読書感想 - 西尾 泰和 『エンジニアの知的生産術』
選んだ背景
昨年の上半期に「毎日技術記事を読んで、読んで感じたことを文章に書き起こす」ということをやっていたことがあるのですが、「読む」ことはできても「きちんと理解すること」「知った情報を関連付けること」ができていないな…と思うことが沢山あり、それを脱却したかったのでこの本を選びました(3ヶ月くらい積読してたけど)
第1章: 新しいことを学ぶには
本書では、学習は「情報収集」「モデル化」「検証」の3要素を繰り返すことで成り立っていると書かれています。
私は「情報収集」はある程度できると思っているのですが、「モデル化」と「検証」の部分から逃げています…。特に「技術記事で疑問に思ったことを深掘りしきれていなかった」ので、読んで終わり!になってしまっていたなと自省しました。
知識が積み上げられているか確認する方法として「自分の言葉で説明できるか」「自分の経験にも続いた具体例を挙げることができるか」「自分の目的を達成するためにその知識を使えるか」ということが書かれています。
私は技術的なことを言語化することから逃げ続けている自覚があって、自分の言葉で説明するのは苦手なので、ちゃんとそこに向き合っていかないとな、とも強く思いました。
第2章:やる気を出すには
やる気が出ない要因として「別に今日やらなくていいタスクも積んでいる」「大きすぎる粒度でタスクを切っている」ため、腰が重くなっているのではないか?ということが言われていました。身に覚えがありすぎた!!!
また、「優先順位をつけるのは難しい」ということにも触れられており、以前から優先順位をつけるのが苦手だったので少し救われた気持ちになりました。
第3章:記憶を鍛えるには
ある程度期間を空けつつ、反復することで人は記憶していく。記憶後にテストなどを実施し「覚えていなかった」という事実と向き合っていくことが大事だと書かれていました。
しっかり読んだんですが、この章はあまり全体的な記憶が残っていません。かなり断片的な状態なので、この章はあまり深堀りしないでおきます。
記憶についての章なのに記憶がないとはこれ如何に…。
第4章:効率的に読むには
章前半で「早い読み方」、後半で「遅い読み方」について紹介されています。私は本を読むのは基本早い方なのですが、その分「じっくり読む」ということが苦手だったのでかなり有用でした。
本書では「読書ノート」にまとめながら読む方法も紹介されていました。これはいろいろなところでも応用できるな~と思っています。
よく考えたら当たり前のようなことでも、意外と実践はできていないものです。外部情報として得ることで基本を再確認し、言葉がグサグサ刺さりました…。
第5章:考えをまとめるには
考えをまとめる方法として「KJ法 」が紹介されており、そこから情報の分類等に話を広げていく構成です。本書は目安として100枚程度の付箋を用意するのがよい、と書いてありました。
FE経由でKJ法は知っていたのですが、実践する機会などがなく、使用する付箋の多さに驚きました。第一章のところで、「情報収集はまだできる方」って書いたんですが、前言撤回します…。
第6章:アイデアを思い付くには
アイデアを思いつくために「耕す」「芽生える」「育てる」という3つの順序について書かれています。最初から完璧なアイデアなどは存在せず、沢山出してブラッシュアップしていくことの重要性について触れられていました。
また「まだ言語化されていないものを言語化する」ために、辞書との照合などをしながら、自分の違和感にしっかり耳を傾けること、絵として表現することなどのアプローチを取ることがおススメされています。
私は絵だと物事が理解しやすいタイプなので、これからはコミュニケーションの1つとして「言葉を図示する」ことも選択肢に加えていきます!
第7章:何を学ぶかを決めるには
最後は「学びたいものがない人はどうするべきか?」という話で締められています。今私はまさにこれで「情報過多な中で、やるべきことを決められない」という状況に置かれています(本当に贅沢な悩みですが)。
また、少し話が変わるのですが、以下の文章を読んだ時にやっと「自動化することの重要性」が分かりました。今までは「自動化の準備をする方が大変そう。私はちまちました作業でストレスが溜まるタイプじゃないし、このままでいいや」と思っていたんですよ…。
働く上でどのような考えを持てばよいか・どう動いていくべきかなどにも触れられており、個人的には本書の中で一番有益な章でした。定期的に読み返します!
まとめ
「効率的な学び方・考え方」について広く浅く、複数の方法論がまとめられている本でした。多くの書籍から考え方を引っ張ってきていますが、引用などが多くあり、事前知識が無くてもスルスル読み進めていくことができました。
たくさんの方法が紹介されていたからこそ、本書に書いてあることを頭ごなしに実践するのではなく、自分のスタイルに合った方法に改変していきながら習慣にしていきたいです。
技術書の所感書くの難しすぎる、これからも精進します…。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?