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大学生の視点。今の若者の結婚観

 最近、ようやく国が少子化対策に本腰を入れ始めた気がするが、少子化を改善するには紛れもなく若者たちに結婚してもらう必要がある。
 しかしながら、現在の日本は男性の4分の1、女性の5分の1が生涯結婚しないとされ、さらに、ニュースでは今の若者は結婚に関心がないとするものばかり流れている。こんな状況を鑑みると、結婚は強制すべきものでない以上、中々若者が結婚せず、結果、少子化に歯止めがかかることはないと思えるが実態はどうなのだろうか。

 まず、あくまで私の周りの人の話であって、決して客観的な統計に基づくものではないのだが、若者(=大学生)が決して結婚に関心がないわけではないと感じる。実際、「俺は独身貴族がいい」と公言しているような人は周りに見当たらない。

 しかしながら、問題はその相手がいないことだ。少し前に、20代男性の交際未経験者が全体の4割というセンセーショナルなニュースが報道されたが、個人的にはすごくリアルな数字だと思う。
 今の時代、色々なことがすぐにハラスメント認定される傾向にある。そのため、自分に自信がない男性は下手に女性にアプローチすると、相手に不快に思われ、周りからもハラスメントをする奴だと誤解されるのを恐れるばかり、アプローチをするにも二の足を踏む。

 また、今の若者の間には失敗を可能な限り避けようとするゼロリスク主義が浸透している。例えば、自身の学力よりランクを落としてでも指定校推薦を利用されていることや大学入学後、「学生生活で失敗しないために~~」(成功するためにではない)と書かれたビラが配られているところにゼロリスク主義が見て取れる。

 そして、ゼロリスク主義者が増えているのだから、誰もその人と交際できる可能性が10%や20%の場合に挑戦しない。結果、極端な例ではあるが、交際できる人数は0人(告白挑戦者)×10~20%=0人となる。

 これらは若者に対してネガティブな印象を抱かせかねない要素であったが、同時に私個人としては今の若者をポジティブに捉えることができる要素もある。それは、割と多くの友達が言う「気に入った人とだったら結婚したい」という言葉だ。

 確かに、このように発言すると、贅沢だと言われるかもしれない。
 しかしながら、周りを見ていて、今の若者は真面目な人が多く、同様に、結婚を真剣なものとして捉えている人が多い印象をもつ。例えば、結婚したら奥さんに家計の心配をさせることなく生活できるよう稼げるようにならないといけないとか、子育てや家事も奥さんに放り投げるのはおかしいとか。

 このように一度結婚したならば、パートナーを大切にしなければいけないという意識がある以上、自分が大切にできるだけの人でないとそれを貫徹する自信がない、という気持ちが「気に入った人とだったら結婚したい」という言葉に表れていると思うのだ。
 もっと言えば、逆に「誰でも良いから結婚したい」と思っている方がヤバいだろう。

 したがって、表題(若者の結婚観)の解を私なりに出すならば、結婚は真剣に考えるべきものであり、それゆえ大切にできる自信がある人となら結婚したいというものになる。
 そして、少子化対策として若者の結婚件数を増やしたいのなら、物事に慎重に臨む傾向にある若者たちに対し、出会いの場を国側が積極的に提供していくことが求められるだろう。

※こちらは半年前に執筆した記事です。
(今週は「女冥利判決」について書くつもりでしたが、間に合わなかったため、ストック記事を投稿いたしました。)

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