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法学部が「卒業後何も残らない」学部と言われることに対する法学部生の意見

 インターネット上で法学部について調べていると、ときどき「法学部は何となく学生生活を過ごしていると卒業後に何も残らず、貴重な大学4年間が無駄になるからやめておけ」といった意見を見かけます。

 まだ学部3年生の私が言うのも変ですが、(私を含め)多くの法学部生が試験直前に知識を詰め込み、試験が終わるとその内容を全て忘れてしまっているというのを繰り返し見ると、確かに「何も残らない」という意見それ自体はあながち間違っていないと思います。

 しかし、そもそも、大学での学問を一定程度修めた学生しか大学を卒業できないはずですから、何も修得していないのに卒業できるというのは単にラッキーなだけで、本来ならば卒業できない程度にしか学習内容が身に付いていないことを法学部の責に帰するのはお門違いではないかと感じます。

 また、よほど成績が良かった科目を除けば、多くの方は高校時代に勉強した科目の内容について忘れてしまっているでしょう。それゆえ、何も法学部が特別なわけではなく、それなりに本腰を入れて勉強していないことが身にならないというのは全学部に共通する話だと思います。

 むしろ、法律という実学を学ぶ法学部は、少なくとも文系学部の中ではトップクラスに卒業後に役立つことについて学ぶことができる学部のはずです。そう考えると、普通に勉強していれば、社会に出て法学部で勉強したことが一切役立たないということは中々ないと思います。

 ただ、やはり法律学は他の学問に比べると初学者がとっつきにくく、難解だと言われます。事実、誰もが容易に法律学を理解できるのならば、司法試験が日本で最も難しい資格試験の1つと称されることはないでしょうから。 

 それゆえ、4年間頑張って勉強したのに法律をしっかりと理解することができずに卒業を迎える可能性がゼロとは言い切れません。
 ただ、去年卒業していった先輩方の話を聞いていると、法曹志望の人と同じぐらいに勉強していなくとも、最低限やるべきことをしっかりやっていれば、法律に関する基礎知識や法律学習を通じて養った「リーガルマインド」(≒物事を論理的に考える力)は身に付くそうです。

 したがって、「何も残らない」可能性があるということを極度に恐れて法学部を敬遠する必要は全くないのではないでしょうか。


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