金曜日の税理士

東京で開業している税理士。金曜日は誰よりも仕事をし、勉強し、読書をし、夜の街へ繰り出す。

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最近の記事

IPOのその先へ #IPO

月に数件、年に100件前後、新たに株式市場に仲間入りする会社がいる。 2023年の新規上場会社の承認情報は出そろっただろうか。 近年、自身もかなりの深度でIPOに携わったため、具体と抽象のギリギリを攻めて情報を提供していきたい。 IPOをゴールにしてはいけないのは当然のことである。しかし、単なる通過点だと割り切ってずっと走り続けられる経営者もどれほどいるだろうか。 実際、「上場した瞬間に社長が病んでしまった」とか「CFOが会社に来なくなってしまった」など、周りでも1件や2件

    • 説得力のある税理士でいたい

      事業を運営している法人・個人事業主をサポートする税理士が経営のことを知らなくてよいはずがない。 税理士は税金計算や事務を行えばよいと経営者側も税理士側も割り切っていれば別だが、そうでない場合が多いだろう。 しかし、知っていることと、身をもってわかっていることとはまた別である。税理士である以上、会社を立ち上げたらどのような事務手続きが必要かわかるし、帳簿のつけ方もわかるし、決算の締め方もわかる。 でもそれは経営ではない。 日々、お金をどこに投下するかの知恵を絞りながら、営業を行

      • 『少しだけ雲の上の人』の存在

        個人事業主は、自分で意思決定ができて気楽だ。 収入は保障されていないし、難しすぎることはひとりではできないけれど、組織にとらわれずマイペースに仕事を進められる人にとっては働きやすい形態である。 しかし、ひとりのデメリットだってもちろんある。 それは、自分を評価する人がいないために時には暴走してしまうかもしれないことだ。暴走といっても常識の範囲内の話である。お客様の存在があるため、お客様の評価を常に受けている状態と言っても良い。 自分はいい意味で暴走しながら、ときどき自身の方

        • Give&Takeは胸いっぱいのGiveから

          大人になってからの人付き合いはGive&Takeの精神でと思っている。 特に何の見返りも求めなくとも近づきあえる無垢な友情で繋がれている子供時代(何歳までを子供と定義するかは人によるかもしれない)と異なり、大人になってからはなにぶん損得での付き合い・仕事という共通目的を介した付き合いなど、好き嫌いとは別のところでの繋がりが多いからだ。 自分の信条として、必ず「Giveから」を心掛けている。 まず甘え下手・お願い下手な性格からして、そもそも人から何かをしてもらうことへの抵抗が

        IPOのその先へ #IPO

          ペーパーテストの功罪

          「暗記に走らないで理解中心の学習をすること」 という理想論は教育者なり実務家なり持っているだろう。 特に我々士業にとっての資格試験はスタート地点に立てるパスポートにすぎず、合格してもその先に待ち受ける実務上での課題の解決能力を養うことが求められる。 ペーパーテストは、同じ条件のもとで絶対的・相対的な理解度を問うことを主目的としているし、一定の採点基準のもとで決まった時期までに採点を終える必要があるため、このような前提のもとでは必ずしも理解力や実務力を問う問題ばかり作れないのだ

          ペーパーテストの功罪

          組織だからこそ得られるもの

          組織で誰かに合わせて生きていくことにマッチしないと思い、独立した。 独立とはすべての自由と責任を一人で負うことである。 これが肌に合う人もいれば、そうでない人もいるだろう。 自分は独立が向いていると思っていた。過去形ではなく今も思っているのだが、自分への甘えも少なからず出てくることにも気づいた。 人柄もよくコンサルティング会社を営んでいる同業の先輩がいる。先輩は、一人でも何でもできるであろう能力も経験も持っているが、「一人ではできることに限りがある。一人でできない世界を見

          組織だからこそ得られるもの

          他者とのかかわりは変化していくもの

          先日、同業の後輩から独り言のような連絡をいただいたのでやりとりの要旨を書き留めておきたい。後輩いわく、新しい仕事を始めたら世界観が変わり、今までの友人関係が急にむなしく思えたり、一方で遠ざけていた仲間たちが別の世界で頑張っていることを知って急にあせったり、ということであった。 自分のステージによって人付き合いは変わっていく。 世代・仕事の立場・プライベートの出来事によって、かかわる人は全く変わると思う。相手との関係が互いに価値を生むものでなければ、一緒の時間を過ごすことは難

          他者とのかかわりは変化していくもの

          ルールメイカーでもない限り

          事業とお金の悩みは表裏一体である。 思ったほど稼げなければ資金繰りを気にするし、思いのほか稼いでしまったら税金の負担を気にする。経営は利益を出すために行っているのに、利益が出ることも出せないことも悩みの種となる。 個人的には、法人で利益が出るような素晴らしい経営をしているならば、人件費としての還元以外には過度な節税などせず税金を納め、残りを剰余金としてためていけばよいと思っている。上場企業ではそうはいかないかもしれないが、閉じた企業では純資産が厚い分には不利な扱いを受けるこ

          ルールメイカーでもない限り

          「めんどくさい」という原動力

          転職・独立を経て、いろいろな個性の人と共に働いて感じた違和感のひとつに「面倒や遠回りを極端に嫌がる人」の存在があった。 もちろん口や態度に出して嫌がる人もいれば、そうでない人もいた。 確かに自分も面倒なことは極力避けたいが、仕事をしている以上、自分のコントロールの範囲外で多々面倒な事象は生まれる。それでも涼しい顔をしてやり遂げるのが仕事だと勝手に思っていた。 面倒を嫌がる人のタイプは2種類に大別される。 自分の(安全と思っている)領域を侵食されて、仕事や責任が増えることにた

          「めんどくさい」という原動力

          すべてのことに期限を設けよ

          もう多くの人にとっては記憶の彼方かもしれないが、2019年は元号が変わるタイミングで4-5月に10連休があった。 このときまで、公の休みとしてこれほど長く休みを与えてもらったことはなかった(と記憶している)ので、休みに入る前からウキウキしていた。 とはいえ、どこかに旅行するわけではなく、日々できないことをしてみたり、ゆったりしたり、人と会ったり、と「普段疎かにしがちなこと」をするには最適な期間だった。 そのため、事前に綿密な計画を立てた。 10日間は長いようで短い。短いよう

          すべてのことに期限を設けよ

          好きなことだけで生きていくことは可能か

          キラキラしたSNSが苦手だ。 例えば、「好きなことしかやらない!」「ワガママに生きる」「出会いに感謝」「誕生日メッセージありがとうございます、全て返信していきます」「毎日○○でフォロワー●●人達成!」 多かれ少なかれ、自己演出と承認欲求であふれている。 春先からの自粛要請やリモートワークの要請で、まず身を守るための行動が求められたことは間違いない。しかし、その期間はどうしても外に出て働かねばならない人によって救われていたことも事実だ。 「好きなことだけで生きる」が実現できる

          好きなことだけで生きていくことは可能か

          アップデートし続ける自分でありたい

          ひいきにしている都内のバーが、この情勢下でほとんど営業できていなかった。時短営業の間も顔を出すことはできなかった。マスターと個人的に連絡をとることはあったが、あたりさわりのない会話しかできないことでかえって自身の無力さを知ることとなった。 ようやく街も日常を取り戻そうとし、バーも平常通り営業を再開できるようになったころ、マスターから別の業態で新店舗をオープンするとの知らせを受けた。既存の店の持続だけでも大変であろうに、また別のお店を出す、ということに驚きを隠せなかった。新店

          アップデートし続ける自分でありたい

          理想の働く場所は自分でつくる

          期限内に成果さえ残せば、定時という時間に縛られず、事務所勤務でもリモートワークでも都合の良い方で働ける。 平日の日中でも夜でも、基本的にはプライベートの予定や体調を優先する。 専門書籍に限らず、事務所経費で本を買い放題。 テクニカルスキル及びソフトスキルの研修会を3か月に1度くらい行う。 意味のある作業・頭を使った手続きが浸透するよう、フィードバックは細かに行う。 顧客の商品やサービスがto C向けのものであればなるべく自分のお金で買ったり利用してみたりする。 顧客の姿勢

          理想の働く場所は自分でつくる

          人間の本質はそう簡単には変わらない

          仕事の進め方など、社会人になってから多くの諸先輩方の背中を見て自己流が育っていくものと思っていたが、そうではなかった。自分の在り方はとっくの昔から決まっているのだ。 例えば、夏休みの宿題をどうクリアしていたか。 この行動は大人になってからの仕事の進め方と通ずるところがある。 人間は変わらない。納期まで与えられた時間がたっぷりあれば、タスクを消化するまでの過程は幼少の頃のそれと同じになる方がほとんどではないだろうか。 逆に教えてほしい。期日が近づかないと全くやる気になれなか

          人間の本質はそう簡単には変わらない

          神は細部に宿る

          誤字脱字が気になる。 言葉の不正確な使用が気になる。 不親切な説明が気になる。 お客様に送るメールや説明文にはとにかくこだわっている。 わかりやすさと丁寧さを両立させながら。 一言一句気にしていたら日が暮れてしまわないか、と思われそうだが、まずは時間をかけてでも正確性を追求すべき、というのが士業の品質管理として重要と思っている。曖昧な定義づけや言葉足らずなばかりにやりとりが何ターンも行われる方が時間がかかる。 前職の会計事務所は所長がとにかく丁寧で完璧主義で顧客からの信

          神は細部に宿る

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