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《見たことをまとめるのが苦手なタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その5 算数の支援の方法④

④文章題で、何を聞かれているのか分からない。

 「算数の文章題を読んでも、何を聞かれているのか分からない」のは、国語の理解に問題点があるわけではありません。合わせたり分解したり、掛けたり割ったりするイメージが湧かない(数概念ができてない)のが原因です。数字どうしの関係性が分からないのです。
 だから、算数の文章題を読んでも何も浮かんでこないのです。「それがどうした?」「なんだ、これ」という世界です。
 分かりやすいように、1年生の算数の問題で説明します。

  公園にスズメが8羽いました。その内5羽が、どこかに飛んで
 いってしまいました。今、公園にスズメは何羽残っていますか?

 平均タイプの子は、8羽を5羽と3羽に分けて、その内の5羽がいなくなったから、残っているのは3羽だとイメージします。だから「3羽残っている」と分かります。そして、それを「8-5=3」と表すと教えられると、「そうですか」と理解できるのです。

 凸凹タイプの子は「8羽のススメの内、5羽が飛んでいったな」と思うだけです。何羽残っているかはイメージがないので、分からないのです。「何羽残っている?」と聞くと、「数えたらわかる」と言ったりします。だから、指を出して数えるまで、何羽残っているかわかりません。「8-5=3」も、何のことか理解することは難しいでしょう。


《注》 このタイプは、数え足し、数え引きになってしまします。それが、いい、悪いと言う話ではありません。あくまで、イメージが湧く、湧かないの話です。

 これに支援する方法は、2つです。

   ➪イメージを目の前に作り出す。つまり、絵に書いて考えるのです。
    e.g.スズメの例  8羽のスズメを書き、5羽消していく。
      慣れてきたら、ブロックでやる。  

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      これを見ながら「8-5=3」を説明する

   ➪言語的に支援する。つまり、キーワードと加減乗除の関係を丸覚え   
    し、その後の計算手続きも覚える

     e.g. 
      足し算→「足したら」「全部で」「~より多い」「合わせて」
      引き算→「引いたら」「残りは」「~少ない」「~だけ多い」
      かけ算→「~分」「~倍」「~入りが~皿」「~円のを~個」
      わり算→「一人分はいくつ」「分けられる」「~何倍ですか」

 どちらを採用するかは、支援開始年齢によります。前者の方が「育てる支援」で後者は「避ける支援」になります。
       


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