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法律とカネの世界へ、ご招待。

 今回、「ナニワ金融道」というマンガを紹介します。「ナニワ金融道」は青木雄二さんの作品で、今から20~30年ほど前に出版されています。

 どんなマンガなのでしょうか。あらすじとしては、消費者金融会社(通称マチ金)の「帝国金融」で主人公の灰原達之が金融業という仕事と通じて社会のダークな部分を知っていく、といったものです。

 なぜこれをオススメするのか。それは、いわゆる知っておいて損はない法律知識が事例を通じて知ることができるからです。このマンガには、連帯保証や抵当権はもちろん、マルチ商法や先物取引、地上げ屋、原野商法、ヤミ金など人生において関わりたくない、けれどしっかり理解しているかといえばそうでないことがたくさん出てきます。

 そして、何より展開がリアルであることもオススメする理由の1つです。最近のテレビ番組だと予想だにしない多額の借金を背負ってしまった。しかし、弁護士先生のおかげで借金がチャラになったみたいなハッピーエンドのものが多いです。

 しかし、ナニワ金融道は違います。ハッピーエンドで終わることはありません。たいていは夜逃げ等することになります。最近は性善説のドラマばかりでここまで現実を見せつけてくるものはありません。その点、リアルさにおいてナニワ金融道は他の追随を許しません。

 もちろん、だいぶ前に出版されたものですから、法改正によって細かい内容は今現在と異なることもあるかと思います。しかしながら、だいぶ前に出版されたという割には現在にも通じている内容がとても多いです。これは、青木雄二さんが1つ1つの法律の詳細ではなく、法律の土台的要素(リーガルマインド)を捉えて話を展開しているからなのでしょう。

 ここで、法律に詳しくなければきっと面白くないだろうと感じられた方もいるかもしれません。ですが、そんなことはありません。あくまでマンガとしての面白さあっての法律的要素であって、法律的要素優先という感じはいたしません。決して俗にいう学習マンガではないのです。事実、マンガとして面白くなければ累計発行部数1600万という数字は達成できないでしょうから。

 ナニワ金融道は多くのマンガアプリで配信されており、かなり先まで無料で読むことができます。タダで読めるのですから、ぜひ一度ご覧になってください。

 法学部生、いや誰もが読むべき一冊です。

参考:ナニワ金融道 - Wikipedia

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