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🍀親子をつなげる言葉


海外で子育てしている親御さんの悩みは
やはり言葉が大きいと思います。

国際結婚してどちらかの国に住んでいる場合も
住んでいる国の言葉が優位になるのが自然です。

なぜなら、生きていくために必要だから

かたや、住んでいる国で必要でない親の言葉は
子どものころは家庭で使っていても
学校や社会に出るにつれて
だんだん薄れていくことが多いです。

私は南米で日系人の日本語教育に関わったときに
継承語は、何もしなければ
やがて消えていく運命にあることを
痛切に感じました。

そして、それはもはや継承語ではなく外国語となります。


継承語とは「子どもが家庭で親から学ぶ言語であるが、
居住国では主要でない言語」のこと。

『親子を繋げる日本語学習』より抜粋


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マイコさんは国際結婚をして
オーストラリアに住んでいらっしゃいます。
ご主人もマイコさんも母国は違います。

(私見ですが
国際結婚で第三国で生活するというケースは
対等な夫婦関係を築きやすいのではないか
と思っています)

親子をつなげる言葉として
お父さんやお母さんの言葉を知るのは
とても大事なことです。

親子だけでなく
親戚とのコミュニケーションにも必要です。
おじいさんやおばあさんが
孫と会話できなかったら寂しいですよね。

でも、一番大切な事はなにか

それをマイコさんは早くから感じ取っていて
とても聡明な方だと思いました。


ーーー親子の濃密な関係作りこそが一番大切

確かに、これなくしては本末転倒ですし
夫婦間の関係が良好であることも
すごく影響しますね。



そして、お子さんへの日本語習得に関して
このように考えていました。

ーーー日本語を教えるのではなく好きにさせること

確かに、強制的に無理に教えようとすると
できなかったときにネガティブな気持ちになってしまって
嫌いになってしまいます。

子どもは楽しくないと学べません

そして、子どものやる気をそがないような
態度や声かけにも気をつけていたそうです。

マイコさんは日本語教師ですが
日本語教師なら誰でも
継承語教育がうまくいくとも言えません。
むしろ、なまじ専門知識があると教え込みたくなって
かえって逆効果になる可能性もあります。


マイコさんは
楽しく日本語に触れられるように
お子さんの興味関心に沿って
漫画やアニメ、ゲームなど
日本語で一緒に楽しむように心がけたそうです。


そして、何よりも
家族のきずなを一番大切にしていらっしゃることが
すばらしいと思いました。


継承語教育の意義は「子どもをバイリンガルにすること」ではなく
親子が深くつながる」こと。

『親子を繋げる日本語学習』より抜粋



海外でお子さんの継承語教育に悩んでいる方は必読です。

海外子育ての苦労を知っているマイコさんが
優しく語りかけてくれます。


それに、今は親の言語に関心がないお子さんも
成長してから、あらためて学び直す人もいます。

あきらめるのではなく
お子さんを信じるだけでいいのではないかと思います。



🍀『親子を繋げる日本語学習』
ー海外で子育て中の日本語教師が伝える
親子がハッピーになれる継承語教育の秘訣ー
国枝麻衣子・著


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継承語教育に関わっていない人にとっても
言葉を習得するプロセスに関して
学びや気づきがたくさんあります。✨


そして、それは
日本で子育てをしている
外国ルーツの親御さんの母語の継承についての
お悩みにも繋がります。
(その話はまたいつか)





🌈special thanks to ふうちゃん
(表紙イラスト・クリエイター)

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