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カバン置いたら高架下な

 今日3月12日は駄菓子の日なのだそうだ。
 
 古事記や日本書紀にお菓子の神様として登場する田道間守の命日とされる事から記念日に制定されているそうである。

 全国で学校や施設への駄菓子の配布やお菓子のつかみ取りなどのイベントが行われるらしい。

 子どもの頃は家の近所に三軒駄菓子屋があった。

 一番家から近いのは魚屋さんの向かい側にあるお店だったがお菓子以外にも野菜やちょっとした日用品も扱っている万屋のようなお店だった。

 その分駄菓子の品ぞろえはいまいちであまり人気は無かった。
 
 もう一軒は学校からの帰り道にあるお店でお爺さんが店番をしていた。 

 品ぞろえはそれなりに良かったのだがお爺さんが何だかいつも不機嫌で誰かが万引きしないかを常に見張っていて感じはあまり良くなかった。

 最後の一軒は線路の高架下に会ったお店でここはいつも笑顔のおばちゃんが接客しており誰からも好かれていた。

 当時私の一日のお小遣いは五十円だったのでそんなに高いものは買えない。

 友達と放課後の掃除の時間にどうする今日はどこのお店に行くと相談する。

 大抵は高架下のおばちゃんのお店に行く事が多かった。

 このお店は店頭にゲームを設置しておりゲームっ子だった我々を魅了してきたがワンプレイ五十円だったので高根の花だった。

 お店に入って何を買うかと言えばきな粉棒である。

 きな粉を蜜で固め棒に差してある駄菓子で一本十円だった。

 棒の先に赤い印がついていたら当たりでもう一本貰えた。

 これが一本十円だった。

 次に選ぶのは粉ジュースの素でこれはジュースが粉末になっているもので水で溶いて飲むものだった。
 
 確か一袋三十円だった。

 残りの十円は使わないで取っておいて翌日以降のお菓子予算に充てる事もあった。

 おばちゃんはいつもニコニコして私たちのくだらない学校の話などを愉快そうに聞いていた。

 そういえば膝が悪かったのかいつも片足を引きずっていた。

 駄菓子屋で時間を潰すと公園に行ってサッカーやケイドロなんかで帰宅を促す五時のサイレンが鳴るまで遊び倒したものである。

 そんな平和な日常だったがある日から駄菓子屋が戦場になった。

 それはビックリマンチョコの発売である。

 ウエハースに挟まれたピーナッツ入りのチョコレート菓子のおまけのシールに全国の小学生男子が瞬く間にイチコロになった。

 とにかくブームの過熱ぶりは異常なものでカードをコンプリートしようと夢中になったものである。

 町の三軒の駄菓子屋でも当然ビックリマンチョコを取り扱い始めた。

 あまりの過熱ぶりに箱買いをするお金持ちの子もいて学校でも大問題になった。

 そしてお店によって当たりであるヘッドの数が違うという噂がまことしやかに流れていった。

 一番当たると言われたのはお爺さんのお店でここで買ってヘッドが出たという証言も出てきた。

 なので買いに行くとお爺さんはビックリマンは一人に一個しか売らんと強気の商売を始めた。

 子ども心にケチと大ブーイングだったが私のお小遣いは一日五十円なので一個三十円のビックリマンチョコはどっちにしても一個しか買えなかった。
 
 たまに魚屋の向いや高架下でも買ったものだが滅多に当たりは出なかった。

 そうなるとお爺さんの駄菓子屋には毎日長蛇の列が並ぶことになった。

 お爺さんは相変わらずむっつりしていたが少しだけ愛想が良くなっていたのがおかしかった。

 結局ビックリマンブームが去る頃に私は小学校を卒業したので駄菓子屋からも足が自然に遠のいていった。

 それから区画整理や不景気で一軒、また一軒と駄菓子屋は数を減らしていった。
 
 最後に残っていた高架下のお店も私が高校生の頃にひっそりとお店を畳んでしまった。

 こうしてこの町に駄菓子屋は一軒も無くなってしまった。

 子どもの頃にあんなにお世話になったお店たちが今はもうないというのは正直寂しい。
 
 最近はコンビニやスーパーでも駄菓子を売っているが土間の少しホコリ臭くて薄暗いお店で洗ってもいない汚い手でお菓子をいじくりまわしていた時代が懐かしい。

 今日はマルカワのフーセンガムでも買って帰ろうかと思う。

 駄菓子屋が子どもの社交場だった時代がかってあったことを覚えておきたい。

 そんな事を考えながら昨日の晩御飯の話を少しだけ。
 
 昨日はスパゲティ。

 辛子明太子を腹から出しておく。

 玉ねぎを細切りに刻む

 キャベツをざく切りに。

 鍋にお湯を沸かして塩を入れてスパゲティを入れる。

 フライパンに火を点けて玉ねぎとキャベツを炒める。

 軽く塩コショウをして火を通しておく。

 その間委に副菜づくり。

 ピーマンを細切りににする。

 フライパンに少し油を敷いて炒める。

 そこにちりめんじゃこを大量に入れる。

 ちりめんじゃこが軽く焦げるまで炒めたら麺つゆを一回し。

 これでじゃこピーマンの出来上がり。
 
 ぬか漬けはキュウリ。

 スパゲティが茹で上がったらフライパンに移す。

 火を止めて明太子を入れてよく馴染ませたら明太子スパゲティの出来上がり。

 シンプルに昨日は三品で勝負。

 妻を呼んでいただきます。

 昨日は休肝日。

 まずはじゃこピーマンをモグリ。

 じゃこの塩気とピーマンの苦みがいい調和をしている。

 これはご飯にも合いそうだなと思いつつパクリパク。

 ぬか漬けをポリリと齧ってスパゲティを食べる。

 明太子の辛みと塩気で味付けは十分。

 刻み海苔があればよかったかなと思ったが十分いいお味。

 明太子好きの妻はニコニコしながら食べていた。

 お酒抜きの晩御飯なので三十分くらいでご馳走様。

 簡単に後片付けをしてお風呂に入って翌日に出すペットボトルのごみを纏めて玄関に出しておいて就寝。

 駄菓子、最近食べていないなぁ。

 ダイエット中なので間食は厳禁だがあんこ玉一個くらいなら…

 あ、でも売っているお店が無いんだよなぁ。

 これも昭和は遠くになりにけりか…。

 

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