像が続くのもいいかな…と思ったところで物語は動き出す。 この監督の前作(劇場公開順は)『偶然

          見るという行為の不可逆性〜映画『悪は存在しない』感想

          例えば登校する子どもを朝玄関で見送るとき〜映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』感想

          例えば小学校へ登校する子どもを朝玄関で見送るとき、これが今生の別れになるかもしれない、とは考えない。頭をよぎる瞬間は常にあれど、考えないようにして我が子を家から送り出す。いちいち毎朝そこまで敏感になっていられないからだ。 でも、そうなる可能性は0.0数%かもしれないが確実にある。何かひどい犯罪や事故に遭ってもう2度と会えなくなる。その時きっと、あの朝の取るに足らないやり取りが最期になるなんてと後悔するに違いない。 例えばスマホで何かの契約にサインする時、上記全てに同意する

          例えば登校する子どもを朝玄関で見送るとき〜映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』感想

          ゴッドタン「SDGs大喜利」が僕らに与える希望

          2月10日放送されたゴッドタンの企画「大喜利お題選手権」。その中でも特に絶賛され優勝したのがケンドーコバヤシが考案したお題「SDGs大喜利」。 本人いわく、大喜利の解答はその日その瞬間に消えていくものなのでせめて今日皆さんから出た答えだけでも再利用できないか、とのこと。 解答者は既出の解答から好きなものを選び、答えが面白くなるお題を出題し直す、というルール。 これがいざやってみると全ての解答が見事に再利用され成仏していく奇跡が連発していて凄かった。打率10割でウケまくる展開

          ゴッドタン「SDGs大喜利」が僕らに与える希望

          ドラマ『侵入者たちの晩餐』感想

          新年3日に日テレでやっていた脚本バカリズムの2時間ドラマ。 普通番宣のビジュアルに載せるキャッチコピーって内容をギュッと15文字程度にまとめたものになるところを、「バカリズム脚本のサスペンスドラマ。」にしてるところからして制作陣の彼への信頼がすごい。たしか『ブラッシュアップライフ』も「主演、安藤サクラ!脚本、バカリズム!」だったよな。ここさえアピールすればあとは観てくれるというブランディング戦略。 で結論から言うとさすがのバカリズムらしさ満載で面白かった!ほんの少し違和感を

          ドラマ『侵入者たちの晩餐』感想

          全然ファンじゃないけど~モグライダー評とM-1グランプリ2023

          M-1グランプリ2023について。 ここ数年は子どものご飯づくりやお風呂、寝かしつけと時間帯がぶつかるためリアルタイムでは毎年見れず、ネタバレを踏まないように注意しながら携帯も触らず過ごし、録画をその日のうちに深夜までかけて見るというのが恒例でした。 ただ、今年は「令和ロマン優勝」の通知を一瞬見てしまって、あー台無しだ、知っている状態で見ることになってしまった。。。と失意の中で見始めたらネタ順のトップが令和ロマンで驚愕! え、ここから優勝するの?というまた別の面白い見方が出来

          全然ファンじゃないけど~モグライダー評とM-1グランプリ2023

          映画『ゴジラ-1.0』と集団浅慮について

          『ゴジラ-1.0』いや、最高に面白かったんですよ。VFXなんかものすごくて、エンドクレジットで白組の文字が浮かび上がってきたときは脳内スタンディングオベーション。よくぞここまでのものを作ってくれたと。 すべてセリフで説明しすぎという批判をしている人も多いけど、個人的にはこの映画とこの時代背景の中にあっては自然なバランスだったのではないかとおもう。 雨に降られて家に帰ってきた敷島の「ちくしょう、ずぶ濡れだ!」とか普通なら噴飯ものの台詞というか、言わんでもわかっとるわいとみんな

          映画『ゴジラ-1.0』と集団浅慮について

          オフラインへ舵を切れ〜映画『終わらない週末』感想

          最近突如Netflixからレコメンドされた本作。 年末だしなんとなく『さらば!2020年(原題:Death to 2020)』みたいなコメディテイストの企画モノかしら~なんて思いつつ、何でこんな超豪華キャスティングなのか、サム・エスメイル監督って誰なのか(不勉強ながら知らず)、前情報一切なしで観たらまぁぶっ飛びましたね。面白かった! ネタバレ(spoiler)あり感想です。 ◆「ご存知の通り今年は最悪だったでしょ」なんてセリフで始まる映画最高すぎない? ◆奇行に近い謎の行動

          オフラインへ舵を切れ〜映画『終わらない週末』感想

          ドラマ『いちばんすきな花』のゆくえ&赤田と『カルテット』の別府&九條さんについて

          ※特に深い分析や考察はなくただ個人が思い巡らせたことを綴っただけの文章ですという前置き。 脚本が『silent』の生方美久、4人の俳優が主演を務める“クアトロ主演”でも話題のドラマ『いちばんすきな花』。 その第1話がこれ以上面白い回が以降出てくるだろうか逆に心配になるほど素晴らしく、主題歌の藤井風「花」も悶絶するほど出色の出来(歌い出しが大切なドラマ主題歌において「枯れていく」という歌詞で始まる曲がかつてあったであろうか)で、とりあえず今クールはこのドラマに付き合おうと思

          ドラマ『いちばんすきな花』のゆくえ&赤田と『カルテット』の別府&九條さんについて

          人生という空虚について~映画『ノクターナル・アニマルズ』感想

          2016年公開トム・フォード監督長編第2作。 ◆我が目を疑う衝撃の映像でオープニング。つかみバッチリ! ◆エイミー・アダムス演じる女性はアートキュレーターなのかな?結構ハイエンドな暮らし。トム・フォードの美意識さくれつ ◆小説の中のドラマにシーンが移るのだが、内容が怖すぎて直視できない ◆いわゆるあおり運転をしてくる若者に絡まれるという、自分の身にも降りかかる可能性がある地獄 ◆こういうのが一番いやだよ ◆娘がいる親という立場になると余計刺さる ◆自分が彼だったらどういう立

          人生という空虚について~映画『ノクターナル・アニマルズ』感想

          映画『シン・ちむどんどん』感想

          どうせ観るなら監督出演のプチ鹿島、ダースレイダーの舞台挨拶付きの回に行きたくてスケジュールを調整したかったのだが叶わず、期間ギリギリで配信で観ました。 沖縄の基地問題と言えば今年WOWOWで観た『フェンス』も素晴らしかった。本筋は米兵による日本人女性への性加害の方を描くドラマになっていたけど、辺野古の埋め立てについてのエピソードも本質的な部分に抉り込んでいた。地盤のこと。死んでいく珊瑚のこと。普天間の移転は事実上もうできないこと。工事が長引けば長引くほど儲かる人がいること。

          映画『シン・ちむどんどん』感想

          火曜版『午前0時の森』不安しかないリニューアル、闘う若林

          毎週月曜と火曜の深夜に日テレで放送されている『午前0時の森』。月曜は劇団ひとりと村上信五、火曜はオードリー若林正恭と水卜麻美がMCを務め、月曜と火曜ではまったく異なるテイストで特に交流することもないという割と特殊な形の番組。 今回、その火曜放送版が”おかえり、こっち側の集い”というテーマのもとに先月大幅にリニューアルされた。概要は下記。 この報を受けてTwitterでも賛否両論、というか、否が圧倒的に多かった。ソーシャルメディアというのはそういう声が強く響く場所なので仕方な

          火曜版『午前0時の森』不安しかないリニューアル、闘う若林

          ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第6話感想

          全話鑑賞後すぐに感想をアップしようと思ってたんだけど、2話目からさっそく挫折。それどころか録画も溜め込む始末で、観る方さえ最新に追いつかなくなってしまった。というわけで今さら6話のレビュー。自分の意志の弱さにあきれるばかり。 ◆メディアのインタビューで話した内容が家族=悲劇とまとめられてしまったことで、ひどく落ち込む七実 ◆とにかく思い込みが激しい ◆感受性が豊かなのはいいことだけど、ここまでくると知覚過敏だな ◆そんな姉をジェットコースターに連れて行こうとする弟・草太 ◆

          ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第6話感想