「パズル」なのか「ボードゲーム」なのか、確立しているようで確立していない「パズルゲーム」について書いてみる。
「パズルゲーム」は、「パズル要素のあるアプリゲーム」を指して使っているのが普通だと思います。その一方で、ボードゲームや玩具などのアナログとしての「パズルゲーム」もあります。今回は、アナログの方(特に1人で遊ぶソリティアゲーム)について書いていきます。
さて、アナログの方も「パズルゲーム」は「パズル」でもあるし「(ボード)ゲーム」でもある、とみなさん思いますよね。しかし……どうも曖昧に扱われているようです。その点について書くつもりですが、まずは「パズルゲーム」としてどんなものがあるのか、色々と実例をあげていきます。
『BRAINS』シリーズ〜クニツィアさんのつくった「パズルゲーム」〜
ボードゲーム界のピカソか、とツッコんでいいぐらい多作デザイナーのライナー・クニツィアさんも「パズルゲーム」を作っています。ドイツのボードゲーム出版社Pegasus Spieleから出した『BRAINS』シリーズです。日本ではホビージャパンから『ライナー・クニツィアの頭脳パズル』シリーズとして4つ販売しています。
ライナー・クニツィアの頭脳パズル:魔法の秘薬 日本語版
ライナー・クニツィアの頭脳パズル:宝の地図 日本語版
ライナー・クニツィアの頭脳パズル:メイク・ミー・スマイル
ライナー・クニツィアの日本庭園
これらは、Boardgamegeekには入っていません。つまり「ボードゲーム」ではない、という解釈をBGGではしているようです。ちなみに、シリーズ最新作の『Brains Family: Burgen & Drachen』は、多人数プレイができるのでBoardgamegeekにリストアップされています。
最古のパズルゲーム
で、350年以上前に誕生したと言われるのが『(ペグ)ソリティア』です。
おそらく最も古いかも知れない「パズルゲーム」です。Boardgamegeekに登録されているので「ボードゲーム」という見方もできるし、Wikipediaでは「パズルの名称」という記述もあります。
ということで、元祖と呼ばれるものは「パズル」「ゲーム」どちらの領域も居場所になっています。
ところで、「パズルゲーム」はどんなものを指すのか、自分なりの解釈としての定義をあげます。
1:盤面とコマなどのコンポーネントを用いて、
2:決められたルールから、
3:解答を導けるような問題をたくさん用意できる
ポイントとなるのは太字で書いた「盤面」「問題をたくさん用意できる」です。なので、「BRAINS」シリーズでは1問ごとに問題が印刷された盤面を使う、という形式にもなっています。
ちなみに『(ペグ)ソリティア』は当初は1つしか問題はありませんでしたが、時間の経過によって様々な問題が追加されました。
以下に、「パズルゲーム」を数多く出している海外の出版社を3社紹介していきます。
Brainwright
Brainwrightですが、系列としてボードゲーム出版のGamewright、ジグソーパズル出版のCeacoがあります。
日本で販売しているものもあります。ビバリーから「キャットスタック パズル」「ドッグパイル パズル」を出しています。どちらも立方体ポリオミノ系ですが、類似のものに「Geobrix」「By The Book」もあります。
SmartGames
他の2社はアメリカに本社があるのですが、SmartGamesはベルギーです。ここで紹介する3社の中では、日本で輸入販売されたのが一番後発になると思います。日本で販売しているのは、宮崎県に本社があるドリームブロッサムになります(表記がSMRT GAMESとなっていますが、Smartgamesのことです)。
あと特記すべきこととして、SmartGamesの30年以上の商品デザイン(70種類以上)は、ラフ・ピーターズさんほぼ1人で携わっています。
Thinkfun
代表的なものに「ラッシュアワー(Rush Hour)」がありますので、3社の中では、名が知れているほうと思います。日本ではキャストジャパンが輸入代理店になっています。
この「ラッシュアワー」については……、ちょっといろいろと気になることがありまして、次のノートで書こうと思います。
日本パズル協会と「パズルゲーム」
で、次のノートでは日本パズル協会についてふれます。というのも、どうも協会では、「パズルゲーム」のことはどうも避けてるんじゃないか?という素振りに見えてしまうのです。ということで、続く。
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