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【若林源三解体新書】#1 ~その名前の由来の謎~

世界中の名だたるサッカー選手が彼を見て、時には強く憧れて育ったと言っても決して過言ではない、世界最高峰ゴールキーパー・若林源三わかばやしげんぞう

彼は、サッカー漫画の世界的金字塔である『 キャプテン翼 』という世界の中で生きている人。

─── 彼は生物学的な人間の形で実在はしないという現実を、私は時として、いや、たいていの場合忘れている。

………いやいや、そんなことを言いつつ大人なのでわかってはいます、実在しません。
等身大フィギュアを造ろうが3Dプリンターでどうにかしようが、それは若林くんが実在したことにはなりません。

でも、彼は生きている。
間違いなく生きている。

『 キャプテン翼 』という一つの世界観は、もはや現実のサッカーとは切り離せない存在。
そして、この世界観は世界中で愛されている。
これらの周知の事実を考えれば、この『 キャプテン翼 』の世界は間違いなく多くの人の脳裏に焼き付き、心に根付いているのです。


地球上の生命あるものが物理的に命の脈動を失ってしまった時、よく使われる表現があります。

それでも、私の心の中で生き続けている

それと同じこと。
誰になんと言われようとも、同じと言い張る。

この世界観は、世界中の多くの人の心の中で生きているのです。
だから、若林くんも生きている。
彼に限らず、主人公の大空翼くんをはじめあの子達はみんな生きている。

そして、作品・世界観そのものが人々の心から一切消え去り無かったも同然とならない限り、小学生の時に小学生の彼に出会った私がこの世を去った後も、きっと永遠に生き続ける人なのです。


人は誰でも、命ある限りその時間の中で必ず何かしらの出来事を生み出したり何かと関わりを持っている。
生きている、とはそういういことだ。

彼も、彼の世界で確実に生きている。
だから、明確な描写から、はっきりと描かれてはいないコマとコマの間から、彼にまつわるストーリーを知りたい。
彼がどう生きているのかをただ知りたい、それを知りたいだけなのです。

そのために、できる範囲の時間で私が持っている最大限の想像力と考察力を費やし、私なりに彼と彼の周辺を読み、解き明かしてゆきたい。

これは、そんな市井の民の記録です。


いま私ができること。
そして、私が物理的に死ぬまでに書きたい事です。

これを書きながら、この先の時代を私は生きる。

冒頭からちょっと何を言ってるかわからないかもしれませんが、私にとって彼はそういう人なのです。

 



☆そもそも『 若林源三 』とは

リピートしますが、この若林源三。

どんな人なのかを語るには色々ありすぎるので、まずはその名前から。

っていうか若林源三って何???誰??何それおいしいの???という方へ。

彼は、繰り返しですが『 キャプテン翼 』という高橋陽一先生による全世界的に有名なサッカー漫画の金字塔作品の世界で生きる、全世界的に有名なゴールキーパーであります。
『 S・G・G・K 』(スーパー・グレート・ゴール・キーパー)の称号を持ち、名実ともに真の世界一のGKとして確固たる地位に君臨すべく邁進中の、現在21歳の若者です。


あの全日本の守護神・現在の代表チームGKコーチ川口能活さんも、若林くんから大きな影響を受けたと仰っています。
フランス代表のGKウーゴ・ロリス選手も若林くん推しです。


↑ ↑ ↑ 小学6年生時の第6回全国少年サッカー大会決勝戦の若林くん。
この時点ではもうキャプテンじゃないのに、溢れるキャプテンシーは隠しきれません。


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↑ ↑ ↑ とある日の京成電鉄・四ツ木駅(東京都・葛飾区) 夕刻の若林くん。
東京都葛飾区は高橋陽一先生のご出身の地にして、今でも先生がお住まいの地域です。
『 キャプテン翼 』の主人公・大空翼くんの家が静岡県南葛市という設定なので、高橋先生も静岡県のご出身だと何となく長年思いこんでいました……



『 若林源三 』というこの名前。

画数占いをいくつかしてみました。
結果はだいたい似たり寄ったりの診断。

『 若林 』という名字⏩️一族繁栄のような意味合い
『 源三 』という名前⏩️成功、才能、名声といった意味合い

どの占いでも、上記と似たような意味合いを持つという画数であるとの結果がほとんど。
つまり、運が抜群に良いのです。

それもそのはずです。

小さめの小学校の敷地くらいあるお屋敷を持つ『 地元の名士 』の家に生まれ落ちるくらいの、名字にまつわる金運

それに加えて、サッカーにおける天賦の才がその名前に宿る

「 運も実力のうち 」という言葉がありますが、だったらこのとてつもない運を含む若林くんの実力って、言葉で表現できないくらい凄まじいのです。



☆そもそも、どうして『 源三 』なの?

 
そんな若林くんの『 源三 』という名前。
これに関する私の人生最大の疑問。

昭和の昔から、ずっとずっとずっと、ずぅーーーーっっと思っていました。

どうしてあなたは、こんなに古めかしいお名前なの?

(なお、森崎『 有三ゆうぞう 』というキャラクターもいます……)

『 翼太郎 』の時代から大空翼の時代になっても、若林源三は若林源三です。
その名前をそのまま受け継いでいることはわかりますが、高橋先生による名前の由来は未だに公には謎めきを残しています。
モデルになった実在の選手も特にいない様子。
実は、声優・ラジオパーソナリティーをつとめる若山弦蔵さんを由来とする説があります。
その昔に高橋先生がどこかでそう仰った………のかもしれません。
いつか私が高橋先生に直接お尋ねすることができるか、何らかのメディアではっきりと高橋先生が発言されているの私が目にした時には、若山弦蔵さんが由来だと自信を持って断言したいと思います。


………そうだとしても(そうとしか思えないというのが正直なところですが……)ら、何故若山さんだったのか?

翼太郎のネームの時点で、ライバルキャラが何故その名前になったのかを知りたいのです。

 ☝️『 翼太郎 』をご存知ない方へ

さきほどから気軽にこの名前を記載していますが、『 翼太郎 』とは高橋陽一先生がデビューする以前に描かれ少年ジャンプで受賞をしたサッカー漫画の主人公。
その作品も『 キャプテン翼 』という同じタイトル。
主人公は南葛中学サッカー部キャプテンの『 翼太郎 』で、髪型は現在のキャプテン翼の井沢守くんに近く、性格はコンプレックスや弱気を抱える反面実はものすごく負けず嫌いな少年。
そのライバルが、修哲中学の天才GK『 若林源三 』なのです。
設定は異なるとはいえ、現在の『 キャプテン翼 』の前身ともいえる作品です。


(……と書きながら、たまたま原稿を書いている時に若山弦蔵さんのラジオを聞いていたからなんとなく……というのが真相じゃないかという様子はバリバリに感じていますが……)


ところで、私は昭和の時代に若林くん同様小学生だったので、当時の男子のお名前の傾向を一応知っています。

その感覚で言えば、同級生に『〇ぞう』は見当たらなかったし、それは学年が上がっても、そしてここまで歳をとってみても、同年代と思しき方のお名前としては当たり前とは言い難い。

当時は珍しくないけれど今時の子供にはほとんど見かけない『〇ひこ』というお名前と比べても、『〇ぞう』というお名前の方は同年代には圧倒的に少ない印象です。

『〇ぞう』といえば、個人的は加山雄三さんの年代のイメージです。


なお、三杉『 じゅん 』のような、漢字一文字で呼び名が二文字のようなお名前、子供心にカッコいいな~と思っていました。石崎くんですら(←ごめんなさい)、『 りょう 』と、ちょっとカッコいい名前。

従って、若島津『 けん 』という名前のGKなんて出てきちゃったら、ポジションや存在感も相まって、当時の昭和の子供の私は、若島津健に対しては複雑な嫉妬しか抱けなかったのであります。
 

修哲をはじめとする主要人物のお名前を見ても、若林くんほど年代感がある子はほぼいない。
森崎くん(森崎『 有三 』)は、若林『源三』くんから派生しているのでしょう。

あとは……明和FC監督の吉良耕三さん……かなり歳上の人じゃないですか……。



☆一族における『 若林源三 』


昭和から元号を一つ飛び越した令和の時代における今回のスピンオフで明らかになった、若林家の一族の一部の者が背負う名前。

 ☝️『スピンオフ』と言われてもピンと来ない方へ

『キャプテン翼』は1981年(昭和55年)に週刊少年ジャンプで連載を開始。
以後、様々なシリーズの連載を経て令和2年4月創刊の『 キャプテン翼マガジン 』という集英社グランドジャンプの別冊漫画誌で連載が続いています。
現在は、22歳くらいの翼くん達が日本男子サッカーの金メダルを目指しマドリッドオリンピックという大会を闘っているストーリー。
このマガジン、まるまる1冊すべての記事が『 キャプテン翼 』に関わっている内容のもの。
ここに、高橋先生が本編のスピンオフも描かれています。
創刊号のスピンオフは『 若林源三の小学4,5年生時代  』がテーマで、その中で若林くんの家族であるお父さん、二人のお兄さん、そしてご先祖様が登場し、昭和の時代から特に設定の無かった彼らのお名前もこのたび判明したという次第です。

 

祖先が『源左エ門げんざえもん』(エ、は小さいカタカナ)さん。お父さんが『 修造しゅうぞう 』さん。一番上のお兄さんが『 修一しゅういち 』さんで、その二番目のお兄さんが『 栄二えいじ 』さん。

源左エ門さんの頭髪を見ていると薄くなる家系なのか??

と、それはさておき、ここで思った二つの疑問。

『 源 』の字……本来、長男など家を継ぐ人が代々使うのが自然では?

『 修 』の字……絶対『 修哲しゅうてつ 』と何か関係ありますよね?

『 修哲しゅうてつ 』というのは、若林くんが通っていた静岡県南葛市内の私立小学校の名前です。


自答してみます。

さらっと言ってしまうと、修造さんは長男だけど、代々特に名前にこだわる家風でもなく『 源 』の字も誰も特にこだわっていなかった。

又は、修造さんは実は次男や三男であり、『 源 』の字を持ちながらも会社を継がなかった長男が他にいる。
 
修造さん自身は、自分の長男には『 修 』の文字を使った。父親の名前の文字を子供が受け継ぐことは時代や家柄とは関係なく特段珍しいことではありません。

そして、次男の栄二さん。修、栄、とは集英社さんからとったのかしら?というのはさておき、若林一族繁栄の願いをこめて『 栄 』という文字を名前に使ったと考えれば頷けます。

 そして、年の離れた三男坊。三男だから、『 三 』。同じ『 ぞう 』でも、長男次男の名前を考えたら、父親と同じ『 造 』をつけるのは、修造さん的としては、親心もありちょっとはばかられたのでしょう。そして、ここにきて『 源 』の字。立派な祖先の漢字をまだ使用していなかったことに気がつき、溺愛のあまり使ってしまった、というところでしょうか。

こんなふうに、若林家の中では深い意味は特にないまま、何となく流れのままに『 源三 』という名前が誕生したのではないかと思います。




☆『 源 』の文字に託された真実の意味

しかし、この『 源 』の字。 …………見れば見るほど何と良い字でなのでしょうか。

源、みなもと、すべての根源。
げんぞう、という名にしてしまうと若々しさは色褪せますが、この一文字のインパクトや奥深さたるや。

考えてみれば簡単にわかることではありますが、もともと、主人公の大空翼くん、東京の下町で暮らしている間はサッカー仲間がまったくおらず、いつも一人でボールを蹴っているような子でした。もちろん、どこか決まったサッカーチームに所属していたこともありません。



↑ ↑ ↑  静岡県南葛市に引っ越してくる前、東京の下町で暮らしていた頃の翼くん。
バカはひどい…言いすぎですね(苦笑)。


翼くんが連載で登場した昭和50年代、男子が好むスポーツとしてはほとんどが野球。少年野球チームは珍しくありませんでしたが、少年サッカーチームは、地域性もあるでしょうけれど今ほど盛んな存在ではなかったのです。

その世相を反映し、翼くんも強豪チームに属して早くから公式戦で実力を発揮するという場面はまったくありません。

しかし、サッカーが盛んな静岡県南葛市に引っ越してくると、翼くんの環境は180度ガラリと変わります。そこで、若林くんを含めた色々な出会いが待っていたからこそ、翼くんの輝かしいサッカー人生、伝説が始まったのです。


『 キャプテン翼 』という物語が、日本のみならず世界中のサッカーに大きな影響を与えたことは周知の事実

そして、この世界サッカーに影響を与えた物語は、『 翼が攻め、若林が守る 』という連載初期の対決の画が成立し、そこから走り出したものです。
当初のライバルに終わらず永遠のライバルとも言えるこの二人による、よく引用されるあの構図。それは、サッカーにおける勝利、そして日本のW杯優勝という夢に絶対的必須である攻守の主軸が、その夢に向かって日本サッカーを引っ張ってゆくことを象徴しているのです。


↑ ↑ ↑ 二人が出会った日の初対決。これがよく引用されるあの構図。


……そう考えると、この『 源 』という文字に『 キャプテン翼 』という偉大な物語の根源、根底が偶然にも託されている気がしてならないのです。

大空をはばたく主人公・翼くんの輝きを引き出した源(みなもと)、そして翼くんとともに日本のワールドカップ優勝という夢を実現するチームの守備の要・全日本の守護神。神ですよ、神。


若林くんは、物語においてこれほど根深く重要な意味を持っている人物。

そんな彼の名前に用いられている文字が、『 源 』の字であるのです



☆ワールドワイドな大物感の名

また、『 源三 』アルファベット表記すると『 Genzo 』。

若林くんは12歳からドイツで暮らします。海外生活が長いのです。
だから、この『 Genzo 』表記も日常的に使われているはずです。

この『G』や『Z』という文字は、言い知れぬ抗えない大物・ラスボスの雰囲気を宿している

は、称号にも使われるGreat(グレート・偉大)という単語、他にGenius(ジーニアス・天才)もあります。しかも、Geniusはラテン語のGenius(ジニウス)という『守護霊』や『守護神』を意味する単語が由来です。

しかもZなんて、ABC順で言ったら最後です、最後の砦

まさに日本でもドイツでも世界のどこにいて、ゴールマウスを守る大物の天才にふさわしい文字を含むローマ字表記となっているのです

GやZに宿るそんな雰囲気を背負ったアルファベット表記。
ユニには文字数が長く名入れ担当さんが苦労する長い苗字の方よりこっちを使ってほしいくらいです。



こんなにも完璧な意味合いを持つ『 若林源三 』という名前。

何がきっかけで授かったかは、もはや何でもよい。

とにかく奇跡の名前としか言いようがありません。



……そう理解したら、どうしてこの名前なんだ?と思うことはあまり無くなり、断然いい名前だと思うようになりました。

子供の頃の私よ、何をそんなに不満に思っていたのか?とんだ未熟者ですな。

……とはいえ、名前の由来を高橋先生に直接質問してみたい気持ちは消えてはいません(笑)。



☆広く慕われいてる人

なお、そんな若林くんの呼ばれ方は実に多彩。その数だけでいえば物語中でトップクラスである。

・若林くん(翼くん、岬くんなど)
・キャプテン(修哲関係など)
・若林さん(修哲関係者など)
・若林(日向くんなど)
・源三(親族、個人コーチの見上さん)
・ワカバヤシ(シュナイダーなど)
・ゲンゾー(ハンブルグのチームの先輩等関係など)
・ゲンさん(カルツ)
・源さん(石崎くん)

カルツに至っては、若林と書いてゲンさんとフリガナが付くほど。


一見とっつきにくそうな性格なのに、様々な呼び名があるということは、色々な人から相当慕われたり注目されているのがよくわかります。

作中ではほぼ使われませんが、源くんとか源ちゃんと呼ばれている様子も見てみたい。

若林くん本人は連載のジュニアユース編の扉絵において、自分を「 源ちゃん 」と称しているので、もしかしたらこの呼び方をされたいのかもしれない。

本人は照れを隠しつつ言ったのか堂々としていたのかわかりませんが、可愛いじゃないですか、源ちゃん呼び

もしかしたら、スピンオフ後編で出てくるかもしれない、出てこないのかもしれない若林くんのお母さんが、源ちゃん呼びを優しい声でしているのかもしれない。



☆まとめ

若林源三という人は、主人公・世界観に深く関わる根源であり、ワールドワイドに通用する強運の天才ゴールキーパーです。

まあ、怪我が多すぎたりでちょっと悲運のゴールキーパな気もしないでもないですが。



二つ目の『 修 』の字と若林くんが小学校時代を過ごした『 修哲小学校 』については、また後日に語りたいです。
 
スピンオフ後編でまた何か明かされるかもしれないので、その場合はこのnoteを書き換えるかもしれません。



(2021.11.11一部書き換え)

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