蛙と企業
カエルの暗喩で日本企業を揶揄する記事をみたので深掘りしてみます。
「ゆでガエル」症候群
日本企業は茹で蛙だと聞いたこと有りませんか?水の中のカエルを生きたまま釜で煮たくと緩やかな環境変化に気づかず「ゆでガエル」になる。
という説話から、今の快適な?環境から動かなくて、いつの間にか世間から遅れた存在になり
いつの日にか終焉を迎えることを揶揄しています。
井の中の蛙、大海を知らずです。
私の知る限り10年以上前から日本企業の中では話しています。このままでは茹でカエルになると啓蒙していましたね。
「ゆでガエル」をキャッチコピーに変革を狙っていました。あるプロジェクトのNo.2が時折パワポ片手に力説しているのを目撃したこともあります。
あんまりのんびりしすぎて、ギラギラしている他の会社に追い抜かれるのは世の常です。
それを横目で見ながらも、日本企業はまだまだこれから、まだ大丈夫、追い抜かれたけど微差、あー行っちゃったーと緊迫感無くスルーしてしまうのが「ゆでガエル」症候群です。
それがあまりに変化が無くて、失われた30年を過ごし次の暗喩です。
リープフロッグ(蛙飛び)
日本語にすると「ピョーンと蛙飛びするカエル」です。
カエルは跳ぶ際に一度しっかりと重心を落として力をため込み一気に飛び上がります。このことから周囲から一足跳びに飛び越えて最先端になることを表しています。
もともとは維持していた固定資産がボロボロになったり、工場など保有資産が古い従来企業に対して、
最新設備を導入することで一気に追い抜くことを想定していました。
その辺の日本企業を見れば、ゆでガエルの例は数あれど
リープフロッグ(蛙飛び)というと
一旦落ちるところまで落ちてからというのがイメージとしてあります。
それは落ち目になる途中でV字回復した方が良いのでしょうが人はそれほど変われないので無理なんでしょうね。自然の摂理とまでは言いませんが。
未だ変革ならず、周回遅れになりそうな日本のこれから10年のキャッチコピーは「リープフロッグ」です。捲土重来です。
蛙跳びってあまり企業だと思い浮かべません。
リープフロッグを国単位で考えても、
✅衛生的に紙幣が汚すぎて、偽札までデ回る世界だとデジタル通貨に一気呵成に変更する。あわせて銀行口座などの金融システムがしっかり構築されていないと、デジタル通貨のシステムを一足跳びに構築できる。
✅プッシュホンなど固定電話が普及していないので、携帯電話やスマホが普及する。電線ケーブルの固定資産が無いのでいきなり最先端の基地局を構築できる。4Gや5Gを構築できる。
✅自動車産業で周回遅れだったのでEVで起死回生の大博打する中国。
✅高い建物が少ないのでドローンを飛ばせるため高層ビルが立ち並ぶ先進国よりアフリカで事業を行う。
など限られた例になります。
まとめ
ではまとめます。
茹で蛙となり一旦停滞した右の絵から、オワコンだと罵られた真ん中あたりの絵になります。
右の絵の周回遅れになった国や企業が、心機一転して新しいことにチャレンジすると、しがらみというかレガシーという過去にたまりにたまった膿を捨て去って一気にトップまで飛び出すという逸話です。
有名な人文系の本「大分岐」では日本の江戸時代前まで世界のトップだった中国が、眠れる獅子、中華大革命による自損事故で落ち込む長期停滞の理由を考察しています。ここではその理由は置いておいて今世界第2位の経済大国になった中国を「リープフロッグ」だとみています。
ファイバーのADSLや光回線の例にもありましたがインフラを一度作ってしまうと、ある程度動くため次世代技術への取組にためらいが出ます。
指示系統がしっかりしていないときトップダウンする王侯貴族の支配階級が機能しました。その後、中間層が勉学により底上げされると、ミドルクラスが重要になります。そこで産まれたのが稟議書による管理でした。あらゆる所から提案を行いそれを承認するシステムです。
日本はお殿様や公家様が居なくなって武士階級もあります。これが時代とマッチしてリープフロッグしました。世界第二位の経済大国になりました。電信や電話からファックスまでの時代です。
そこに黒船インターネットが登場します。これで一斉に一瞬で連絡出来る人が増えます。独りの天才が世界を変えられます。ツールによって時系列に記録が残り即断即決が可能になります。ここでもリープフロッグが起こります。稟議書の無い、組織だっていない所の方が逆にキャッチアップしやすいです。日本企業が遅いと言われる由縁です。順応するためには捨てる必要が有ります、でも慣れたシステムからの脱却は面倒です。
またメンテが必要になるためにサンクコストだと捨て去ることが出来ません。OBという名の外野もうるさいです。
リープフロッグするためには堕ちるところまで落ちる必要があり現実的ではありません。そこで蛙🐸から発展させます。
日本企業のカエル旅
駄洒落かと侮るなかれ
着替える(きカエル):ここではIT企業を買収して、皮を変える。
リーダーが組織を変革するのが出来れば良いのでしょうが、そんなに簡単じゃないので
いっそのこと勢いのある会社を買ってそこに吸収合併されたようなスパルタ?ショック療法を行う。
こうしてメーカーが消費者とデジタル環境上で直接つながる場を持つことは、マーケティングの構造そのものを大きく変えていきます。その構造変化こそが、顧客接点のDXである「D2C(Direct to Consumer)」や、購買体験のDXである「OMO(Online Merges with Offline)」といった形態として表れているわけです。
リアル店舗を主体とする企業がインターネット企業と連携したOMOの取り組みが今、注目されています。「BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)」と言われることもありますが、いわゆる「店頭受け取り」です。倉庫なら大きなキャパシティーを持てるため、コロナ禍のようにピーク性の高い需要に対しても対応することができ、売り上げの拡大が期待できる業態変化の着替えるです。
寝返る(ねカエル):逆にGAFAやアリババ系列やテンセント系列など勢いのある企業と一緒になる。
黒船に入ってもらって厳しい状況に追い込む。シャープとかみるだけでも大変そうでしたがショック療法です。
自ら破壊的なイノベーションに取り組み、業界を再度変える可能性が無いなら、GAFAの下請けとして日本企業から寝返り働く。
いわゆる提携です。主体をどちらにするかの矢印の向きに過ぎませんが変わることに違いはありません。
カエルのメタファーだと他には
カエルづくしのバリエーションを作る。
おたまじゃくしに戻る。
毒を持ったカエルになるか、
ツチガエルのように周囲の環境に擬態するか、
いっそのこと外来種に駆逐されるのか、
こうなりゃ物理的に一旦落ちるところまで落ちないとなので、2030年まで冬眠しますか。
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