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受け入れの方法とスキル 第4段階  その4

 3時間目は「国語準備です」。これは、伊藤先生とみーちゃんの2人だけの時間です。
 今日は「並べて、言葉を作ろう」という勉強をします。そのあとのお楽しみは、みーちゃんが大好きな「昆虫カルタ」を選びました。

先生「みーちゃん見て。」

 伊藤先生は、五十音図を取り出しました。習ったところは、色が塗ってあります。そして、次に「ひらがな積木」をだしました。

ひらがな積木

先生「こレを見て、習ったひらがなだけ、この積木から出してください。で
  きるかな?先生も、手伝うね。」

 みーちゃんと伊藤先生の二人で、相談しながら積木を出しました。
  あいう かく さしすせ はひ なにの みむ らり
の18文字です。みーちゃんの興味がある文字から覚えたので、系統だってはいません。

先生「今日はね、これを組み合わせてみーちゃんの知っている言葉を作って
  みます(「覚えて」)。見ててね。1個作って見るから。」

 伊藤先生は、「は」と「な」を持ってきて「はな」を作りました。みーちゃんが、4月の1番最初に興味を持ったものです。伊藤先生が読もうとすると・・・。

みー「『はな』だ。」

先生「そうだね。花だね(「共感」)。先生が、読む前に言っちゃたね。本
  当は、先生が言ってからだよ(「覚えて」)。でも読めて、偉かったね
  (「共感」)。では、次は、これと同じように、みーちゃんが何か言葉
  を作ってください。」

 みーちゃんは、固まって動きません。

先生「あら、『できない』と困っているみたいだね(「想像」)。じゃ、ヒ
  ントね。みーちゃんの好きな虫が出きるよ。」

 伊藤先生は、そう言いながら「せ」の積木を持ってきました。みーちゃんの目が輝きました。大好きな「あれ」です。早速「み」を探してきて、2つをくっつけました。

先生「そうですね。みーちゃんの好きな虫ができたね(「共感」)。じゃ、
  読んでください。先生が読みましょうか?みーちゃんが読みますか?」

みー「みー」

先生「みーちゃんが読みたいんだね(「共感」)。では、どうぞ。」

みー「セミだ。」

先生「そう、よく読めました。セミだね。うま言葉を作れましたね(「共
  感」)。では、次は、先生が作るよ。」

 伊藤先生は「むし」を作りました。みーちゃんは、すぐ「むし」と読みました。

先生「あらら。みーちゃんはすぐ読みたいんだね(「想像」)。じゃ、みー
  ちゃんがすぐ読むルールに変えましょう(「覚えて」)。では、次は、
  みーちゃんの番よ。」

 みーちゃんは「あ」と「り」を持ってきて「あり」を作りました。みーちゃんは、最近、虫にはまっています。

先生「では、作った言葉を読んでみて。」

みー「アリだ。」

 このようにして、みーちゃんと伊藤先生で交代交代に言葉を作っていきました。みーちゃんはこのあと「あみ」と「くり」を作りました。
 積木のお片付けが終わったあとは、お楽しみの「昆虫かるた」です。みーちゃんは、絵札をじっくり楽しみながら並べ始めました。

昆虫かるた


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