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台湾へ、自殺寸前だった女の一人旅⑩6日目_高雄・台南

こんにちは。
自殺寸前だった私が、台湾へ一人旅し得たものを書きます。始めての方は序章を参照ください。
今回は、6日目。台南にもう一泊していますが、高雄へ日帰り。

行った場所:
台南⇔高雄→美麗島駅→旗津島
食べたもの:
豆乳朝ごはん・かき氷・ネギ餅
体験:
フェリーで旗津島に渡り灼熱の太陽を浴びながら自転車で巡る、美麗島駅でぼんやり、合成帆布行で爆買い

ケチったせいで換気の悪い部屋で目を覚まします、喉がいたい、やばい。やってしまった。

今日はなにしよう。今回の旅は、思い出を辿る旅、かっこいい表現になって恐縮ですが、「記憶のかけらを探しに」行きます。
この旅に出たときの状態、DVに合い、鬱になり、動けず歩けず起き上がれませんでした。私が散乱したような。喪失感という美しいものではなく、単純に私がない。感覚もなければ、意志力もない。DVでのショック体験だと支援機関に言われていますが、もしかしたら、私はその前から、私をすり減らすことで人と関わる癖があったのかと気づいてきています。そして、また、その癖に気づいたとたん、癖を無くそうと自分に否定しましたが、癖は癖なのでなかなか治りません。否定すればするほど、私は立てなくなっていったし、声も出なくなっていった。
今回の旅では、過去、必死で旅したピースを拾い集めて、確かに私はいたんだ、という気づきを得たい、気持ちで旅に出ました。

台南から普通電車で30分ほどで高雄に着きます。高雄は、昔よりすいぶん駅がきれいになっていました。

Tpass推しの高雄駅


高雄駅から、「美麗島駅」にはMRTで1駅ほど、私はいつも歩いていっていたので今回もまっすぐの道路を北へ下ります。
「美麗島駅」は世界一美しい駅として、一面の壁の絵が有名です。私はよくここで、家族と待ち合わせたり、別れたりしました。私が先に台湾を旅行していて、追ってあとから家族が来るパターンや、その逆。
過去、私は台北に戻る、家族はそのまま旅を続ける、で美麗島駅で別れた際、心配そうに見ていた現地の方が、別れた後の私の親を励ましてくれたそうです(親は、やっと一人旅を始めることができてせいせいしてたらしいが)

美麗島駅


美しい駅だと思っていたけれど、そんな思い出や、今の心境、日本を飛び出してここまで一人で来てしまった、そんなことを加味するともっともっと美しく感じます(よーく見ると、宇宙人みたいなものがいたり、けっこう得体のしれないモチーフ多いのですが)ただ、ずっとセンチメンタルに浸っているわけにはいかないし、できることと言えば、どうにかして自撮りをうまくいかせるかだけです。
センチメンタリズムに別れを告げて、向かったのは、フェリー乗り場です。
MRTで最寄りの駅の「鼓山輪渡站」まで行ってそこから歩いて10分もかからないところにフェリー乗り場があります。高雄駅からバスも頻繁に出ています。
フェリー乗り場へ向かう道はちょっとした飲食街になっていて、そこで有名なのが、かき氷!。私の知ってる最安値の爆盛りかき氷。なんとこれで65元。マンゴーの季節でなかったけれど、フローズンで提供してるとのこと。ここも、親と来たなぁ、など思いながら、ひとりで平らげます。

かき氷屋さん
綜合かき氷65元!


一人旅って気楽で見る景色が全て自分の思い出のポケットに入るから楽しい反面、食べ物半分食べてくれる人がいないことに、過去、親ありがたかったなぁと思います。あと、竹輪も有名
ここを知ったのは、父親と高雄旅をしていたとき、自転車を借りて、ふらふらめぐっていたら、偶然フェリー乗り場を見つけて、乗ったら島についてしまい、帰りの電車にギリギリすぎて、高雄駅を全速力で走るまでがセットで懐かしい場所です。

フェリー乗り場も新しくなっていてeasycardで乗れるようになっていました。あれ、もしかしたら私がここに来るのは3回目かも。書いていて思い出しました。
はじめて一人で高雄に来た時も、ホステルの自転車を借りたのかな、覚えていないけれど、フェリーまでやってきて、乗り場のスタッフの言っていることが一切分からず、???の顔をしていたら、タダでのせてくれました。そのころは、まだカードも使えず、コイン清算。フェリーに乗ったら、島についてしまい、ビビッて、すぐに引き返したのでした。それほど、南の島である台湾の少し前の夜というのは、暗くて独特の雰囲気のある冬だったのです。

でも、今回はあったかい27度の真昼間!フェリーに乗り込み早歩きで椅子をゲット。どんどん図太くなっていきます。5分ほどで対岸の島につきます。


フェリー
船から見た高雄

「旗津島」
この島は食べ物は海産物や、スポットとしては灯台が有名。観光客の人々は、グループになって電動カートや、二人乗りの電動サイクルをきゃっきゃと楽しそうに乗っています。
が、私は独りなので、トマト屋さんの片隅の自転車を借りていざ出発。

足の生えてる神様も散歩中


海沿いを走って戻ってくるのがいいらしい。
今回、初めての自転車旅です!
ペダルをこぎだすのと同時に体が一気に楽になります!
やっと海を見た!ヤシの実も植わっていたり、ハワイ?!と見間違うほどの作られたリゾート感!テンションが上がっているので、ハワイ?!ここはハワイなの?みたいな高揚感に陥ります。

貝!のオブジェ
舗装されてて走りやすい


直射日光が、ガチで降り注ぎます。
訳あってあまり日に焼けてはいけない(内緒の旅なので、こんな冬に日に焼けられない)ので、フードをかぶり、必需品の手ぬぐいを口まで巻きます。もう恰好なんて気にしてられない。
海沿いのサイクリングロードの快適さ!そして陽射し!
ところどころに、映えスポットも点在しています。
道が長く、途中で、引き返して、今度は灯台へ向かいます。
めんどくさがらずに、自転車借りてよかった。

高雄の六合夜市も通りかかりましたが、夕方のため、まだお店は空いておりませんでした。お粥屋さんや、パパイヤ牛乳が有名。
台南の町へ戻ります。

待合室にて、コンビニお握り


台南に戻ると、高雄から戻ってきた分余計、古都だと思い知ります。道は暗いし、曲がりくねっているし、お廟だらけ。すぐホテルに戻るのもなんだけど、林百貨や孔子廟に行く体力もなく、とにかくいつもの道を歩きます。
駅からまっすぐ伸びた、三越の前などを通ると、また円環にでます。その近くにあるのが、
「合成帆布行」
台南は、帆布の鞄が有名で2・3件有名なお店があります。中でも、良心的な価格だと私が勝手に思っていて、大ファンなのが、このお店。外観やお店の成り立ちはどこか詳しサイトがあるのでそこへ。
ここのバッグが大好きすぎて、お店のファミリーへお土産を持って遊びに行ったこともあります。おばあちゃんが日本語がお達者で、元気かな、とあとで聞いたらお元気だけどもうお店には出てないとのこと。
風景は変わらず、おばさんがおひとりでバッグを作っていました。たしか、お父さんもいたはず。

使い易い!


ザ台南人と思われるお客さんも交えて交流し、つたない中国語と、お客さんの創造力で、「私の家族はこのバッグが大好きです、父は毎日使っています」と一生懸命話して伝えます。なぜか、お客さんとみんなで盛り上がり、嬉しい気持ちに。この度、初めてのお土産として布バッグを爆買いします。やっぱり、ショッピングって楽しい。しっかりした紙袋にもらい、私にとってそれがブランドのショッピングバッグに思えるぐらいうれしくて、ルンルン、スキップしながら道の悪い台南の町を散歩しました。

一日一豆花
夜のお廟


夜の赤崁楼に挨拶して、ホテルに戻ります。

台南は本当に好きな町で、他にもたくさん思い出があるので、そこも回りたかったけれど(新農街や、紅茶屋さんなど)なぜか、そこまで思い出に浸らなくてもいいかな、と満足した台南滞在でした。いや、だが、しかし日本に帰ってきたらまた行きたくなってきた。あの空気の悪さをどうにかしてほしい。

未練がましく、昔の台南の思い出をもうひとつ
有名な、「双全紅茶」という紅茶屋さんがあります。紅茶オンリーで勝負している老舗店。そこのおじいちゃんが、日本語教育を受けた世代で、お年のためもう引退したんだけど、暇だから毎日店に来ている。お会いしたとき、あまりに美しい日本語で「このあたりは昔海でした」などとお話してくださって、それをお店の方やお客さんが、ああまたか、みたいな優しいまなざしで見ていて、良い旅の出会いをさせていただきました。日常言語として使っている私より、ちゃんと文法で教育を受けている日本語ってこんなに綺麗で、それをまだ使ってくださっていることに感動。

また、初めての台南旅行のとき、安平に歩いて行けると勘違いしていたので(バスで30分はかかる)紅茶屋さんの向かいの雑貨屋さんに、安平はどこですか?と初心者丸出しの質問をしたら、「紅茶は好きか?」と唐突に聞かれ、「は?はい」と答えたら、「ちょっと待っていろ」と言われ、なにが起こるんだ、とドキドキしていたら、紅茶を買ってきてくれて、しかも、バイクを出して安平まで送ってくれました。あれが、人生はじめての2ケツ。
安平まで連れていってくれて、お礼を言おうと振り返ると、もうバイクは遠くの方へ走り去っていました。

他にも思い出がたくさんつまった台南。台南の夜は、いつも静かでしっとりしています。明かりも暗く、お廟の明かりが穏やかに(実際はギンギラだが)町に灯っている町です。

明日から、台湾の東側を廻る旅になります。
東部は、台湾の人にも、ローカル、原住民、旅行の場所として好かれていて、漫々(のんびーり)した風景が、西部とは全く違います。
東側は、父と旅行した思い出の町がたくさんあります。
今では年老いた父と行っておいてよかった。


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