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北関東サッカーとL型G型の組織論

冨山和彦さんのコーポレート·トランスフォーメーションの五章は炎上で今では代名詞となった地方とグローバル、L型G型の組織論です。

今回は特にL型をJ2の地方サッカークラブと対比し、サッカーとビジネスの組織論を見比べして示唆を出したいです。

地方の魅力度ランキングで最下位の栃木県、そこを脱出した茨城県のサッカークラブを題材に栃木FC、鹿島アントラーズと当てはめしていきます。

注:ここで間違いに気づく人は栃木SCファンです。私は最後までFCで進んでました。

L型中堅·中小企業と大企業の組織論

本の中では地方とグローバルの企業それぞれについて理想と現実の組織論を憲法という形で4つ示しています。

実際にはL型G型の話が中堅·中小企業と大企業なので是非一番気になる憲法四ページほどをコピーして他の憲法と見比べしてみると細かい差異が面白いです。

私は将来どうなるに興味があり、大企業に土地勘があるのでG型新憲法をコピーしました。旧憲法のいわゆる日本型経営の年功序列、終身雇用ニッチに対して、新憲法では流動的な組織に変革すべきだと述べています。

L型はオーナー一族経営との対比が新憲法で違い、旧憲法とは人の採用や忠誠心の対象が鮮やかに表現されていました。日本の中高年はここ、L型新憲法に勝機があるとしています。

さてサッカークラブの成功例、鹿島アントラーズはメルカリの小泉社長が現在統治しています。クラウドファンディングで選手のサインを発送するなど革新していきます。

元々アントラーズは、住友金属後の新日鐵によるオーナー企業がジーコを呼び寄せてJ参入しました。

それに追従して「アルシンドになっちゃうよ」のアルシンド、ブラジル代表経験もあるバリバリのレオナルドが加入してFWは外国人に任せ DF、 MFは日本人が堅守を誇るイメージが有ります。 

新憲法絡みだと人の異動はサッカー選手に付き物で、今回引退を決めた内山選手は海外移籍のため一度退団した出戻りです。

対して栃木県のサッカーチーム、栃木SCはJ2をうろうろしている地方クラブです。栃木県にはプロ野球もなくそこそこ人口もあることから、プロスポーツチームがミレニアム後に大挙して参入しました。サッカー以外にも初代王者のバスケットボールや自転車、アイスホッケーや野球など多種多様なものが有ります。

少し前の松田監督時代に強くなったため盛り上がり、一時はJ1か?ともいう感じでしたが最近は力尽きて凋落しています。

親会社がしっかりしているG型のアントラーズと、経営不安が有ったL型の栃木県の栃木SCに当て嵌めるとぴったりです。

地方L型の進む道

日本の状況である「ゆでカエル状態」から、脱却する方策が書かれています。
そこでは地産地消型経済圏を過剰集積の大都市に作ることは難しいと述べています。
この状況に今の都内はコロナ禍なのでまさに三密、田舎にもチャンスが有るのだとしています。
スモールビジネスでもICTを利用して、たとえビジネスがニッチに居ても、広く世界から買って貰えばなんとかなる。今までと違いヲタクの顧客にリーチできる手段が出来たのが大きいですね。

家族経営よりもむしろ中途半端な大きさの組織が身の振り方を考えたほうが良いそうです。

サッカーの成功例、鹿島アントラーズはL型地域クラブでもあり、レアルマドリード相手にあと一歩だったトヨタカップは盛り上がりました。

あれで一気に柴崎 岳選手はブレークしてスペインリーグに移籍しました。安部裕葵選手もレアルマドリードらしいっすね。

鹿島アントラーズはいつも一生懸命と言うか質実剛健なカラーがはっきりしていて、東北出身の小笠原満男さんみたいな選手こそがカッコいいチームスタイルです。

対して、これからはLだとGではないと言いますが、ローカルでも魅力度ランキング
栃木県は最下位どないしろっちゅうねんと言う感じです。宇賀神選手のようにブレークして移籍されるを繰り返しています。

サッカーだと栃木SCがL型産業、ローカルになりますが示唆的なものが下記の記載です。

P282 県大会で一位、場合によっては市大会や町内会でのトップで競争に勝てる、守りに強いビジネスなのである。

栃木県スポーツチームの新規応援団を取り有っているので少なくとも栃木県内の他のプロスポーツには負けられないでしょうね。

そこで参考になるのが

これからDXの風が様々な産業領域を包み込んで行くということは、ローカルなリアル系のサービス産業を担う中堅·中小企業にとっては大変なチャンスなのであるp297

とあるようにICTを利用した応援なのだと思います。栃木県のプロスポーツは結構成績が良くバスケの田臥勇太選手や自転車の世界大会開催など強いので観客を呼び集め頑張って下さい。

現状、自転車ロードレースチームである宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、アイスホッケーのH.C.栃木日光アイスバックスよりは知名度ありそうですが栃木SCから改名しようとしているそうです。まあ、私も間違いしましたので変えても良いのかなぁ。

栃木県出身の選手を優先的に加入させるだけでなく、他の地域からの選手にも愛着ある行動を発信するなどしてください。しているけど届いていません。

冨山和彦さんはL型の戦い型を示しています。

ベタなことって、やりたくないはずなんですよ。GoogleとかUberとか。比較優位はないです、彼らに。あとぜんぜん規模の経済性が効きません、こっちは(笑)。ネットワークの外部性も効きません。むしろ分散的で、密度の経済性なんですよ。そうするともしそれぞれが本当に、要は合理的な経済行動をとるんであれば、彼らは空中戦やってたほうがいいはずだし、我々はベタに地上戦やるんですね、徹底的に。空軍と陸軍で住み分けるはずなんです。
さっきちょっと申し上げたように、GoogleやUberが持っている、あるいはAirbnbが持っているテクノロジー的な優位性っていうのを、こっちは使い倒す立場ですから。じゃあ彼らは、使い倒す技能はなきゃいけない。変にぶつかりに行っちゃうと、おっしゃるようなことになっちゃうんで(笑)。

地方企業の現状

中堅·中小企業は補助金漬けのオーナー一族経営や名門同族企業が登場人物で土地勘が無いのでそんなにか?とも思いますがどうなんでしょうね。

地方はスマートシティとかというカッコいい姿からは離れて、長期的に自律可能な町の姿が必要だとしています。
亡くなられたぐっちーさんが参画してたオガールとかがひとつの理想形なのかと思います。

ここでは日本では珍しいバレーボール専用体育館を作って集客しています。

大崎会長の「吉本興業の約束」を読んだらここでもオガールがあげられてましたね。

脱線ですが以前吉本興業をくさしたことを少し反省しました。
本の中にある反社から離れるための努力とか大阪を元気にさせる取り組みとかを読むと、宮迫博之さんとロンドンブーツ1号2号の田村亮さんの時の反社との関係の時厳しい過ぎたのかもしれません。

さて、少し前から後継者の居ない会社を買うのがくすぶっている中高年に推奨されていました。
県大会、市町村大会で持続的に勝ち続ける戦いなら出来るという話ですが、本書でも戦い形を例示しています。

スポーツに例えるなら、グローバルニッチトップ企業となって世界の様々な顧客から発注を受けるようなマイナー競技でいいからとにかくその種目の世界チャンピオンになるビジネスモデル。
または勝ち組のグローバル大手メーカーにとってかけがえのないマザー工場的協力会社になることはテニスの錦織圭選手の専属のプロフェッショナルトレーナーになるビジネスモデル。

例示して居ないので考えると、

マイナーChampionは
分かりやすく行くと日本の伝統工芸品は軒並み後継者不足です。日本で陣笠を作っているのはここだけとか、テレビでやっていますよね。
ということは需要を無視すれば世界のニッチには成れます。
これをどうマネタイズ出来るのか、
途切れたら終わりなので色々併合して考える必要があるとは思いますが。

次に、ゴルフの松山英樹選手のサポートって実際そんなんビジネスに有るんか?という疑問ですが、有ります。
OEMに頼られる所って、有ります。
単品試作会社には開発途中の試作品を依頼するため列をなして待ってました。
短納期で図面だけで、無理を聞いてくれる。
無茶苦茶ですが泣きつき先は取り合いです。会社名は企業秘密というか、発注出来ないとこちらが困るので内緒です。

また、L型の戦いのヒントは下記の記事です。

「所有者不明土地」がなんと410万haも存在するというものでした。この面積を聞いてもなかなかその広さを想像しにくいと思いますが、これを九州(約421万ha)とほぼ同じ面積といえばわかりやすいでしょう。
さらに同年10月、この研究会ではこの事態を放置していれば、2040年には所有者不明土地の面積はさらに増加を続けて780万haとなり、この面積は北海道の面積に匹敵する規模となる、との見解を発表しました。

この土地の有効利用を考えてみるのがひとつの戦い型です。

さて、サッカーですが、参考になるのが吉本興業が来年からやるBS放送が地域住みます芸人に三万円で一時間の番組を作って永遠に流すっていう地方おこし番組をするそうな。

サッカーと似ているように思えます。芸人自ら現地に溶け込んでおっちゃんからカンパを貰えば更に豪華な番組を作って、他の地域と競り合わせる。

スポンサードの理由が宣伝以上に地域貢献のサッカーと似ていませんか?Bリーグの宇都宮ブレックスと競り合わせる所にも。

郷土愛とどう紐付けして盛り上がりを作り出せるのかが問われています。


本の中にある地方大学を利用してというのも、サッカーには利用出来そうです。リバプール大学やFIFA マスターのスイスなどバリバリの都心出ない所にも有ります。

欧州だとサッカーは立派なビジネスですし、裏方が憧れの仕事です。

サッカー大学院も有って有名なのが

元サッカー日本代表キャプテン・宮本恒靖氏が進学したFIFAマスターだと思います。

あのクレバーな宮本選手が大学院に進学したってことで記事を色々読んだ記憶が有ります。サッカーだけでなく、運営やマネタイズまで学ぶようです。

レスターでサッカーを中心とした歴史や社会学。続いてミラノで組織論や会計学。最後のヌーシャテルでは法学を学ぶ


University of LiverpoolにあるFootball Industries MBA(以下、FIMBA )

あとは都心ですが、

ロンドン大学バークベック校 Sport Management and the Business of Football (以下、MSc)

UCFB of Sport(GIS)も
University Campus of Football Business の略です。

見るといずれもサッカー発祥の地イギリスに関係するのですが、栃木県は無理でも鹿島アントラーズならと思ってしまいます。

アジアで初めてのプロリーグ、おすすめの方法論を教えるってことなら、サッカーアカデミーとかとあわせて、具体的には福島のサッカーアカデミーとかと連合して、JFAアカデミー福島って正式名称なんですね。Jビレッジと鹿島の辺りで一大イベントをして貰えると、近隣の栃木SCも小判鮫方式でおこぼれ?


スポーツ振興くじ助成金いわゆるTOTO⚽💴くじ等原資を利用して、アジアまでを商流にして盛り上がりを期待しています。アカデミーにアジア枠を作って参加して貰うとか。

最後に北海道コンサドーレ札幌は東南アジアの選手を獲得してアジアのファンを増やしています。栃木SCもベトナムとかインドネシアのような何処かの国をターゲットにスター選手を獲得してファン獲得を目指してみるのは如何かな?

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