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サッカーとビジネス変革の対比

冨山和彦さんのコーポレート·トランスフォーメーションの四章から組織の変革方法をサッカーと見比べして示唆を出したいです。


この本の中では10年後を見据えた変革が必要だと言われていますが、項目ごとにサッカーとの対比で見ていきます。

人モノ金軸の変革だと見てくれればイメージしやすいかな?

ガバナンス改革 スチュワードシップコード

変革には外部環境の変化があり、会社法自体2005年に商法からスピンアウトして制定されました。その事、14年に監査委員の創設、社外取締役を置かない場合の理由の説明が必要になりました。

また、取締役会議長、指名委員会・報酬委員会の活用、社外取締役の活用などの変化がありましたが余りに上の話で分かっていません。。

それまで社長さんと呼ばれたひとがCEO、代表取締役社長になったり、 併存しているときにどっちが偉いの?美味しいの?分からないっすね。


サッカーでも昔ながらの地域のサッカークラブから、組織運営を変えています。

マンチェスターユナイテッドのような上場したクラブもあれば、オーナー会社のチェルシーのイブラヒモビッチさんやアラブの石油王みたいな所の資金力に依存しているクラブもあります。

調べてみると上場したサッカークラブ結構有るんですね。

ヨーロッパサッカー界ですと、マンU以外にもイタリアを中心に(ローマ、ラツィオ、ユベントス=ミラノ証券取引所)ドイツはボルシア・ドルトムント(=フランクフルト証券取引所)、イングランドはアーセナル(=ナスダック)といったクラブが株式を公開していますが、これはなぜなのでしょうか。

バイエルンミュンヘンの社団法人が2/3を所有している地域密着型が、今年のChampionリーグで優勝するのはある意味示唆的ですね。


HRM改革(ジョブ型プロフェッショナル型移行)

組織文化改革って本当に出来るのか疑問です。本の中では社長二世代10年かけてやっと出来るのだと言われています。

それにしても冨山和彦さんの言いぶりがエグイ、ここまで日本企業的なパナソニックを変えることが出来るなら、それを水平展開できる、横展するために社外取締役を受けたとの事、期待しています。

ベンチャーサポートのグロービスでの講演で、人採用で日立やパナソニックに競り負けないでください。との言葉、パナの社外取締役なのに男前ですね。

ここで負けているようなら世界での獲得戦争で勝つなんて無いですから、なんて

世界でトップで戦いたいならここは抜けないポイントです。

サッカーこそ人です。

タフアサインの話は前回の3章の話の有りましたが、サッカーなんて三十でベテランなので未成年の人ありきですね。

ベルギーのサッカークラブなんてEUの域内で人の往来がある程度出来ることを利用して、外国資本がEU域外を中心に若手を獲得します。これを活躍させて五大リーグで移籍金を稼ぐ稼ぐ。

一歩進んでイレブンに入れそうな人をとりあえずベルギーでジョブ型採用して、関連上位クラブへ供給するためプレミアリーグのクラブや、セリエAのACモナコとが同一オーナーだったりします。

ちなみにDMMもベルギーのクラブを所有しているはずたと思います。

また、ビッククラブへの移籍金は桁が違うので先ほどのACモナコや、リオン、アスレティック・ビルバオなどが稼いでいます。ムバッペはモナコ、リオンの16才をレアルマドリードが獲得したのが話題になりましたね。

もちろん育成クラスを持つクラブ、例えばバルセロナや、レアルマドリードとかの下部組織が有名ですが、ユースから人を育てる所も多いです。


事業×機能(組織能力)ポートフォリオ経営改革(制度と運用)

長年やられている改革は、お色直ししただけで昔と同じようなことだと思います。

例えば、サブスクリプションは新聞の定期購読の焼き直しです。

人間は習慣の生き物なので一旦加入すれば惰性で続けます。新聞も未だに実家は洗剤に釣られて取っています。

この習慣づけの力は試験勉強なんかでも毎日同じタイミングでやって行くのが成果を上げるために大切です。

ちなみに下位の産経新聞は活路としてネットニュースに走り無料でもあったことから、ネットでの地位を獲得します。

ネトウヨの背景にはこのようなことも一因として有るのかもしれません。

使い放題無料サービスはどこからマネタイズしているのか、只より高い物はないのでちゃんと考えて導入しましょう。

BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)がDXの原形です。またはERPかもしれませんけど。

今だとSaaSでどれが良いのか安く作れるのかに、敢えて高額のコンサルを入れるのが組織変革にアリなのかな?


サッカーの場合はなんと言っても監督です。

数年計画で鳴り物入りで加入して戦略的に組み立てても成績不振でまず切られるのが監督自身なのでご心中察します。

ここでも書いたように監督によって色が決まっているので、オーナーはクラブに有った監督を選んで来ます。

日本の代表監督選びも話題になりましたね。ザッケローニジャパンとか、岡田ジャパンとか、ジーコジャパンとか。

継続性も大事ですが、ケミストリーとか主力選手との相性とか考えられる事は多数有ります。

ビジネスと違ってサッカーには相手があり、勝敗があり、降格があるので直ぐに結果が分かります。

11/12チェルシーがChampionリーグ制覇したときの監督は直前に切られたためサブの持ち上がりだったのが痛快ですね!

既存事業の収益性改革(固定費改革、営業費改革)

財務経営改革(事業会社版ALM経営)

アセット・ライアビリティ・マネジメント (Asset Liability Management)

横文字が多くなりますが、付いていかないと置いてかれます。

2002年の国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)との「ノーウォーク合意」によって、IFRSと米国基準のコンバージェンス・プロジェクトが開始されることとなりました。

とか有るけど米国会計基準とはまた、別で厳密に計算したときとかは悩みます。日本の会計基準は基本欧米の焼き直しです。

この本で面白かった点は、

ROICとか自社の状況でさえアニュアルレポートで確認している人にとっては、

企業の利益構造は、基本的に粗利の厚みであるgross profitマージン率(対売上粗利率)と固定費の重さ(対売上固定費率)で決まる。
大雑把に言えばgross profitマージン率-固定費率=営業利益率
粗利率の高い化粧品ビジネスなどで失敗するのはこのパターン(高すぎる営業マーケティング関連固定費)である。
逆にgross profitマージン率が25%と低めでも固定費率が15%に抑えられていれば、製造業なら営業利益率10%の高収益事業である。

って実務でざっくり計算するのに使っていた話も参考になります。


サッカーでは、金の話だとパリサンジェルマン以下PSG や、マンチェスターシティーなど大資本家が支えています。先ほどの記事に関連して、

ネイマールを獲得したPSGの株式は、その100%をカタール王国が運営する投資機関、QSI(カタール・スポーツ・インベストメント)が保有し、さらに同国の観光振興部門QTA(カタール・ツーリスト・オーソリティ)が大口のスポンサー。加えて同国スポーツメディアの「BeINスポーツ」がリーグ・アンの放映権市場に参入するなど、カタールとPSG、カタールとフランスサッカー界のつながりはかなり密接なものになっています。

 このカタールは2022年のW杯開催が決まっているのですが、日本のオリンピック同様大変ですね。

さて、収益という金額ベースの話はサッカーでは移籍金という形で明確にその人の価値が明示されます。

テレビ放映権の高騰や、中東や中国の企業の参入という面もあり一概に実力そのものとは言えませんが観ている方は楽しみです。

まるで期待値含みの株価のようですね。

これに対してC・ロナウドは、実績に乏しい選手が自身と同じか、それ以上の移籍金を見て悔しくて?苦言を呈しています。

どれくらいの金額だったのか記事によると

レアル・マドリード史上2番目の移籍金でマンチェスター・ユナイテッドから加わり、2017-18シーズンまで9年間プレーしたクリスティアーノ・ロナウドがその典型だね。
9600万ユーロ(約118億円)の移籍金でレアル・マドリードに加わり、その間に数多くのタイトルをもたらした。しかも、それだけではなく、最後はユヴェントスからの1億1200万ユーロ(約146億円)の移籍金の置き土産

そりゃ今の相場に怒りたくもなりそうですね。百億、二百億円がいますがクリロナとは比較するのもおこがましいレベルです。

M&Aやオープンイノベーションに関わる組織能力改革

冨山和彦さんのおっしゃるように社内の技術者に見てもらったらケチしか付けないというのはよくある話です。

M&A巧者のところは、負け戦でも経験値を稼ぐつもりで全力を尽くし、次回に繋がる紙資産を残す。

ドメドメのJTは教科書通り、小学一年生としてM&Aに参加した。もう日本の企業とは言えない多国籍企業だけど、

とのコメントは、

日本企業は過去の栄光といっても自分のではないものの胡坐をかいて基本をおろそかにしている

という言葉とあわせて耳が痛いです。


サッカーだと、楽天はバルセロナを目指し監督を選び、あのアンドレス・イニエスタを獲得しています。

バルセロナのユニフォームの胸に楽天マークなど椀飯振舞です。

コロナ禍前の昨年夏の移籍市場では、

欧州5大リーグが今夏に総額50億ポンド(約6400億円)を移籍市場に投じたことがわかった。会計事務所『Deloitte』の報告をイギリス『BBC』などが伝えている。

などサッカー市場自体も盛り上がっていました。

今年はコロナ禍なので今までと違った状況ですが、盛り上がったらお金が流入して、成功者が増えてまた、盛り上がる。こういう正のループを日本国内でも早く作りたいですね。




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