警察官の姉は、非番の日に弟を独占する。
お盆休みが近づくこの頃。
多くの人がその休みに胸を弾ませる中…
(サイレンの音)
さくら:そこの赤い車、止まりなさい!
警察官であるさくらはパトカーを走らせ、スピード違反の車とチェイスしていた。
?:うぜぇーな!ったく。
赤い車を運転していた、耳にピアスを付けた男はさくらのパトカーを振り切ろうとドリフトをしてUターンしていく。
さくら:逃がさない!
さくらは敢えてドリフトせずに右折し、赤い車とは別の道路を進んでいく。
〜数分後〜
?:はっ、大したことないな。
裏道の交差点にたどり着いた男は、追ってきたパトカーの運転手が技術がなく自分を追うのを諦めたと思っていた。
が…
(サイレンの音)
?:⁉️
前方から左折して現れたパトカーに男は驚いて、急いでバックしようとした。
?:な、なんでここに⁉️
(クラクションの音)
男性:馬鹿野朗ぉおお❗️どこ見て運転してんだ小僧❗️❗️
運悪く直進してきた車とぶつかりそうになり、
さくら:あっ、すいませーん!そのまま止まっててもらえます?
男性:え、あぁ…勿論です!(可愛い…)
さくらが別の男性にゆうわ…ゴホッ、協力を求めて、スピード違反した男は逮捕された。
?:ったく、なんだよ。ちょっとスピード出たくらいだろ?
さくら:30キロ出てましたが??
?:ぐっ…
さくら:免停ですね。
?:いや待て、30キロは3点減点で…
さくら:それは高速道路での話です!
さくら:一般道路では6点減点です!
?:えェ⁉️
反論虚しく、男は免停となった。
さくら:あぁー、ずるいお姉ちゃん❗️
運転して警察署に戻る道を走っていたさくらは、普段バディである姉の遥香に嫉妬していた。
さくら:絶対今頃…
口を尖らせ、ハンドルを握っていた。
〜数時間前〜
コンコンッ
〇〇の寝室のドアがノックされ、開けられた。
遥香:〇〇ー、おはよ〜
〇〇:ス〜、ス〜…
遥香:(まだ寝てたか〜)
ピッ
部屋が暑かったため、遥香は弟の為にエアコンをつけた。
遥香:?
寝ている〇〇がうっすら笑みを浮かべたように、遥香には見えた。
遥香:(何か良い夢、見てるのかな?)
ベッドの上で眠っている〇〇の隣に入って、遥香は弟の寝顔を見つめていた。
〇〇:zzz
遥香:(ふふ、可愛いなぁ〜)
愛でたくで遥香は〇〇の頬を指で少し押した。
〇〇:ん……
遥香:(あっ、起きちゃった。)
もう少し寝顔を見ていたかったという残念な気持もありながら、腕を伸ばして起きようとする弟を
微笑ましく見つめていた。
〇〇:ん…、はる姉?
遥香:おはよう、〇〇。
〇〇:んふふ、おはよ〜
目を瞑ったまま笑みを見せてくる〇〇を見て、
遥香:(ま、待って⁉️何この可愛い過ぎる生き物は⁉️)
遥香は萌え死にかけた。
〇〇:どうしたの、はる姉?
遥香:え、あぁ…ううん!な、なんでもないよ(汗)
〇〇:顔、赤いけど?
遥香:へ⁉️あ、いやぁ…その…
〇〇:熱あるの?
遥香:いや無いよ!無い無い!!(顔を激しく振る遥香)
〇〇:そっか、良かった。
遥香:(はぁ…良い子、〇〇は…)
思わず弟の頭を撫でていた遥香だった。
〇〇:今日はお休みなの?
遥香:うん、そうだよ。
遥香:ふぁ〜…
口に手を当てて、遥香はあくびをした。
〇〇:僕も今日部活休みなんだ〜
遥香:しょうなんだぁ…
〇〇:眠そうだね?
遥香:うん、昨日ちょっと遅かったからかな…?
〇〇:偉いね、はる姉は。お仕事頑張っていて。
遥香:う、うん!ありがと…
嬉し過ぎて、弟に照れていた。
〇〇:じゃあさ、まだ寝ちゃおっか?
遥香:へ⁉️
耳を疑い、遥香は聞き直した。
遥香:い、今なんて…
〇〇:え?一緒に寝ない?
遥香:⁉️
〇〇:なんか、僕もまだ寝ていたいし。
遥香:ま、〇〇がそうしたいなら…
〇〇:ふふ。じゃ、おやすみはる姉。
そう言うと、〇〇はまた目を瞑ってしまった。
遥香:(か、か、
可愛いぃ❗️❗️❗️❗️❗️)
声に出したい衝動を抑えて、遥香は〇〇に抱きついた。
〇〇:ん?
遥香:はっ!
勢いあまって〇〇に抱きついた遥香は、すぐ〇〇から離れた。
〇〇:ふふ、なんか懐かしいね〜
遥香:え?
〇〇:だって小さい頃、よくはる姉に一緒に寝てもらっていたし。
遥香:そ、そうだね…
幼少期、まだ小さかった〇〇はお化けが怖いからと姉の遥香を呼んでは添い寝してもらっていた。
遥香:もう、お化け怖くない?
〇〇:当たり前じゃん!
遥香:本当かな〜??
悪戯っ子みたいな顔をして遥香は、〇〇の腹をくすぐった。
〇〇:ぶふっ、ちょっ…くすぐったいって!
遥香:ふふ。
〇〇:ふふ。
社会人と高校生の2人だったが、今はただ仲睦まじい姉弟がベッドで戯れ合っていた。
遥香:そうだ、今日お出かけしない?
〇〇:はる姉と?
遥香:うん。
〇〇:したい!
遥香:よし、じゃあ起きないとね。
2人は起き上がると、着替えたり歯を磨いたり、それぞれ身支度を整えて家を出た。
遥香:どこ行こっか?
〇〇:ん〜、そうだね…どこに…
きゅるる…
〇〇:❗️
遥香:ふふ、お腹空いたし朝ご飯食べよっか。
〇〇:う、うん…そうだね笑笑
遥香は〇〇を連れて、ホテルのレストランに入っていく。
〇〇:うわぁ、すっごい…
遥香:どう?お洒落でしょ?
〇〇:そう、だね…
遥香:ん?どうした?
見ると、落ち着かない様子の〇〇だった。
〇〇:い、いや…別に…
遥香:もしかして、ここじゃ嫌だった?
〇〇:う、ううん!違うよ、ただ…
遥香:?
〇〇:その、綺麗だな〜って…
はる姉が。
遥香:えっ…そ、そうかな?笑
とぼけた顔をする遥香に、
〇〇:うん、そうだよ。
〇〇:やっぱ、はる姉って綺麗だよ。
〇〇は満面の笑みを見せた。
遥香:(くぁあああ❗️嬉し過ぎる…ありがとう、母さん!〇〇を産んでくれて!)
それからレストランに2人は入って注文し、パンケーキが運ばれてきた。
パクっ
遥香:んー、おいひぃ〜♪
〇〇:ね、すっごく美味しいね!
遥香:あ、〇〇。
〇〇:何?
フォークでパンケーキを切り分けて刺し、〇〇の口元に一口サイズのパンケーキを運んだ。
〇〇:ん?
遥香:ほら、口開けて。
〇〇:え、あ、あーーん…
パクッ
さくら:って、絶対今頃お姉ちゃん〇〇にしてるんだからぁあああ❗️❗️
赤信号を待っていたさくらは、パトカー内で叫んでいた。
fin.
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