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iPhone とテスラは何が今までの企業と違ったのか?

テスラの振る舞いがiPhone発売したてのアップルそのものなので、何がそれまでにいたメーカーと違ったのかを考察します。

具体的にはデジャブのように競合の既存企業がどこを見ていたのか、その視線の違いを中心に述べていきます。

テスラの凄さ

テスラの時価総額がトヨタを超えたという話は聞いていましたが自動車メーカー全部加えても足元にも及ばないようです。

調べてびっくりしたので先行して時価総額の話をあげます。

テスラの時価総額は今日時点で

401.451B$

https://www.bloomberg.co.jp/quote/TSLA:US

1$=105.5円で換算して計算するとテスラの時価総額は

42兆3500億円

ちなみに、少し前になりますが日本の自動車メーカー時価総額は下記になります。

トヨタ自動車 22兆6615億円

本田技研工業 4兆6825億円

日産自動車 1兆5966億円

スズキ 2兆2752億円

マツダ 3866億円

三菱自動車工業 3189億円

いすゞ自動車 7920億円

日野自動車 4412億円

ということで、時価総額としては

日本の自動車メーカー<テスラ

です。いつの間にか遠くに来たものです。

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ちなみにアップルは時価総額 (兆 USD) 1.984です。別次元ですね。

計算間違いか悩みましたが間違いない210兆円です。単純計算でホンダの四十倍、日産の130倍です。日産の130個分がアップルと釣り合う時価総額なんですね。

iPhoneの勝因について、

さて、アップルの稼ぎ頭、iPhoneがなぜ、今の位置に居られるようになったのかiPhone2ぐらいまでを見ていきます。

大きく分けて2点勝因があると思っていて、1点は視点の面、2点目が一旦違う開発商品を経由した点でこちらはテスラが関係しないので先に述べていきます。

スティーブジョブズがアップルに戻ってきてMACを立て直すとともに新商品としてiPodを出しました。

iPodがスマートフォンの立ち位置を変えました。

PCから直接スマホに行っていたら、「PCに電話を付けたんでしょ」それも使いずらいタッチパネルなんて❗って感じになりそうでした。

当時エリートを中心に流行っていた携帯電話はblackberryというキーボード入力が可能になったものでした。ブラックベリーに時間辺りの文字数、使い勝手で通信速度もそれほど速くなく勝てなかったと思います。

アップルはここで敢えて、ウオークマンやRIOで寡占状態だった音楽再生デバイスに対して殴り込みをかけます。

アップルのPCのイメージが、iPodの真ん中のジョグひとつのイメージも追加された瞬間です。

その後、圧倒的に人気になったiPodの外見を流用して、シンプルなボタン配置がおしゃれという流れで携帯電話業界に参入します。

携帯電話をスマートフォンという見せ方にしたのが勝ちです。


さて本題のiPhoneの視線の先ですが、

これはアップルが通信キャリア基準では無く、顧客基準で物を作ったこと。

ハード基準では無く、ソフトウェア重視に変更したことです。

これはテスラもまさに一緒で

テスラのイーロンマスクは

「古い自動車会社はテスラ車が電気で動くという点が自分達と違うと考えています。しかし違いはテスラ車がソフトウェアでもあるという事であり、古い会社は、それは橋を架けられない湾ほどの大きい隔たりだといつか気付くのです」

と述べています。

iPhone前の日本の状況は、加谷 珪一さんの記事が参考になります。

iPhoneの前ももしかしたら今も電気メーカーはキャリアと競合他社を見ていました。

日本の通信機器メーカーの技術力が低下した原因を紐解くと、実はNTTの民営化にたどり着く。
電電公社の時代は、官営ということもあり豊富な予算があり、研究開発は発注側である電電公社が行っていた。NECや富士通といったメーカーは、電電公社の指示通り製品を作ればよいという立場だった。

当時はキャリア毎に紐付けされた電気メーカーが別れていて、私もINFOBAR欲しさにi-modeのドコモからauに鞍替えしました。

ところが民営化と各社の分社化によってNTTの研究開発費は大幅に削減された。NTTに代わってメーカーが独自に研究開発を行う必要があったが、バブル崩壊後、通信機器メーカーの業績は低迷し、十分な開発費を捻出できなかった。本来なら政府が研究開発について方向性を示すべきだったが、ほとんど対策は行われず、結果として日本メーカーの競争力は大きく低下してしまった。

というふうにキャリアと端末メーカーは連動して一蓮托生でした。

これに対してアップルはOSを作り顧客に向き合った。ソフトウェア重視な作り方でした。

SoftBankがうちに来てくれと言って今の隆盛を築いた点からもキャリアありきでは無かったと思います。

テスラの勝因

さてアップルのiPhoneと対比しながら何故テスラが盛り上がったのかを考察していきます。

自動車メーカーも当時の電気メーカーと同じく、顧客ではなく規制・ガソリン燃費基準と競合他社を見ていました。

将来的に燃費規制がどうなるのか、どう先行して達成して税制優遇を得るのかが死活問題でした。

また、盛り上がったのがエンジン車の燃費リッター30kmでした。競合他社がどれくらいの値を出すのか、カタログ値を見ながら一喜一憂していました。


対してテスラはOSを作り顧客に向き合ったように見えます。ソフトウェア重視の動きもテスラはiPhone に似ています。
コネクティッドモビリティや、テスラのソフトウェアが使っている人工ニューラルネットワークは既存企業が弱いところです。後で述べるOTAも自動車メーカーはナビゲーションに留まっています。

先ほどから述べている通り、自動車メーカーが競合他社や法規に目を向けているなか、8年前の2012年に発売されたテスラ モデルSと競争できる車が余りに少ないです。レンタルの形で貸与する程度です。


テスラの開発経緯

テスラ ロードスターは皮は別会社で既に借り物でした。臓物のEVの肝であるバッテリーは

パソコンのバッテリーを直列に並べてました。OEMと言われる自動車メーカーは嫌々、車だぞと笑ってました。

テスラは広告自体の利用せずにレピュテーションだけで物さえ観ずに買わせます。CMありきなので羨ましい限りです。

その後発売したテスラ モデルSが売れだした。この時でも自動車メーカーは金持ちの道楽、あくまで我々はカリフォルニアのクレジットを買うのだとおっしゃいました。

カリフォルニアでは、ガソリン車を売る毎に一定比率ハイブリッドやEV、燃料電池車を販売しなければならない規制が有ります。EVしかないテスラは体の良い銀行のように思っていました。

風向きが変わったのは、テスラ モデル3ちょっと違うと気づくところからでした。作る先から売れて、ボトルネックが台数ってなんだという話になりました。

この調子で価格も販売台数も進化させていけるとしたら、ギガファクトリーと共に(上海工場は今年末までに完成)、生産量も大幅にアップできるならと焦り出しました。

また、リチウムバッテリーのリチウム自体の供給が少なく中南米の良質の材料は取り合いですが、ここでもテスラは自動車メーカーに比べたらちゃんと確保しています。

元々三洋電機のバッテリー部門パナソニックもテスラとベッタリです。

違う土俵のはずがいつの間にか時価総額で大差。

これからのテスラはiPhoneをどうトレースするのか?

さてこれからのテスラはどうなるのかも同じソフトウェア重視のiPhone からみていきます。

まずあるのはアップルストアです。車でもOTAにより後から更新出来ますがそのプラットホームを作り各社参入すればというのは何処も考えています。

実際、アンドロイドベースのナビゲーションで自動車メーカーはグーグルストアを活用しようとしていると有りました。

次にありそうなのはOTAにより車自体のアップデート、機能を向上させていますが自動運転などなど思い付く限りのソフトウェア連動です。

CASE の2つの文字を組み合わせるのは色々生まれていますが、都市自体と連動させる動きです。

中国の雄安地区や、トヨタのWoven Cityなどなど虎視眈々と狙っています。


でも未だにiPhone を日本企業でも作れるかもとか思っている人には、感性の差があるテスラには追い付けないですね。

なんかiPhoneがエモく 、なんかアンドロイドはダサいって感覚がテスラも身にまとい出しているので、言語化できない所を上手くキャッチアップ、この言葉自体がダメですが、追い付きたいっすね。

少なくともソフトウェア重視の見る先は競合他社ではなく未来の顧客、これだけは間違いの無いところです。ってテスラを競合他社としているね。堂々巡りでまとまり無いので考え続けて行くしか無さそうです。

追記:逆さ神なのか書くと良くない事が起こります。

テスラも中国ではリコールらしいです。


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