見出し画像

ワークショップデザイナーに一番必要な資質は「想像力」説

子供向けワークショップデザイナーの臼井さんの『意外と知らない 赤ちゃんのきもち』を読みました。臼井さんはワークショップ業界でも珍しく、赤ちゃん向けのワークショップの開発・ファシリテーションをお仕事にしています。

この本は、前半はピアジェの発達段階理論を中心とした発達心理学の理論をベースにしながら、赤ちゃんの生態をわかりやすく解説してくれています。非常に平易に書かれているので、将来自分が子供が生まれて父親になった時に読み返しながら、赤ちゃんと遊びたいと思わせられました(実際に赤ちゃんが目の前にいてほしい!と思って読んでいました。笑)。

そして個人的に特に面白かったのは
・第7章「赤ちゃんの気持ちになってみよう」
・第8章「赤ちゃんと遊んでみよう」
の二つの章。ここでは、赤ちゃんの世界を想像すること=Baby Mindを育成することの重要さが強調されています。

ぼくがこだわりつづけてきたのは、大人目線で赤ちゃんを見るのではなく、赤ちゃんの世界に入り込んで、赤ちゃんに憑依するように思考することです。それを続けていくことで自分の中にBaby Mindが充実してきました。

臼井さんはBaby Mindを獲得するための方法として、Youtubeで赤ちゃんの動画を見ながら何を感じているのかを考察したり、実際に真似をしてみて何を感じたのかを言語化することを提案しています。

ここで臼井さんが強調している「赤ちゃんの世界を想像すること」は、赤ちゃん向けワークショップだけではなく、幼児はもちろん中高生や大学生、大人を対象にした時にも非常に大事なことでしょう。

むしろ「赤ちゃん」を対象にしている本書だからこそ「赤ちゃん」を「場(ワークショップや会議)の参加者」と読み替えて本書を読んでみると面白い読みができます。ファシリテーターに必要なマインドセットについて、臼井さんの実践での知恵が隠れていることに気づかされます。たとえば「安全な空間を作る」「自分が楽しむという心構えを作る」「時間を決める」「葛藤を見守る」「少し遠くから見守る」などは「赤ちゃんとの遊び方」という文脈で語られていますが、あらゆるファシリテーター・ワークショップデザイナーにとって示唆深い知見だと思います。

「他者への想像力」はワークショップデザイナーに非常に重要な資質であるものの、もちろんワークショップデザイナーだけではない多くの仕事でも活かせる資質でもあることは明白でしょう。ワークショップデザイナーの職能は、複業が流行している今の時代でこそ、シナジーを生みやすいのかもしれません。

*noteを書くきっかけになったツイート



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

24
青山学院大学社会情報学研究科M2。専門は質的心理学。研究関心はワークショップのリフレクション、想起研究、学習環境デザイン論。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。