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店長論 第二章④

近隣店舗で、売上・売場面積規模が小さい店舗の兼務を任された。

自分の店舗の副店長にほぼ業務を任せられていたので
この兼務店舗に集中することにした。

新しい店舗の状態は、
売上前年比80%以下と低迷中。
スタッフの人間的質は高いが業務レベルは低い。
売上が取れないと思い込んでいる。(負け癖がついている)


まず取り掛かったのは
圧倒的な売場の変革だ。

着任する日に間に合うよう
事前に、売場レイアウト・発注・不良在庫の他店舗手配を調整して
着任した日にさっそく売場をすべて変えた。

出来る限り意味を伝えながら。

出来る限り楽しそうに。

出来る限り大胆に。



次に取り掛かったのは、
キーマンの選出だ。

着任前から足を運び、全スタッフと会話していた。
なかなか想いが強いスタッフばかりで、具体的にどう行動したらよいかわからないようであった。

その中でも、特にスタッフから信頼が厚くて細かい部分まで気が付いているんだけど、指示待ちの方がいたので、とことん会話した。

改善策や意見をたくさん持っていたので、基本的にすべて採用する方向でやるべきことと、やらなくてよいことを決めた。

大きな方針は僕が出し、細かい方針はアイデアを採用した。

特に強化したのは、またバックルームの整理と店頭での呼び込み、具体的な目標設定と指示だしだ。

拡声器を使って、売場の店頭で呼び込みを率先した、毎日の達成できそうな売上目標を伝え、時間帯ごとに進捗確認を徹底してもらった。

スタッフそれぞれの今日の目標を聞いて、帰りにどうだっか聞いてフィードバックをした。

それはもう毎日。


出来る限り意味を伝えながら。

出来る限り楽しそうに。

出来る限り大胆に。


なにがよくて、なにがダメだったかをみんなに考えてもらっているうちに今まで受け身で仕事をしてきたスタッフたちは
圧倒されながらも、半信半疑で僕の行動を受け止めてくれ始めた。

特にキーマンとして動機付けしたスタッフが信頼してくれたことで、次々とスタッフたちからの信頼が集まっていくのを肌で感じた。


気候も追い風となったのだが、1週間で売上は見事に回復し、結局1か月でこれまで前年比80%以下と低迷していた店舗が大幅に前年100%を超えることに成功した。

1か月でここまで成果を出せたのは初めてだし、
スタッフたちもまさか本当に売上が前年を超えるとは思ってなかったみたいで、自信に満ち溢れた顔で嬉しそうにその成果をみんなで祝った。



しかし、まだ1か月しか経っていないのに、いつものがきた。

新業態をやってみないか?


続く

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