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おじちゃん、今年もありがとう。

 昨日は三連休の最終日、朝から気温がグングンあがり家の温度計は十時前には三十二度を超えた。

 これはたまらんとエアコンをつけて涼んだ。

 設定温度は若干低めの二十六度。

 私の部屋のエアコンは旧式なので冷えが弱い。

 まだ暑くなる前にフィルターの掃除をしたら大量のホコリがついていてうへぇとなった。

 とりあえず出来る事はしたのだが今年の猛暑を乗り切ることが出来るかははなはだ不安である。

 まあ部屋で動かなければ快適なのでパソコンで簡単な作業をしながら午前中を過ごした。

 そのうちにお昼になったので軽く昼酒でも楽しもうかなウヒヒと思っていたらスマートフォンに着信があった。

 相手は母からで鰻をもらったから今晩おすそ分けしますという嬉しい知らせだった。

 鰻は父の友達が毎年初夏になると川に獲りに行く天然ものである。

 これは晩御飯の楽しみが出来たなぁと思いながら小躍りした。

 それからしばらくしてまた電話に着信があった。

 今度はフリマサイトに出していた商品が売れたというこれまた地味に嬉しい連絡だった。

 出品したのは三か月くらい前で長い事売れなかったので宣伝文句を変えたり微妙に価格を下げたりとあれこれ手段を講じてようやく売れた。

 最初に設定した金額から五百円位安くしたので利益はほとんど無いが家に不要なものがあるよりは気分が良いので早速出品しに行った。

 いつも同じ運送会社の窓口に行くのだが昨日は混雑しておりかなり待った。

 端末の操作に不慣れなお婆さんがオロオロしていた。

 時間もあるし別に急いでいなかったのでごゆっくりどうぞという気持ちだったのだがお婆さんは明らかに焦っており、こちらを何度もチラチラと見てきた。

 手伝っても良かったのだが小包というは個人情報の塊なのでそれもなぁと思ってぼんやりしていた。

 そのうちにお婆さんがもういいです、帰りますと言って端末の操作を放棄しようとしたので受付のお姉さんが慌ててヘルプに入っていた。

 それでどうにかなったのだろう、少ししてお婆さんは清々しい顔をして私にペコリと頭を下げて帰っていった。
 
 まあ、色々な人がいるよなと思って端末を操作して荷物を送って帰宅。

 家に帰ってからは、ずっと気になっていた家の外周の草を引いた。

 もちろん頭にタオルを巻いて熱中症予防をした。

 大した広さではないので三十分足らずで終わったが汗は結構かいた。

 すぐにシャワーを浴びてそれから涼しい部屋で一休みをした。

 そんな感じで連休最終日を何となくバタバタと過ごした。

 七時ごろに母がまだほんのり温かい鰻を持ってきてくれたので満を持して晩御飯。

 昨日のお酒は何はともあれビール。

 プチンとプルタブを起こしてタッタカタンとグラスに注ぐ。

 ではと妻と乾杯してキュキュキュのキューと飲み干す。
  
 汗をかいたカラカラのカラダに染みわたる。
 
 思わず脳天がクラクラする位美味い。

 つまみは枝豆をプツンと食べる。
 
 塩加減が丁度良くてビールのお供としては大合格である。

 あっという間に一缶飲んで二本目を取りに冷蔵庫に行く。

 二本目をパシュッと開けてグビィ。

 ではいよいよ鰻を食べる。

 鰻丼スタイルで鰻は一人当たり一尾半ある大ボリューム。

 箸でつまむとムギュッとしたしっかりした手ごたえ。

 ハムリと噛むと脂は控えめである。

 その分歯応えと身の味の濃さは格別で香ばしい川魚の味である。

 母が言うには父が炭火で焼き上げたそうでタレも自分で作ったらしい。

 凝り性の父らしくタレの味もお店の感じに近くそれだけでご飯が進んだ。

 山椒もつけてくれていたので途中で振りかけるとシビッとした刺激と鰻の旨味が合わさって相乗効果でかなりいいお味になった。

 妻は無類の鰻好きなので私より色々な所でいい鰻を食べているが、その彼女がこれはいいわぁと言いながらモリモリ食べていたのが一つの答えだろう。

 あっと言う間に完食してご馳走様。

 天然の鰻の旬は十月から冬にかけてでその時期に脂がのる。

 なので七月の鰻はまだ脂はそれほどではなくシュッと締まった味である。

 とはいえお店でこのサイズの天然鰻を食べたらいくら取られるのか想像もつかない。

 父の人脈に感謝しつつ来年もおすそ分けを頂きたいなぁと早くも舌なめずりをしている。

 丑の日よりは少し早めの鰻の登場となったので7月30日は別の「う」のつく食べ物を食べる事で健康を促進したい。
 
 鰻パワーをチャージしたので夏を元気よく乗り切りたい。

 天然物は貴重なんだぞぉ。


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