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あん肝、中国産と国産、どっちが美味いのか。

人はなぜあん肝を食べるのか。







今が旬だからだ。







今日は珍しく、スーパーに国産と中国産のあん肝があった。いつもは中国産しかない、もしくはあん肝自体がない。あん肝は珍しいのか人気なのか、あったりなかったりするのだ。

「これはアレをするしか…。」

そう、食べ比べである。以前あん肝を作ったときは中国産だった。買ってきて下処理の仕方を調べていたら「中国産は臭みが強く、食えたものでは無い」という意見をネットで見かけた。「そんなこと言われたって、買ってきたもんはしゃあなし」と思い、蒸して食べたのだが、全然美味しかった。「中国産でこんな美味しいのであれば、国産のあん肝はどれだけ美味しいのだろう」胸の内に秘めていた疑問に終止符を打つ時が来たのだ。


※ここから、生の肝の写真がたくさん出てくるのでご注意ください。





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買ってきたあん肝がこれだ。中国産が100gあたり158円なのに対し、国産(新潟産)は389円もする。2倍である。なんでこんな高いのか。2倍美味いということなのか。

ここまで「あん肝を作る」という謎の日本語を使ってきたが、ご覧のとおりあん肝はすでにできている。居酒屋で振る舞われるような輪切りのソーセージみたいな状態にするため、下処理と成形、蒸す作業をしていくのだ。今日は味に差が出ないよう、同じ工程で調理していく。


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まずは中国産のあん肝。薄皮を剥がし、血管の筋を取り、ところどころに溜まっている血を抜いていく。

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下処理を終え、綺麗になったあん肝。この下処理、完璧を目指そうとするとキリがないのだけど、どこまでするのが正解なんだろうといつも思う。ボロボロだけど後に成形するので気にしない。


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次に国産のあん肝。大きい。カットされているので小さく見えるが、血管の位置から察するに全体の大きさは中国産の1.5倍くらいありそうだ。
中国産同様、下処理をしていく。気持ち、薄皮はしっかりしており、身が滑らかな気がする。筋、血はできるだけ取り除く気持ちで挑んだが、身が柔らかいため本能的に「これ以上は身が減っていく……!」とセーブがかかり、そこそこにした。あと血が溜まっている部分が少なかった気がする。中国産の半分くらいの時間で済んだ。

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綺麗になったあん肝。これに塩を振り時間をおき、塩水で洗って臭みをとる。




最終的に蒸すのだが、うちには蒸し器がない。100円ショップで折り畳める蒸し器を買おうとしたら、どこも品切れだった。以前、店頭で見かけた時に買っておけばよかった……。


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なので100円ショップで見かけたこれを、


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こうして

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こうして、

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こう。どうにかなんべ。




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洗ったあん肝を、ラップで包み


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形が崩れないよう、アルミホイルで包む。臭みが抜けるよう穴を開けておく。


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〜〜蒸しタイム〜〜


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アルミホイルを剥がして……


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できた!!

国産(太い方)がラップが破けたのか不格好になってしまったけど、味に影響はないでしょう。



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切ると、居酒屋で出てくる「あのあん肝」である。



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薄暗い台所の照明の下で写真を撮っていたから薄茶色だったが、実際はこれくらい鮮やかだ。向かって左手前が中国産、右奥が国産。味を比べるため、何もつけず早速食べ比べてみる。






これは…








違いがよくわからない。





全く同じかと言われるとそうでもないのだけど、思っていた以上に差がない。私が感じた1番の差は、口に入れた瞬間の口溶け?食感?が違うと思った。国産の方が少しだけ口当たりが柔らかい気がする。味は大きくは変わらないけど、全体の味のムラが国産の方が少ない気がする。


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左が中国産、右が国産。オレンジ色の部分は”脂”の部分で、これが多いほど美味しい。中国産はオレンジの部分と白い部分が分かれているけど、国産のほうはマーブル模様のように混ざり合っている。だから味のムラが少なく感じたのかな。

値段が大きく分かれる「中国産」と「国産」。あまり味に差がないように感じたのは、中国産のあん肝の中でも、脂が多い部分とで食べ比べをしていたからかもしれない。中国産の白っぽい部分は淡白で、さすがに国産のものより味気ない感じがした。国産は国産で、中国産に比べ全体的に白っぽい部分がだいぶ少ないように見える。

私が感じた違いをまとめると、

国産
・オレンジの脂が全体にあり、白い部分と混ざり合っている。
・あまり味、食感のムラを感じない気がする。
・口に入れたときの食感が柔らかい気がする。

中国産
・オレンジの部分は4割くらい。白い部分とはっきり分かれている。
・なんとなく、味、食感のムラを感じる。

味、食感に関しては全部「気がする」止まりだ。バカ舌なのでなんとなく的外れなことを書いている気もする。ちなみに「国産のあん肝はアニサキスがたくさんいる」と聞いていたが、今回のあん肝には1匹しかいなかった。とはいえ、下処理をしている段階ではなく、切った時に気づいたので若干ホラーだった。どこにいたんだよ。食中毒等の予防対策(加熱処理は60℃で1分)はしているはずなので、まぎれていても発症しないことを祈る。


そして、なぜ中国産と国産でそこまで差を感じなかったのか。私が考える要因は4つ。

・あん肝が旬の時期だった。
冒頭に述べたとおり、あん肝は10月〜3月くらいの秋冬が旬である。今だからこそ、中国産のあん肝も普通に美味しいのかもしれない。

・鮮度が良かった。
写真だと伝わらないが、どちらのあん肝も綺麗でプリプリとしていた。状態が良かったのかもしれない。

・下処理をしっかりしていた。
私はこれでもかというほど血や血管、薄皮をとる。中国産のあん肝は「臭みが強い」とよく聞くが、下処理をしっかりとしたことで臭みの少ない、美味しいあん肝になったのではないか。

・なんかミスしてる。
色々調べながら作りはしたもののの、素人が作ったものなので国産のほうの旨味を逃してしまっていたのではないか……。それでも美味しかったけどね。


「国産はどれだけ美味いのだろう」と期待したほどではなかった、というのが正直な感想ではある。が、国産と一口に言ってもその中で差はあるだろうし、私がたまたま売り場で上記のようなあん肝を手に取っただけかもしれない。とりあえず、今後同じスーパーで今回の中国産と国産が並んだ際には、中国産を買うだろう。下処理が面倒でも、やっぱり安くたくさんあん肝を食べたいと思う。次はもっと高い北海道産のあん肝や、値段は手頃でも国産にも劣らないと噂のボストン産のあん肝も食べてみたいな。



今回の調理で参考にさせていただいた動画。安く美味しいあん肝がたくさん作れるので、ちょっと面倒だけどぜひチャレンジしてみてね。


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